四章13話 最強の剣士
どうもビタミンです。
今回遅れてしまって申し訳ないです。
しかし今回でなんと四豪御雷が全員揃います。
敵軍のトップが出る、いよいよこの話も本格的にバトルメインになっていきます。
頑張って面白く書きたいです。
それでは今回も楽しんで頂けると嬉しいです。
「いやはや、まさかガーリンさんの弟子がここまでバンをズタボロにするとわな!レイゼさんの面子も丸潰れだな!いやぁ自分が特別扱いしてるバンがここまでやられるとはあの背高のっぽさんは今頃どんな顔してるんだろうな⁉︎」
地面から足が抜けた男がバカ笑いをしながら自分とほぼ同じくらいの身長のレイゼをイジる。
本当に弟子なのか疑いたくなる。
そしてフツバ達にはずっと見えているが後ろから音を立てず、殺気を漏らさず、ゆっくりゆっくり近づいてくるレイゼの姿。
「ははは、それぐらいしといた方がいいと思いますよ」
ライラが硬い笑顔で止めようとするが、
「大丈夫、大丈夫。あの人の殺気も何も感じないしな。あの人はなんで眼鏡を付け外しするんだろうな⁉︎優しい方で統一すればいいのに。誰も厳しい方なんて求めてないのに、威厳だかなんだか知らんがこだわりすぎたわな!ガハハ」
なぜこの人は周囲を見渡す時に左右しか見ないのか。
後ろから鬼、否、もう逆鱗を連打された人型の龍が近づいてきている。
「と、ここまで言ってきた事に嘘偽りは無い!貴方が後ろから近づいて来ていることなど承知の上だ!フッ!おりゃあ!」
敢えて悪口を言い、レイゼを近づかせていた男。
後ろを向き即座に右ストレートを撃ち込む。
不意打により攻撃が届く
「ベフン!」
なんて言うことはあり得ずその右ストレートは予め置いてあったギミックかのように躱され、レイゼの右ストレートが男の顔面にめり込んでいる。
「ベフッ!ちょっ、やめ、ベフッ!痛、い、って、やめ、て、く、だ、さい」
容赦なく抵抗する男を殴り続けるレイゼ。
その手加減のないパンチに三人が絶句する。
鼻血を出しながら地面に仰向けになる。
「なんで俺にそんな事が通用すると思った。俺に不意打ちなんて愚策が過ぎるだろうが、メンドゥーサ!」
「だってなんか未来越えられたって噂聞いたから俺もできるかなぁって思ったけど、やっぱ無理かぁ」
メンドゥーサが涙目になりながら悔しがっている。
「ハァ、この人を一番手として説明したのが恥ずかしくなってきた」
バンがこの無様な様子を見て顔を押さえて落胆する。
「んだと‼︎そういう事は俺を倒してから言えよ‼︎お前が俺より強ければ俺が一番手を名乗る必要なんてなくなんだからな‼︎ガハハ」
バンがこの言葉にグゥの音も出ずに反論しないのが本当にこの人が一番である証明だ。
「そんな事よりしっかり仕事はやって来たんだろうな」
地面に今まで仰向けでいるメンドゥーサに聞く。
「確かに一番手がここを出てまでする仕事ってなんなんですか?」
バンでも獣魔雨、その上のメンドゥーサがする仕事はたいそうなものなのだろう。
「ちゃんと手紙は渡したぜ」
親指を立てながら答える。
「仕事って手紙渡しですか⁉︎」
フツバがあまりに拍子抜けな仕事で更にこの人の評価が下がってしまいそうになる。
が、そこはしっかりとレイゼが訂正を入れる。
「手紙を渡す相手が相手だ。そうだな、ここにはもうそうそう帰って来ないだろうから零番手とでも言えば分かるか」
上を指さしながら嬉しそうに話すレイゼ。
レイゼにとっても自慢の存在なのだろう。
この話に関してはライラでさえ分かる。
「まさかこっちに呼んでたりしないわよね」
ライラでさえ名を出さずに分かるその人。
「お前らが来るって分かってて呼ぶほど俺も馬鹿じゃねぇよ。アイツにだって今は立場ってもんがあるお前らを見逃しはできないかもだからな」
もしその人がここに来ていたらフツバ達の旅はここで終わっていたかもしれない。
その者
「剣聖、剣鬼、頂点、更には戦王とこの国のあらゆる最強に与えられる二つ名を欲しいままにしているがその中でもなんと言っても『東国最強』ってのが一番ヤバさを物語ってる。
四豪御雷にして、最強の剣士。『神功尊』」
竹一族史上最強の一人とも名高い天才中の天才。
その名を口にするだけで鳥肌が立つ。
東国最終兵器とも名高い。
とにかく二つ名が多いのだ。
「そいつは色々な話を伝える為の手紙を渡した。わざわざコイツを行かせたのは竹一族なら手合わせでも頼まれるからだ」
レイゼが過去に苦い思い出があったようだ。
「ちゃんと言われた通り一発かち合った後逃げて来たよ。でもあの感じならもしかしたら俺でもなんとか勝てそうだったな」
メンドゥーサがぶつかった時の右手の感触を思い出し、そう語る。
「どうせあの人の事です。ヴェーラも使わずただ一振りして来ただけでしょ」
バンの知っている尊ならメンドゥーサが勝つ確率なんてちり一つもないはずだ。
「いや、それがよう今回はちょっとだけ使ってくれてたんだよ。なんて言うんだ、その足元の推進力的なのに使ってこっちに突っ込んできたんだよ。マジでちびりそうになったぜ」
メンドゥーサがその時の光景を思い返すだけで震えあがる。
「アイツがヴェーラを使ったのか……珍しい事もあるもんだな」
レイゼも何人も尊の元へ人を送って来たがヴェーラを使われた事はないに等しかった。
「まぁアイツのことは手紙届けたってんなら別にいいや。それよりいい加減全員元の場所に戻れ」
レイゼが一度解散としてから相当な時間がメンドゥーサのせいで経ったことで言い出す。
「確かにあの人とまた手合わせする時のためにもっと強くなっておかなくちゃね」
バンが少しテンションが高揚しつつ少しずつ治ってきた怪我の部分を回したりして性能を確かめる。
「そうだな、尊の話をされたら一番引き締まったかもな。できることならアンタともやってみたいんだけどな」
フツバがバンより強いとされるメンドゥーサとの対戦を申し込む。
「俺は今は疲れてるからやだよ。やるとしても明日、、、いや!もういっその事一回で決めようぜ!」
喋りながら何かを思いついたメンドゥーサ。
レイゼがその発案にめんどくさげな表情をしている。
「決めるって何を?」
ライラが質問を投げかける。
もうこの短時間で新情報が多すぎて頭がパンクしそうだ。
ライラの人生の中でも一番情報量が多い一日として間違いないだろう。
「ここの一番を決めるんだよ!最近はみんな成長が著しいからなきっと今の順位が正しいとは限らないから!それに、」
メンドゥーサがフツバの方を見る。
「お前がいる時間だって長くはねぇだろうからな」
メンドゥーサもフツバと戦ってみたいと思っている。
この何番手と言う文化はこうやって更新され決まっていっているのだろう。
やるならフツバも徹底的に鍛え上げてからだ。
メンドゥーサ、フツバ、バン、この三人の三つ巴が起きる。
三人がやる気になったならメンドゥーサがすぐに行動に移す。
門の前でしたのと同じように大きく息を吸い腹を膨らませる。
「一週間後‼︎『最強祭』を始めるぞーーー‼︎参加する気のある奴らは全員備えろーー‼︎」
間近で聴くと更にうるさい大声。
その声が響くと一切の音が鳴り止んだ一瞬の後、全体が歓声をあげる。
その歓声はメンドゥーサの声を超えるうるささでどれだけこれが待たれていたのか伝わってくる。
今までこの時の為に鍛えて来た戦闘組はもちろん、機械組や薬組もこれにはやる気になる。
「最強祭」、殺さない、これだけが決まり事の祭。
正式な対人戦としてやれる事はやって良い、戦闘慣れしている者達に自分たちがどれだけ通じるのか、全員が目の前の敵をぶっ倒す為だけに動く。
これほどこの一族に合った祭りはないのである。
読んで頂きありがとうございました。
神功尊、四豪御雷の中でも最強。
ここからは今までのようにフツバが圧勝するような敵ではなく苦戦する敵が多くなります。
ここから盛り上げたいので章まとめも新しい人が入りやすくなる要素なのでもっと書いておきたいですね。
やりたい事がどんどん出てきて今脳内がとても楽しいです。
こっから更に面白くするので良ければ、感想、アドバイス、質問、よろしくお願いします。