表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/217

三章16話 シルクハットの男

どうもビタミンです!

最近誤字が多いっぽいですね。

前回の話を何となく見返したら何個もミスを見つけました。

前回は直せましたがそれまでの話は気づいてない所があるかと思います。

またいつか見直す予定ですがもし気づいたことが有ればお手数ですが教えてくださると作者としては嬉しいです。

それでは今回もお楽しみください


「思った以上に手応えないなぁ!オトメ・フツバ!お前はやれる奴って聞いてたんだが⁉︎」


 目を大きく開き、完全にこちらを殺す勢いの拳撃が放たれていく。

 フツバも一つずつ丁寧に避けていく。

 拳がぶつかった地面は爆ぜて跡形もなくなる。

 相手は五人一人ずつかかってくれるほど優しく無い。

 後ろから体を貫通するような槍撃がくる。

 フツバは殺気で反応して身を翻して躱す。

 躱したフツバの頭上から紫色の巨拳がフツバを叩きつける。

 フツバの頭は地面にめり込む。

 激しく頭に走る鈍痛に気を落としかける。

 そこに老婆が追撃する。


「ホワァター‼︎」


 カンフーのような掛け声でフツバの鳩尾に高速な指突を決める。

 フツバは吐血し、体は中に浮く、剣が手から離れる。

 そこにフツバのお腹を何周も細い糸が巻かれる。

 糸はフツバの体を持ち上げて空中に逆さに吊るす。

 意識が朦朧としているフツバがブラブラとぶら下がっている。


「はい!いっちょ上がり。瞬殺だな」


 糸でフツバを吊るしたオレンジテンパの男が笑っている。


「我々五人にかかればこんな者よ。瞬殺、完封。所詮は人間」


 鎧を着た男が槍を地面に打ちつける。


「残念でガンス」


 紫色の男が幼児のような態度でつまらなさそうにしている。


「仕方ないでしょう。一対五はジリ貧ですよ」


 老婆はまた腰が曲がっており口に手を当てながら呟く。


「それではあの人の所まで連れていくぞ」


 槍を持った男が先導して歩き出す。

 そこに


「何で勝手に倒されたことになってんの?」


「「っ!」」


 半気絶していたはずのフツバが意識をハッキリとさせ自由に体をぶら下りながら右往左往させている。

 

「いやぁ、流石に効いたよ。紫の男の人のパンチは。脳震盪はどうやっても防げないからなぁ」


 フツバが頬を笑いながら掻いている。

 まるで攻撃が無かったかのように元気だ。


「何でそんなにピンピンしてんだよ⁉︎さっきまで死にかけだったじゃねぇか」


 黒髪のショートカットを揺らして怒鳴る。


「だからそれは脳震盪のせいなんだって。俺もあの牛くんとどれくらい違うのかと思って一撃だけくらおうと思ってたら連携攻撃がきてびっくりだよ」


 フツバがクルクルと糸を使って回り出す。

 隙だらけのはずなのに誰も近づかない。

 それは辺りに振りまかれるフツバの殺気の質の変化が原因だ。

 フツバが本当にやる気に何だったと肌で分かる。

 全細胞が今はいくなと命令を出している。


「それで我々の攻撃はいかがでしたかな?」


 老婆がフツバを睨みながら聞く。


「うん、牛くんよりは強い。でも危険視するほどの物でも無い」


 フツバが自力で糸を切り、地面に降り立つ。


「本気の攻撃をくらってからもう一度判断するでガンスな」


 紫色の巨漢が拳を手に打ちつけながら戦闘モードに入る。


「さっきまで一方的にくらってた奴がイキってんじゃないよ。僕らだって本気じゃなかった事も分かんないのか⁉︎」

 

 オレンジテンパの男が露骨に嫌悪感を示した顔をする。


「それを含めての判断だ。今度は反撃してやるからかかってこいよ。そんでお前らのあの人ってやつに会わせてもらうからな」


 フツバは剣を拾い構えてもう片方の手で煽る。


「ホワァー‼︎」


 最初は老婆の指突。

 さっきは容易く入ったはずの攻撃が片手で受け止められている。


「なっ!」


 フツバはその手を離す事なく軽い老婆の体を空中へとぶん投げる。

 投げた先には追撃を狙って飛んでいたショートカットの女に当たる。

 二人は仲良く落ちていく。

 次は背後からの三人の一斉攻撃。

 右後ろから激しい拳撃、真後ろから槍の一突き、左後ろからジャガーナイフのような短刀の攻撃。

 まずは振り向く勢いを利用した回し蹴りを紫の巨漢の頭に拳がたどり着くよりも早く決める。

 槍撃は硬手術を使った拳で叩き落とし、鉾先をずらす。

 槍は地面にぶつかり無力化される。

 ジャガーナイフに関してはもっての外である。

 リーチがこっちの剣の方が圧倒的だ。

 ナイフを持った手を剣で斬りつける。

 手から出血し、指が半分取れそうになっている。

 手を剣で思いっきり斬られたら指の一つや二つ失いかねない。

 半取れで済んだ分良かった方だ。

 ナイフを捌いている僅かな時間に槍の男はもう一撃とばかりに鉾先を修正し、フツバの腹を目掛けて突いてくる。

 フツバは大胆にも槍の先を素手で掴み、血を出しながらもフツバの方へと力づくで引っ張る。

 槍を持った男ごとフツバは引き寄せ、近づいた男に斜め下から顔を目掛けて斬りあげる。

 幸いにも男は咄嗟の判断で顔を引いたらしく片目を失っただけで済んだ。

 この一連の流れは僅か七秒の出来事である。

 決してこの五人が弱いわけでは無い。

 この七秒の間にここまで連携を取れた技を繰り出すのは大した者である。

 ちょっと前のフツバならまだしも、今のフツバには刃が立たない。

 それもそのはず実のところフツバはタロン戦であのおかしな人格が出てきてから判断力から戦いの何から何まで上昇しておりタロン戦のフツバよりも1.3倍ぐらい強いのである。


「ほれ、どうしたどうした?」


 両手を頭の後ろに回して無防備を曝け出す。

 老婆は曲がった指を無理矢理元に戻し、ショートカットの女はぶつかって落ちた時に曲がった羽を直し、紫の巨漢は外れた顎をくっつけ、指が取れかけた男は糸で縫い付けて何とかくっつける、片目を失った槍使いは片目の視界に慣れておらず体のバランスがまだ取れていない。

 

「クッソ!ここまで人間程度がやるというのか⁉︎」


「だから強いよって言ったじゃん」


 フツバでもなく五人でもない新たな来客者の声。

 

「よぉ、お待ちかねたぜ」


 フツバがその男を見て説明されずとも理解する。

 シルクハットを被りスーツのような物をきて片手には杖を持っている。

 極端にアシンメトリーな髪をしており、片方は刈り上げているのにもう片方は長く伸ばしている。

 

「僕を知ってるのかい?珍しいね」


 フツバがこの男について知っているのは先ほどまであの人と呼ばれていた男という事だけではない。

 この男、度々獣魔雨の際に見られているシルクハットの男なのである。

 この話は信じている人が少ないが故にあまり広まってないがフツバがこの話を聞いたのは何と言ってもガーリン直々にだ。

 

(「縁付き帽子の男?」


 フツバが首を傾ける。


「そうだ、獣魔雨の中に居るんだ。いつもな。そいつがあの悪魔と繋がってるのは確かだ。捕まえれば一気に悪魔に近づけるはずだ」


 野獣のような豪快な笑みを浮かべる。)


 この男フツバ達にとっては切っても切り離せぬ関係なのである。


「オトメ・フツバ。やはり噂に聞いていた通り面白い男だ」


 その男、縁を持って帽子をクイッと上げて不気味に笑っていた。


読んで頂きありがとうございました。

シルクハットの男やらポニーテールの男やら何やらと正体が分からん奴が大量に出てきてますね。

幸いにも二人とも説明は今回の章でするのでご安心ください。

最近は毎日投稿ができない代わりにちょっとでも長く書こうっていうのを意識しています。

前回は今までに比べれば若干長かったのはそういう訳です。

今回は中くらいの長さでしたね。

最終回とかはもっと長く書きたいと思っています。

それではまた次話でお会いしましょう。

良ければ感想、アドバイス、質問、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ