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三・五章16話 大食い

章まとめも全然進んでなくてヤバいです。気合い入れて行かなきゃ

 場面はまたもや食堂、中では皿とスプーンがぶつかる音が鳴り続けている。

 その中心人物はフツバとスカーフである。


「なぁんで、また飯なんだよぉ。まだ11時だぜ」


 口一杯にご飯を詰め込みながら早すぎる食事についてフツバに聞く。


「あのな、お前らは自分の体を見てみろ。今のお前らは体が細すぎる。そんなんじゃ強くなろとしてもなれねぇぞ!だから飯をたらふく食って修行、たらふく食って修行の繰り返しだ、最初は!」


 フツバも模範となるために大量に食っている。

 その馬鹿な姿の二人を横目に普通のペースで食べ進む他三人。

 スカーフが自分しか詰め込んで無いことに気づく。


「おい、リーレンス。お前も強くなるなら食べきゃだろ。この飯めちゃくちゃに美味いぞ」


 近い志を持つリーレンスが他二人と同じペースなのに疑問を持つ。

 

「アンタね、女の子が体形を気にする事も知らないの⁉︎そんなに食べたら太っちゃうでしょ」


 女の子らしい面を見せるのに照れて頬が赤くなる。

 

「「お前馬鹿なの?」」


 大食い二人が同時に手を止めて同じことを打ち合わせなしで言ってくる。


「これはな使うであろう体力を蓄えてるんだぞ。つまりここで食べないということは修行を頑張らないってことだぞ。それに修行で腹の中の物は筋肉や体力に変わるから太るなんてことは起きねぇよ」


 フツバが咀嚼しながらマジな顔でそう語る。


「そうなの‼︎」


「そうだぞ」


 リーレンスは朗報を聞き、目の前に並ぶご飯をまじまじと見つめる。


(食っべぇろ、食っべぇろ)

 

(クッ、脳内に二人の声が直接語りかけてくるっ!」

 

 ご飯を前に葛藤するリーレンスに二人のテレパシーが響く。


(食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ)


 二人の声がドンドン大きくなってくる。

 終いには脳内に現れた幻想の二人がご飯を持って口ずさみながら近づいてくる。


(食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ、食っべぇろ)


「クッソォ!食べてやるわよ!」


 もう耐えきれなくなったリーレンスは目の前のご飯にガッツきだす。

 馬鹿二人と同じく口一杯にご飯を詰める。


「美味しい!このご飯!」


 一気食いで美味しさに気づいてしまったのか誰にも止められぬスピードで口にご飯を運んでいく。

 これはアトラがフツバから学んだ料理をライラが薬草やら何やらで修行バージョンにした物である。

 危ないものは入っていないので大量に食べても問題はない。

 フツバ、スカーフ、リーレンス、の三人は断食前かの様に大量に食っているが他の二人はそのスピードについて行っていない。

 しかしレグレスの食べるスピードが普通よりも若干早いのは周りの影響を受けやすい性格が出ているのだろう。




「「「食ったぁ!」」」


 三人が目の前に積まれていたご飯を完全に食い切り満足気にそう叫ぶ。

 実はこの前に積まれていた飯は日頃の一日分の飯の量であった。

 スカーフとリーレンスは腹部が膨れ上がっており無理しているのが目に見えてわかる。


「こっからこれを使うから、これを使うから、大丈夫、大丈夫」


 その膨れ上がったお腹を押さえながらそう呪文の様に唱えているリーレンス。

 フツバは満足気ではあるが二人ほど限界ではなさそうだ。

 ただすっごく眠たそうだ。


「よぉーし、お前たち今日の修行をやっと始めれるぞぉ」


 フツバが椅子から立ち上がる。


「待ってぇましたぁ」


 スカーフが椅子からのっそりと立ち上がる。

 

「今日は体力測定から始めるぞー」


「ウッス!」


 そう言って元気よくフツバと四人は食堂を出て行った。

 取り残されたライラとアトラはそれぞれフツバに頼まれた仕事に取り掛かる。



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