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三章24話 最高の人間

どうもビタミンです。

ここ最近は若干忙しいので書きませんがそろそろ二章前編のまとめを書き始めようかなと思います。

やはりこの作品を伸ばす為にはあれを綺麗にまとめることが重要かなと思いますので丁寧に大事なところだけしっかりと抜き出そうと思います。

それでは三章も終盤に差し掛かりました。

今回も楽しんで頂けると嬉しいです。

 大木に打ちつけられ悲鳴をあげる体。

 口から胃の中の一切合切を吐ききり、もう胃液以外は出てこない。

 

「お前は弱い。攻めも出来ず防戦一方。その頼みの綱の守りでさえろくに出来ず弱っていく。お前に勝ち目はない」


 この場所は冷蔵庫の中なのかと錯覚するほどに体に冷たい殺気が体を流れる。

 

「俺が弱い事くらいはずっと前から知ってるよ。俺は今までやっと素人の域を出たレベルで下から数えた方が早いぐらいに弱い」


「その通りだ。魔族にやられる程度の男が悪魔を倒すだなんだとほざくのはあまりに見苦しい。今ここで我に殺られておけ。デコピン一発で脳を粉砕してやる」


 サンライが何も無いところでデコピンをしているはずなのに何故だか破裂音が聞こえる。

 

(コイツ空気にデコピンしてんのか⁉︎ヤバすぎんだろ)


「ほれ、受けてみるか?」


 サンライが不敵に笑いながらフツバの額に標準を合わせる。


「いや、」


 フツバが口を開くと同時に床を蹴り、急加速。

 サンライの懐に入り込む。

 それと同時に


「竹のニ『流転突』」


 フツバがゼロ距離でサンライに戦を放つ。

 いつもなら敵の体が吹き飛んでグロ過ぎるので極力避けるようにはしているが今回ばかしは例外である。

 フツバの剣は確かにサンライに決まった感触はある。

 しかし、


「剣が抜けねぇ」


 フツバがどれだけ剣を引いても抜けず、まるでとんでもない力で固定されているような。


「いい攻撃だ。これはガンスの手を貫けるのも納得だ。私も、」


「なっ⁉︎」


「大量に出血してしまった。


 フツバの剣を両手で受け止めている。

 硬手術を使っている訳でも無い。

 手からは大量に出血している。

 それ以外からは一滴も出血していない。

 力で封じ込まれたとフツバが理解する。

 

「いつもの俺が脳筋になったみたいな戦い方すんな、お前」


 フツバはいつも戦っている相手に特殊な技法で相手を無力化することが多々ある。

 それを今度はカウンターされたような気がして、自分の非力を改めて実感する。


「自分の非力に溺れて死ね」


 僅か一度瞬きをしたその瞬間でサンライの足の裏が目の前まで接近していた。

 剣の柄を放すがもちろんもう間に合わない。

 吹き飛んだフツバは顔から大木に頭からぶつかる。

 鈍い音がして視界が霞む。

 ドンドン、遠くなっていく。

 焦点が合わない、手に力が入らない、考える事が、ドンドン、出来なくなっていく。

 視界が真っ赤に染まり、鮮血の世界が眼前に広がる。

 

(アイツを……手段として……考……えんな……って言われてたん……だけどな。すいま……せん)


「死んだか。オトメ・フツバ」


 サンライが目を閉じ、地べたに寝そべるフツバを見てまだ剣戟の音が鳴り響く森の中へと入ろうとする。


「誰だ⁉︎」


 後ろから今までに感じたことがない色の殺気。

 まるで後ろに悪魔に似ているが何かが違うような奇妙な殺気。

 そして何よりも


(強い‼︎)


 殺気から確かな強さを感じ取り闘気に満ちた笑顔で振り向く。

 

「お前は、」


「お前、強いね。楽しめそうぅ」


「オトメ・フツ」


 サンライが相手の行動の速さに瞠目する。


(この男の見た目は知っている。しかし、全くの別人かのような殺気に動き)


「それが貴様の本気かぁ⁉︎」


 手が痺れるような感覚が走るほどの飛び蹴りを腕で受け止める。

 穢軼魔族(エスマゾク)になっから初めての戦闘態勢に入る。

 気を抜けぬほどに強く、場合によっては殺られかねない。

 特有の不気味な構えから放たれる攻撃は変幻自在。

 さっきの先制攻撃の土産として持ち帰った剣。

 一瞬ピクリと口角を上げたフツバの見た目をした何か。

 サンライは自分の危険を察知し、横に飛び避ける。


「竹の一『(ゼツ)』」


 そう言うとフツバ(仮)が剣を振り下ろす。

 斬撃は目では追えない速度で森を抉っていく。

 斬撃が通った場所には木が藻屑となっている。


「これはくらったら、我でも痛手だったな」


 サンライはこの目の前にいる男がフツバでありながらフツバでないあらゆる事に疑念を抱いていたがその疑念は振り払われる。

 目の前にいるのがフツバかそうではないかなどどうでもいいのである。

 

 この人間は今のサンライにとって最高の相手に過ぎないのである。

読んで頂きありがとうございました。

気づいた方がいたかも知れませんがこの章はいつの間にか前編じゃなくなっております。

これは書いてみると意外と長かったパターンですね。

これで一章にしても十分かなと判断したのでそうすることにしました。

三章後半予定だった話もだいぶ重要なので申し分ない軌道修正ですね。

それではまた次話でお会いしましょう。

良ければ、感想、アドバイス、質問、ブクマ登録よろしくお願いします。

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