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Corridor window glass.
「およ?」
今日もふよふよ、ふわふわ。見知った姿めがけて突進!!
「う"っ、わ!?」
「四ッ谷ーー!!!四ッ谷!おはよ!!」
校内でも何かと奇異の目で見られがちの四ッ谷言ノ葉だが苦手とする人間もいる、小夜双汰はその内の1人だ。
自分の姿を見かければ話しかけてくる、抱きついてくる、大声で名前を呼ばれる。
「あーもう!いい加減にしろ!!」
「またやってるの双汰〜。」
津下楓は真逆だ。四ッ谷言ノ葉が好意を抱く人間の1人。
屋上に行くつもりだったのだろう、ブランケットとクッション、ジュースを抱えている。
「津下ちゃん、助けて!」
「も〜、四ッ谷いじめるのやめたげなよ。」
「こーら、そこ。チャイム鳴るぞー。」
「うげ、」
皇緋瀬は嫌いだ、それなら兄の皇緋那の方が好きだ。
好き嫌いがハッキリしている、というのは長所なのかもしれない。…しれないだけだが。
しかし言ノ葉は元々、人間が得意ではない。
廊下の窓ガラス