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二章前編2話 VS戦闘機

 女の子の希望に満ち溢れたような眼差しがフツバの心に突き刺さる。


(何なんだ、この子は?騎士と気付いたのに俺の事は気づ付いてないのか、一切警戒していない。)


 不気味さに困惑する。

 フツバが少女を背にライラに静かに喋りかける


「ねぇねぇ、姫さんあの子何で騎士まで分かってるのに俺の事を気づけず、あんなに期待の目を向けてくる訳?実は幼く見えて強いタイプの人なのか?」


 ライラが警戒の強すぎるフツバに呆れる


「あんたねぇ、あんな可愛らしい子が私たち殺しに来る訳ないでしょ。きっと迷子で騎士だと思って困り果てて喋りかけてるだけよ」


 ライラが自信満々に振り返り、少し屈んで目を合わせ優しい口調で喋りかける


「何か用事?ちょっとした事なら助けてあげられるけど私たち時間がないの、ごめんね」


 ライラの語りかけにフツバも便乗する


「そうなんだ、俺たち少し時間がなくってな。それに俺は騎士ではないんだ。一時期はそんな時もあったが今は違うんだ。でも、君の見立て通り剣は多少使えるよ」


 フツバも優しく喋る。

 女の子はその発言を待ってましたとばかりに食い付いてくる


「なるほど、つまりあなたは今私と戦って何ら問題はないと言う事ですね?」


 この一言で彼女の目的を把握し、危険を察知し即座にライラを抱き上げる


「やっぱり気づかれてたか⁉︎騎士じゃないから問題ないとか以前に鍛えてた青年がこんなにか弱そうな少女と戦うのが問題な気はするけどな!」


 フツバが駆け出す。

 だがもう遅い。


「ハァ⁉︎機械?」


 フツバの目の前には十数機の機械が浮遊していた。

 なんとその機械の正面には発射口のような物が付いている。


「喰らえ!」


 後ろの少女が機械に命令する様に叫び、いつの間にか手に持っていたボタンのようなものを押す。

 発射口からは一般人でも辛うじて避けれるほどの速さの弱めのレーザーが放出される。

 それが十数機から。

 ここで断言できることは一つ、フツバではなく単なる騎士なら瀕死になっていただろう。

 フツバは即座に対応しその場から高く飛び上がりヒラリヒラリとレーザーの間を掻い潜り、自分は愚かライラさえも完全に避けさせる。


「嘘……でしょ?なら、もう一発!」


 自分の予想の斜め上の挙動に少女が驚いた後直ぐにもう一度ボタンを押す。

 更にもう一発レーザーが撃たれる。

 フツバは横にクルリと回転し、いとも簡単に避けきる。

 十数本のレーザーがフツバの元いた場所の茂みの一ヶ所に集まり、焼け焦げにしている。


「ごめん、姫さんちょっと邪魔」


 と軽く一回謝り、フツバは近くの草むらの中に放り投げる。

 ライラはフツバの回避の横回転のせいで目が回っていて行動不能だ。

 この機械はフツバを一点狙いしている。

 見ると三発目を撃とうとしている。

 しかし、手に乗る程の小さい機械が十数機、フツバに言わせればたったの十数機だ。


「修行の木の実集めの方がキツい!」


 フツバが懐かしいとばかりにニヤッと笑い機械の方に地面を一蹴りし飛び込んでいく。

 フツバは空中で抜剣、三発目を撃とうとするその直前にフツバは五つの機械を斬り壊せる最適なルートを考え出し、一振りで切り刻む。

 機械は音を立ててバラバラになる。

 後ろで壊されたことに少女がワタワタしているのが分かる。

 三発目は飛ぶ前の場所に撃ち込まれている所から見るに、敵に照準を自動で合わせる機能はないらしい。

 そんな要らない確認をした所でこの小戦もクライマックスだ。

 残りの数機をほんの一瞬で飛びかかり切り壊す。

 機械は瞬く間に全て壊れた。

 少女は唖然すると同時に落ち込んでいる。

 可愛らしい見た目の上、交戦的でその上数少ない機械使いというのだ本当に不思議な少女とフツバ達は出会った。

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