三章23話 昇級、穢軼魔族
どうもビタミンです。
最近はというかずっと前からこの作品は成長できてません。
ブクマもPVも悪い意味で安定してしまって困り果ててます。
新規を増やすには困難な話数。物語自体は別にそんな進んで無いんですがチョピチョピ出してるせいで話数が多い。
章まとめを作るしか僕にはもう手がありません。
名案が有れば教えてください。
それでは今回も楽しんで頂けると嬉しいです。
「条件が満たされた?」
胸部を押さえながら笑うサンライ。
「そうだ。私の能力は仲間がいる時には発動できないのだ。そしてお前は重大な失態を起こした。それは先にガンスをやった事、私を先にやらなかった事だ」
「ん?」
地面が微かに揺れている。
(地震?いや、地震というより森が怯えてるのか。俺マジで地雷踏んじゃったか)
魔獣もいなくなった森が静かに揺れている。
そしてサンライが両手を大きく広げる。
「私は仲間の死を見た時……進化する」
「進化だと?」
サンライの着ていた鎧にヒビが入っていく。
「鎧などはもう要らぬ!私は穢軼魔族へと進化する。絶望するがいい‼︎」
鎧が砕け散ると同時に辺りに突風が吹く。
そしてフツバも表情を歪ませる。
「これはヤバいな」
激しく感じる訳ではないだが体に染みていくように殺気が体を硬らせていく。
「これが貴様を倒す姿だ」
鎧は跡形もなく消え去り、筋肉質な体が剥き出しになっている。
髪は白く、肌も白い。
あの悪魔を彷彿とさせるような真っ黒な目。
しかしその目は奥までが闇に染まっておらずまだ澄んだ黒色に見える。
そしてむせ返るような殺気。
そして本能的に理解する。
「勝てないな、これは」
「当たり前だ。人間風情が勝てるようにはなっていない」
「そこに関しては何も言わないけど、今の俺が勝てないのは事実だな」
「諦めて、首を差し出せ」
手を扇ぎ、フツバの首を要求する。
「でもそれが戦わない理由にはならないよなぁ」
フツバが武者振るいなのか恐怖が故の震えなのかは分からないが構えた手が震えている。
「そうか、まぁどちらでも差ほどの差はないがな」
その言葉にフツバは苦笑いしかできない。
サンライが大袈裟に大きく一歩を踏み出す。
サンライの足が地に着いた瞬間、
「は?」
フツバの目の前にサンライの顔が近づいてくる。
するとフツバの左側に破壊の一蹴り。
骨が軋む男が他人にも聞こえるほどにとてつもない威力。
「ほう、反応はできるのか」
普通ならフツバの左手の骨は粉々になっていた。
フツバは力の加わる方向に対応して飛ぶ事でヒビが入るまでに済んだ。
「痛ってぇなぁ。槍じゃなかっただけマシか」
「フン」
今度はサンライが石ころを持つ。
石ころを何度も上げて、掴んでを繰り返し質量を確かめる。
「お前まさか⁉︎」
「ヌァァァ」
フツバが嫌な予感を感じ取りすぐに逃げ出す。
それにサンライがフツバ目掛けて全力投球する。
石ころはフツバの顔の一寸前を高速で過ぎる。
「危なすぎだろ……」
フツバが怖いもの見たさで石ころが過ぎていった方に目をやる。
フツバの横にあった木に丁度石ころ分程の穴が貫通している。
「俺、死ぬ?」
フツバが笑うしかない状況に笑ってサンライに聞く。
「あぁ、死ぬ」
優しく肯定してくれた。
読んで頂きありがとうございました。
一度も登場していない穢軼魔族をやっと登場させることができました。
ちなみに叡魔族とは格が違うレベルで強いです。
今出てきてる登場人物なら十本の指には入りますね。
回想を入れたら入らないかもしれませんが。
まぁ、今のフツバが勝てないと確信するほど強いので強さだけは保証できます。
それではまた次話でお会いしましょう。
良ければ感想、アドバイス、質問、ブクマ登録もお願いします。