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三章5話 合言葉を思い出せ

どうもビタミンです。

今回は前回の五英傑登場の続きです。

緑髪の女は本物なのか。それともフツバ達をまた騙しにきたのか。

そろそろ毎日投稿を日常にしたいですね。

それでは今回もお楽しみ頂けると嬉しいです。


「あのぉ、一体どういう事でしょうか?」


 正座でパナセアを見上げながらフツバが聞く。

 何故かフツバ達はパナセアと同じくベットに腰掛けず、正座をして話に入る。


「そんな畏まらなくてよろしいんですけど。そうですね、言った通り私がビコナ・パナセアというわけです」


 翡翠色をした優しい瞳でこちらに微笑む。


「何で急に名乗り出てくれたんですか?」


 フツバ達がさんざん探し回った後に出てこられてはフツバ達目当てと勘繰ってしまう。


「それは……こちらも少しやらなければいけない事がありまして、すぐに立ち去る様子はなかったのでその後声を掛けようと思っていたらこんな時間になってしまいました。すいません」


 フツバは正直会ったことがないから分からない。

 しかし勘繰る以前に確認する方法がある。


「そんな事よりも本物なら合言葉を、」


 フツバのその言葉に反応を見せるパナセアを名乗る人物。


「合言葉ですか?……」


 女の視線は左上を向き、必死に記憶を呼び起こしている。

 怪しい、非常に怪しい。

 合言葉何てものは普通スッと出てくるものなのではないだろうか。

 フツバには合言葉を百年単位で覚えたことがないので絶対とまでは言えないが怪しい。


「というかやはりあなたはガーリンの弟子って事で良いんですね⁉︎」


(話逸らしたな、この人)


 行動の全てが怪しく見える。

 なによりもフツバにとって怪しいのは印象が違いすぎる事である。

 ガーリンに聞いていた感じだと色気がなく、普通にどついてきたりするような性格である。

 比べてこの人は落ち着いていて美しい。

 そう、まるで薬学の五英傑ならこんな感じでしょって感じできた感がプンプンする。

 フツバの懐疑な視線に女は苦笑いで応える。

 そこにライラがフツバの耳元に近づき


「ねぇ、フツバ。よく考えたら合言葉云々の前にアンタを五英傑の弟子って分かってる時点で大丈夫なんじゃないの?」


「それはわからんだろ。だって俺たちは一日中五英傑の名前を聞き回ってたんだぜ。それで俺達を五英傑を今でも生きてると思い込んでるバカだと踏めば、弟子って聞いときゃ信者なら喜ぶか肯定するかするだろって魂胆で聞いたに過ぎんだろ」


 確かにフツバにもライラの考えはよく分かる。

 というか一ヵ月前のフツバならそれで信じていただろう。

 しかしフツバは裏切られた経験があるせいでちょっとやそっとでは信じない体質になってしまった。

 相手がIQ二百の天才と思い会話している。

 念には念をの具現化である。

 

 長い間その女は悩み続けた。

 ライラは態勢が崩れ、ベットに腰掛け、半分寝ている。

 アトラは立ち歩き水を持ってくるなど思い出しの手伝いをしている。

 フツバはと言うと一応まだ警戒していつでも抜剣できるようにしている。

 そして女がアトラの持ってきた水を飲んでいる時急にその水を勢いよく吹き出す。 

 幸いにもその水は誰にもかからなかった。

 フツバが警戒し、ライラは目覚め、アトラはやっとかと立ち上がる。


「し、しまった」


 女が小さく呟く。

 女の口調と顔付きがフツバの想定していた物になっていたがそれも束の間、すぐにさっきまでの優しい顔になる。

 そして、思いっきり頭を下げる。


「ごめんなさいーーー‼︎」


 全員がその行動に驚く。

 女は顔をあげフツバを見て


「弟子作るの忘れてました」


 女が申し訳なさそうに謝る。

 この女は本物だ。

 しかしその発言は本物という証明よりもフツバ達に大きな衝撃を与える。


「えぇーーー‼︎楽しみにしてたのにーーー!」


 ライラが衝撃を受けてベットに倒れる。


「それ、マジですか?」


 フツバも強力な仲間が一人増える予定が狂い、流石に凹む。


「えぇ、マジです。私もの忘れが酷くって」


 女は何故か照れている。

 こっちとしてはそれどころではないのに。


「一応合言葉を聞いてもいいですか?」


 フツバが第一目標であった確認をする。


「はい……『弟子よ、集え』ですよね。あんな別れ際に言ったことを思い出せただけでも御の字です。全く、アイツは」


 パナセアは愚痴をこぼしつつも嬉しそうだ。

 

「これで確認は取れました。本当に五英傑だったとはすいませんでした」


 フツバが深々と無礼を陳謝する。


「大丈夫ですよ。立場を考えれば仕方のないことです。それで今日は確認を取りにきただけですので、細かい話はまた明日」


 パナセアは立ち上がり扉へと歩いていく。

 考える時間が長かったせいでもう外も真っ暗になっていた。


「どこに行けば?」


 フツバがパナセアの背中に問いかける。


「そしたらこの街の西の森の辺りに来てください。私が迎えに行きますので」


「お願いします」


 パナセアはその後すぐに部屋を出ていき帰ってしまった。

 確認が取れてからは少し落ち込んでいるようにもフツバの目には見えた。


「それにしても、弟子が居ないとなると残念よねー。」


 ライラが気を落とす。


「あぁ、マジでどうしよう。普通にヤバいかも」


 五英傑の登場はフツバを悩ませる結果となった。

 

 


読んで頂きありがとうございました。

今回はパナセアという事を証明する話でした。

なんだか色々疑問が生じる女でしたが果たして。

次話はちょっと長くしようかなと思います。

弟子を作っておくのを忘れたパナセア。

この話は何を終着点とするのかもまだ分からないと思いますが、何が起きるのでしょうか

それではまた次話でお会いしましょう

良ければ、感想、アドバイス、質問、お願いします

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