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三章9話 弟子テスト

どうもビタミンです。

最近の話は言い方や表現に気をつけないと伏線がモロ見えになってしまうので難しい。

明らかに怪しい言葉ばっかりですがお許し下さい。

そろそろ眠いので終わりまーす。

それではこんかいも楽しんで頂けると嬉しいです。


「時間ギリギリー‼︎急いで覚えろ覚えろ覚えろ‼︎」


「一秒でも多く、一秒でも多くですよー‼︎」


 そんな大声をあげるフツバとアトラに挟まれるライラ。

 ライラは黙って覚え続ける。

 時計の針は11:59を指していた。

 期限は正午までと決められていた。


「終了だ!」


 そこにパナセアが時間切れを伝える。

 フツバとアトラは素直に黙る。

 ライラはすぐに本をパタンと閉じる。


「それじゃあ今から私が言う薬の作り方を言ってもらう。簡単な事だ」


「分かりました」


 ライラは緊迫した空気に手に汗を握る。


「まずは基本の基の薬草から」


 ライラは特に考える事をせずに即答する。


「森などに生えてる薬草を擦り潰してそこにイヴの木の樹液を少量入れて完成です。薬草はイヴの木の樹液の濃度や質が回復力にとても関わります」


「その通り」 


 ライラの顔つきが自信の付いた顔つきへと変化する。


「私、意外と行けるかも。すごいスルスル出てくるの」


 ライラがいつの間にか後ろで立って見守る二人に嬉しそうに話しかける。


「それは良かった」


「その調子ならいけそうですね」


 二人もその言葉にさらに勢いづけれるようにと追い風を吹かせる。

 ここである一つの事実を述べるとするとライラは自分を本当に居眠りしてしまった人だと思っている。

 フツバとアトラは変に手を抜かせないようにと黙って見守ることにしておいたのだ。

 だからライラは自分の口からスラスラ出てくる知識に驚いている。


「次、癒皮薬の作り方」


「癒皮薬はまずイヴの木の樹液を薄く治療部位に塗り、そこの上からサンザルの花の花粉を撒く。そこに包帯などを巻き、あとは時間の経過を待てば終了」


 ライラはスラスラと答えていく。

 本人は気づいていないのかもしれないがライラは求められている以上の答えを返している。

 作成方法だけでなく、使用法までも答えている。


「ヴェーラって恐ろしいな」


 フツバがライラに聞こえない程度の声でアトラに言う。


「あなたも持ってるでしょ」


「そりゃあ、持ってるけどさ。俺は顕在であの人は潜在だから詠唱とかないから自分でも無意識なんだよな」


 フツバがパナセアから放たれる視線に気づく。

 パナセアはどうやらここまでで何かを察したようでフツバ達の方を見てくる。

 

「そういう事でいいのか?」


 パナセアがライラ越しにフツバに聞く。


「えぇ、お察しの通りですよ。あれは寝てたわけじゃないんです」


 フツバが一度頭を下げて謝罪の意を伝えるがフツバは五英傑に一泡食わせれたと少し笑みをこぼす。


「ちょっと!私だけ蚊帳の外に置かないでよ!どういう事⁉︎教えて教えて教えてー」


 ライラが明らかに話の筋を自分だけ理解していないことに気づき暴れ出す。


「アンタはヴェーラに目覚めてる。それも『薬学のヴェーラ』にね」


 パナセアが言い放つ。

 ライラは魂が抜けたかのようにピクリとも動かない。


「そ……ん……な、私がヴェーラに?」


 ライラは唇を震わせながら話し出す。


「そうだよ。アンタはあの時寝たんじゃなくて、ヴェーラを習得したんだよ。それに関しては俺とアトラが見てたからな保証できる。それに今のを聞いて確信した。アンタは潜在型で薬学のヴェーラだ!まさかこんなに弟子にするのにピッタシの子がいるとはなパナセアさん」


 フツバがパナセアの方を見て不敵な笑みを浮かべる。


「あぁ……もう分かった!お前は合格だ!ライラ!まさか本当に弟子を作る日が来るなんて思っても無かったがな。時機も丁度良いしな。こっからみっちり一ヶ月鍛え抜く。その覚悟はあるかい?」


「はい!ヴェーラなんて全然使いこなせる気はしないけど、覚悟なら十分あります!」


 ライラは今の現状理解よりも目の前の質問に答える。


「フツバ、一ヶ月かかるがアンタ達はどうする?」


「あなたの気が済むまでで」


「それなら一年かかると言っておいた気がするが?」


 パナセアは一段落つき酒をまた飲み始めた。


「でもその時はヴェーラのことは知らなかったはずです。今なら?」


 フツバがパナセアを真っ直ぐ見つめ、真剣に聞く。


「ふーん、そうだな。ザッと三ヶ月前後って所だな」


「四分の一なら上出来です。問題ありません」


 フツバがライラに笑って見せる。


「やったな、姫さん。アンタもこっち側の人間だ」


「そうよね。私もヴェーラ使いってことよね⁉︎やったー‼︎まさかこの間知ったようなヴェーラをこんなにすぐに覚えちゃうなんて私って天才だ」

 

 ライラは嬉しくて舞い上がっている。

 しかしフツバの求めていた答えとはそれは違っていた。


「違う。そんなヴェーラなんていう大して珍しくもないようなもんじゃなくて、『五英傑の弟子』っていう重大な役目の方だよ」

 

 フツバが言葉に熱を籠らせている。


「そうよね。私もそういうことなんだもんね!」


 ライラは嬉しそうだ、しかしフツバは顔を少し陰らせる。


「きっと辛いぞ。今までよりも何倍も何倍も辛いことが待ち受けてる。それを受け止める覚悟はできてるのか?これは先輩弟子からの教えだ。生半可な覚悟じゃ到底乗り切られる物じゃないと思った方がいい」


 フツバは何だか悲しそうだ。

 その理由は今となってはライラにも分かる。

 自分の事をこれは言っているのだろう。


「フツバ達!」


 パナセアが急に話しかけてくる。


「はい⁉︎」


 フツバがそれにビクりと驚きすぐにそちらを向く。


「お前達はゆっくりしときなこっからは私の番だ」

 

 どうやら妙にパナセアもやる気らしい。

 何がそうさせたのかは分からないがやる気があるのはこちらとしても嬉しい事だ。

 ライラ弟子訓練地獄が今始まる。


ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー


 ここはどこかの森の中。


「ふん、そろそろ侵攻するとしましょうか。足取りはされたはなしに掴めていますから」


 森の中を一人で歩くシルクハットを被った男。

 男が手を二回拍手する。


「行きますよ。皆さん、行き先はウダマンドラです」


 謎の男はウダマンドラへと向かいだした






読んで頂きありがとうございました。

見事ライラは合格という事で味方のうち二人が五英傑の弟子という事です。

こっから前編はどんどん盛り上がっていきますお楽しみに

それではまた次話でお会いしましょう

良ければ、感想、アドバイス、質問お願いします

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