三章4話 『癒』
どうもビタミンです。
この作品でやっとブクマが二桁いくことができましたー
半年で10とは大変ですねやはり。
ですが僕の投稿で10人の方が読んでくださる可能性が高いと考えるだけで書く理由になりますので感謝しかありません。
いくら異世界転生してなくて文章力もそんなに無いとはいえここまで厳しいとは思いませんでした。
この分は展開でカバーしていきたいと思います。
最初があまり面白くないということは後半に面白い話が待っているパターンの作品ですのでよろしくお願いします。
それでは重要な第4話お楽しみください
「蒸れて仕方ないわね。この仮面は」
ライラが部屋に入り仮面を外してそう呟く。
フツバ達は今、宿屋の一室に泊まろうとしている。
最初は三室取るつもりだったが祭りだったということもあり、いっぱいらしい。
受付曰く、当日で泊まれる方が珍しいらしい。
そうして仕方なく三人一部屋になったが、そうなるとアトラが慌てだすのも当然だ。
フードを被っていたアトラはフードをとる。
アトラの髪はライラによって後ろにまとめられていておでこ丸出しでこれまた違った可愛さを醸し出している。
フツバは最後に部屋に入ってきて仮面を外す。
「まぁ、我慢してくれ。でも今回の街ではセメラルトみたいに初日から問題が起きなくてよかったな」
フツバが大きな街でのトラウマを思い出し、二の舞にならなかった事に安堵する。
この世界はフツバを敵対視している。
今後も易々とは行かないだろう、
「って、アトラは何処に?」
部屋にライラとフツバの間に入ってきたはずのアトラの姿がない事に気づく。
アトラが鍵のかかった浴室の方を指さす。
「あの子入ったと同時に中に入っちゃったけど」
「腹でも壊したのか?大丈夫かー、アトラ」
フツバが心配して声をかける。
「だ、だ、大丈夫ですから。私のことは一旦置いといてください」
アトラは何だか中で作業しているようだ。
本人が気にしない事をご所望しているのでそれに従う。
「そんで今日の収穫はゼロだったわけだ」
フツバが眼間をつまんで疲れを少し柔がせながら話す。
「もういっそ、僕はガーリンの弟子です!って言っちゃったら」
ライラが考える事を放棄する。
「そしたら更に俺達に対する警戒が強まるだけだと思うぞ。挙げ句の果てには東国最強とかまで出てくるぞ」
フツバはどんどん強くなる警戒に嫌気が差しつつある。
評価はして欲しいが警戒されると行動しづらいというのがあるので評価して欲しくないと、支離滅裂な考えになってしまう。
「今後どうするかだが、」
「うわぁーーーー‼︎」
浴室で何が倒れてそれに連鎖して大量の物が倒れた音がする。
ついでにアトラの叫び声まで聞こえる。
「どうした?」
フツバが翌日まで聞こえるように大きな声で聞く。
「いえ、何でもありません。気にしないでください」
アトラが何かをしていることは確信したがまだ秘密らしい。
「そんで今後はどうするって?」
ライラが遮られた話を続ける。
「そうだな。一旦はまだあたれてないとこあたるとして。そっからは……大病の演技をしてみるとかじゃね」
フツバが一瞬だけ考えて対策の一手を考え出す。
一瞬にしてはまだまともな案だ。
だがここまで身を潜めているなら出てこない可能性の方が高いかもしれない。
そんなことを話して少し時間が経った頃、ドアがノックされる。
アトラももう浴室から出てきており、三人が扉の方を向く。
フツバは一応の事を考え帯刀し、仮面を付けて扉をゆっくりと開ける。
「アンタは……」
扉の前に立っていたのは
「酒場で喧嘩してたお姉さん⁉︎どうしたんですか?」
フツバが相手を見て、警戒を解く。
緑髪で翡翠色の瞳のお姉さんはもう酔っ払ってはなさそうな表情だ。
顔付きは真剣で仮面を付けたフツバの事をジッと見つめる。
「何ですか?僕はあなたには何もしてないですよね」
フツバが返答のない無言の圧に気圧される。
部屋の後ろで隠れる二人は心配そうにこちらを見ている。
「今から失礼な事を言うかもしれないが許してください」
お姉さんがそうフツバに言う。
「……どうぞ」
フツバは綺麗な言葉使いに少し戸惑うが了承する。
「あなた、」
お姉さんはグッと顔をフツバの耳元まで近づけてくる。
フツバが反射的に後ろに避ける事を見越してか片手で体を掴まれる。
そしてこう続ける
「オトメ・フツバさんではありませんか」
フツバの顔から血の気が引く。
(なんで俺の正体に気づけた⁉︎)
フツバは腕を振り払い後ろに飛び下がる。
手を剣にかざしていつでも抜剣できるようにしておく。
後ろの二人は何が起こったのかと慌てふためいている。
女も焦って、手を横に高速で振って降参を示している。
「や、やめてください。別に捕まえに来たわけじゃないんです」
女は必死にアピールする。
しかし今のフツバは正体を知っていても何もしてこない奴には経験的に警戒するようになってしまっている。
故に手を剣から外さない。
「アンタが何者で何をしに来たか聞かせてもらおうか」
フツバはいつでも戦闘可能だ。
「私は、」
フツバは知っている。
悪役はこう言う時に、お前を殺す者だ!、とか言って襲いかかってくる事を。
だから警戒は何て言われようとも解くつもりは微塵も無い。
しかしその警戒は結果として解く事になる。
なぜなら
「あなた方が探してる五英傑『ジェトルス・パナセア』です!」
「ヘッ?」
間抜けな声がウダマンドラの夜に溶けていった。
読んで頂きありがとうございました。
とうとう来ましたね、ジェトルス・パナセア。
これがまた大事なんです。
酒場にいた女の人が五英傑ということで、ガーリンとの関係や性格などを今後しっかりと描ければなと考えております。
パナセアの弟子はどれほど強力な助っ人になってくれるのかも楽しみですね。
それではまた次話でお会いしましょう。
良ければ、感想、アドバイス、質問、お願いします