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神魔喰いの人外達  作者: 神食狼
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プロローグ

剣と魔法が発達した世界。


その当時の世界は荒れていた。


世界中で奇病やら飢饉やらが横行し、領土や食料、資源をめぐった戦争が多発し、沢山の国が滅んでいった時代であった。


世界中の誰もが自分達を導いてくれる"指導者"を求めていた時に、その7人は突如現れたと言う。


彼らは自分達を『7業の悪魔達の子孫』だと名乗り、戸惑う人々に向かってこう宣言した。


「我々の一族はそれぞれ『傲慢・強欲・嫉妬・憤怒・怠惰・暴食・色欲』の悪魔達の力を使う事ができる!しかし我々はこの力を、自分達で独占しようとは思わない!今我々はここに、こんな荒れ果てた時代にも決して屈しない強固な王国を建設する!それには皆の協力が必要不可欠だ!もし我々の王国建設に協力してくれた者には、この先未来永劫の平和を約束しよう!我々についてきたい者は、ついてくるがいい!!」


この演説に、その場にいた大勢の人々が震撼したと言う。


新たな王国建設の噂は瞬く間に世界中に広まった。


あらゆる場所から様々な境遇を持つ人々が集まり、7人の指導の元に新たな王国が建設された。


交通網を整備したことで貿易が盛んに行われるようになり、王国は一気に潤いと賑やかさで溢れ帰ったと言う。


建国を指導した7人は国王の座にのし上げられ、国民は彼らを『人々を救った神』として崇めるようになっていった。


しかし、その政治は圧政だった。


元々彼らは人々を戦乱から救う気などさらさらなく、『自分達の私服を肥やすための駒』としか見ていなかったのだ。


王国建設も『自分達が上にたつための土台』として建設したため、国民の事など一切考えていない劣悪な政治をなに食わぬ顔で行っていた。


しかしこんな酷い圧政下でも、政府に文句を言う人間はいなかったと言う。


文句を言えば即処罰を与えられると言うことでもあったが、上記の通り彼らは既に神として崇められていたのである。


「神様がやった事だから仕方がない。」、これが住民達の考えであったため、誰1人として圧政の中で反乱を起こそうとする者などいなかった。


否。1人だけ存在した。


この圧政に憤慨し、たった1人で彼らの政治を終わらせようとした人間が1人だけいたのだ。


彼の名はDr,W。巷では有名な研究者だった。


協力者も仲間も居ない中、彼はたった1人で戦い続けた。


そして長い研究の末に、彼は不思議な力を持った7人と同等かそれ以上の力を持った7人の"子供達"を作り上げる事に成功した。


しかし作り上げた子供達には、大きな欠陥があった。


7人、誰1人として目を覚ます事がなかったのだ。


結局その後、子供達は目覚める事なく、Wは病床に伏して亡くなってしまった。





Wの死から数百年後。


相変わらず続く悪魔の一族の圧政は留まる事を知らず、建国時よりも深刻な物となってしまっていた。


しかしこの時、人類はまだ知らなかった。


結局、誰に理解もされぬまま亡くなったWの思考は正しかったと言うこと。


そしてそれを証明したのは、Wの作り上げた"子供達"であったと言うことも……。

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