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幕間 王様の悪だくみ

「何なのだ。あれは」


王宮。召喚された勇者や家臣達で埋まっていた謁見の間には、今は王様と側近である家臣の二人しかいなかった。


「まさか、あのような者が召喚されるとは予想外でした」

「うむ。てっきり勇者として最低限の教養を持った者が来ると思っておったのだが、あんな者が紛れ込むとは」


先程までの顛末を思い出し、深いため息を溢す二人。

ふと、王様は少年の発言を思い出す。


「そういえば、奴も言っておったが、召喚をやり直すことはできぬか?」

「無理です。そもそも、勇者の召喚は、優秀な魔術師が数百人以上必要な禁術。発動させること自体不可能な魔術なのです。連続で使用するなど、どんな災厄が起こるか見当もつきません」

「うむ。そうか」


側近の言葉に頭を抱える王様。


「陛下はもう少し行動と発言に注意してください」


先程の発言や、五人の勇者達を前にしての不味すぎる態度を含めて注意する側近。


「うむ。すまなかった。しかし、どうしたものか」

「提案なのですが、騎士団長に任せてみてはいかがでしょう」

「任せる?」


予想外の人物の登場に首を傾げる王様。


「はい。我が国の騎士団長の鍛錬は苛烈で、殆どの騎士候補生が一日も持たずに音を上げると有名です」

「……成程。異世界から来た勇者達はまだ幼い。つまり、騎士団長に使い潰させるのか」

「ええ。加えて、彼らがいた世界は平和な所で、争い自体したことがないと聞き及んでおります。あの者の訓練内容だけ、色を付けてもらえば、すぐに使い物にならなくなるかと」

「……お主、なかなかの悪だな」

「いえいえ。陛下には到底かないません」


静寂が支配する謁見の間では、王様と側近である家臣の不気味な笑い声だけが木霊した。




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