Talk about the past,
「……」
「…………やっぱり信じない?」
信じねぇよ馬鹿。と、言ってやりたくなった、実際言った。
世界は幾度も滅んでいて、過去の記録が全く残されていないのはその時代に魔法を使う人達がいて、なんて非科学的な事を、科学教師である葛利にしているのもどうかと思うが。
言ノ葉は至極楽しそうに話しているので流して聞いている。
「えー、ねぇ。漆巳ちゃん。」
「ンだ馬鹿。」
「アタシが馬鹿だったらこの学校の生徒皆馬鹿だよ。」
学年1位の座は奪われたことはない、ただの1度も。
影で努力しているのだと言う。学校でもその努力を見せてくれとは思う。
「本当に信じない?」
「信じない、というか、有り得ない。」
「アタシが魔法を使えたら信じる?」
静寂になる。
廊下の方だけが騒がしい、ここだけ時間が止まったように感じた。
「葛利先生、次の授業なんですけど……あれ?四ッ谷さん?」
「…梓せんせ。どーも。」
椅子に足を引っ掛けて言葉を無視するように言ノ葉はぐるぐる回転していた。
葛利はこの馬鹿は気にせず、どうしましたか?と藤ヶ谷に問う。
「……」
2人の会話を聴きながら外の弟に耳をすませる。
雨の音がする。
「四ッ谷、この部屋は好きに使ってろ。薬品には触るなよ。」
適当な返事を返すとパラパラと本を読み始める。
授業開始のチャイムが鳴り終わると雨の音がうるさくなる。
「信じてくれるかなぁ。」
過去の話を、