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三章20話 地壊火砲

 殴りかかってきた左手に斬りかかる。

 しかし刃はそれほど通らない。

 紙で指を切ってしまった程度の出血。

 チリも積もれば山となるとは言うがこれではチリを積らせる側の体力が保たない。

 ついでにもう一撃入れようとするが文字通り横槍を刺される。

 その槍を綺麗に体を捻って躱す。

 着地したフツバに二人の猛追が襲いかかる。

 どちらかを剣で弾き、もう片方を体術で防ぎ、を繰り返す。


「埒が明かないでガンス」


 何度も攻撃、防御、攻撃、防御、を繰り返し痺れを切らしたガンス。

 大胆にも地面を貫く勢いの攻撃をしてしまう。


「それではアイツの思い通りだぞ‼︎」


「なっ⁉︎」


 フツバがここぞとばかりにその攻撃を避けた後槍を蹴り飛ばす。

 

「図体がデカイやつはキレ症ってのはテンプレだからな。ウラァーー‼︎」


 フツバが両手で剣を持ち、大木を切るかの様に相手の腕へ一撃。

 剣は深く入り込み肉を抉る。

 ガンスは絶叫することなく鼻息を荒くして耐える。

 ガンスは腕に深く入り込む過ぎて抜けない剣を抜くのに必死で移動していないフツバに反撃の一撃を入れる。


「ヌワァーーー」


 もう一方の手で力一杯振りかぶる。

 そんな大振りな攻撃をもちろんフツバは避ける。


「当たるわけねぇだろ。そんな大振りじゃあ」


 剣を腕に置き去りにしてフツバが空ぶったガンスを余裕の笑みで笑う。

 その笑うフツバをガンスとサンライは鼻で笑う。


地壊火砲(ちかいかほう)


 ガンスが空ぶったはずの拳に力を込め出す。

 フツバが地面のそこから何かが近づいて来る事に気づくが避けられない。

 地面から紫色のオーラの様なものが拳を具現化しフツバの顎を突き上げる。

 フツバの体が真上に突き上がる。


(何だコイツの技は⁉︎)


「ただ無意味に肌が紫色だと思うなよ、人間」


「さっきから人間、人間、ってお前も人間っぽい見た目してるだろうが。痛ったいなぁ」

 

 フツバが口を噛んでしまい血を吐き出す。


「それでアンタは槍が使えるだけで何の能力もないのか?」


「聞き出そうとしても無駄だ。お前では見る事もできんからな。せいぜい天国で何の能力だったのか考えるんだな」


 サンライが槍を体の周りで縦横無尽に回す。


「それじゃあ俺も能力出しちゃおっかな」


 フツバが首をコキコキと鳴らしながらリズム良く軽く飛び跳ねる。


「お前の能力は分解と結合だろ。そんなことは知っている」


「俺はヴェーラじゃなくて能力って言ってんの。能力ってのは別に特別な必要性は無いんだぜ」


「何?」


 フツバが剣を顔の横まで持ち上げ、地面と平行になる様に剣を相手に向ける。

 片方の足を引き、手を前にだし標準を合わせる。

 手を向けた方にはガンスが両手をクロスして守りの体勢に入っている。

 しかしサンライには何か只ならぬ物を感じる。


「マズイ!ガンス避けろ!お前にも防ぎきれない攻撃が、」


「もう遅いって、竹のニ『流転突』」


 その警告にガンスが反応を示したときにはもうフツバは先程までの場所にはいなくなっていた。


「な、あ、あっ、手が」


 剣が通らなかったはずの腕に、それも二重に腕が重なっている場所に剣が貫通している。

 

「あれ、体まで届かなかったか」


 フツバが残念そうに剣を引き抜く。

 傷口から血が溢れる。

 

「貴様⁉︎」


「だから能力出しなって。そんな鎧着て、槍構えてないでさ。本気で行こうぜ」


 フツバが剣に付いた血を笑いながら振り払った。

 

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