三章14話 タンから食べる
どうもビタミンです。
最近は投稿頻度は早く、内容ちょっと少なめっていう感じのが多いですね。
そっちの方が話的は進んでいる気がしていいんですが、結局どちらがいいかは分かりません。
こっからは言葉が中々出てこない戦闘シーンが多くなると思いますのがよろしくお願いします
「周り暗いから顔よく分からんと思ったけどこうして近くに立ってみるとブスばっかてのがよくわかるな」
フツバが目の前の無粋に進行する魔獣の群れを見てぽつりと呟く。
一部のものは辺りの草木を食い、一部は仲間同士で殺し合っている。
まさに地獄絵図だ。
「今は屍彙魔族しか見えない感じだな」
フツバが周りを陽気に見回す。
フツバは一度鼻から息を吐く。
「ヤルか。」
フツバの目が殺意に満ちた目に豹変し、魔獣共を威嚇する。
魔獣共もそれを感じ取れたらしく、全員がフツバにめがけて向かっていく。
ゾンビみたいなのも多いので侵攻してくる時の引き摺り歩く音が気持ち悪いったりゃありゃしない。
フツバはゆっくり剣を抜刀し、両手で前に剣を構える。
「竹の一『絶』」
フツバが言うと同時に鋒を脳天の真上まで上げた剣が滑らかに一振り放たれる。
その威力の絶大さは後から訪れる。
魔獣の群れのど真ん中を一閃が走る。
地は砕け、周囲の地面にもヒビが入り、足元の不自由な屍彙共には影響は絶大だ。
魔獣の群れには綺麗な一本道が出来上がる。
「まずは前菜だ。美味しく召し上がってくれたみたいで何よりだ。軽く見て被害は四百そこらか」
フツバはまだ余裕そうな表情を浮かべている。
フツバの脅威を自我がほとんど無い屍彙でさえ感じ取ったのかフツバに対する侵攻速度が加速する。
近くに来た者達を次々にゴミ掃除をしているかのように駆除していく。
剣が箒に見えてきてしまう。
「……」
フツバは無言でドンドンと薙ぎ払っていく。
途端にフツバは何を考えたのか走り出し自分の周りと前方に立ち塞がる者達を切り捨てていく。
フツバの先程の行動は自我芽生えている濔生魔族がどこにいるかの判断でもあった。
フツバの先程の戦で吹き飛んだ死体を見ていたのだった。
フツバの足が止まる時、その時のフツバの周りは魔獣に囲まれ、目の前には自我を持っているが如何にも雑兵といった感じの落武者のような者達がズラズラと並んでいる。
フツバから見ても屍彙より多いことが分かる。
「さぁ、本番スタートだ」
フツバがそう発するとそこでまるでアイススケートかのようにクルクルと回り出す。
フツバの勢いは止まることを知らず、猛風を起こし出す。
その勢いは強くなりすぎて台風のような風までも起こしてしまう。
フツバが片足で床を擦って減速する。
もちろん周りにはもう誰もおらず辺り十五メートルほどは平地とかしていた。
「くくく、くそぉ」
濔生魔族はヘンテコな日本語と共に立ち上がり、まだ剣などの武器を構えるが屍彙共は昆虫かのようにひっくり返ってから自分で立ち上がれないものや、怖くなって液状の体が溶けていなくなってしまう者など多種多用だった、
「ぬわぁーー」
濔生魔族の端くれが頑張ってフツバに向かってくるが真っ二つにされて終了だ。
フツバは踊るかのように敵を切り払っていく。
手を煩わせるレベルの敵はおらず、何ら問題がなく全員倒せる。
というわけにはいかないのが世の中である。
フツバが戦闘を始めてからかれこれ三十分経った。
屍彙魔族は順調に数を減らしこのまま行けば時間の問題。
濔生魔族も似たような感じだが強いて言うなら命乞いをする奴などもいるのが心を痛める。
そのうちの九割以上が助かりがたい為の嘘だがそれでも精神攻撃としては充分な成果だった。
「やめてください。家族がいるんです。お願いします」
「家族がいるって、そりゃあ一斉に生まれた周りの奴らがそうだろうよ。ごめんなソイツらはもう結構殺しちゃってるから。後少しすれば向こうのほうが家族が増えるからそう悲しそうにするな」
「や、やめ」
フツバがその首をサッサと跳ね落とそうとした時。
剣と何かが激しくぶつかった音がした。
そこには目を見張るような大きさの牛の巨大な斧とフツバの剣がぶつかり合っていた。
「そこまでにして頂こうか。オトメ・フツバ。お前にもう退屈はさせんから安心せい」
牛が鼻息を荒くしながらもフツバにそう告げる。
「それは安心だな。ちなみに俺は牛ならタンが好きだから舌から切り落とすわ」
気合いに満ちた叡魔族の牛とフツバがとうとうぶつかった。