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勇者になるのは程遠き  作者: 蒼薔拓哉
第一章 王国騎士
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第一章 7 『魔法って本当に便利だ2』

「おい、お前この魔法使っちゃ駄目だろ」


ロエルは魔法を使った張本人(大男の友人ぽい人)に文句を言う。ロエルはその場から立ち上がり、魔法を使った張本人の元へ向かった。


「知っていると思うけど、あの魔法俺がダメージ90%負担なんだぞ?!お前は10%負担なんだが.....しかもだ!相手の攻撃を2倍にするんだぞ?!確実に俺がそのまま受けた方が良いだろうが!!!」


ガードフェンスは相手の攻撃を2倍にし、それを守られる側=ダメージ90%、魔法を唱えた方=ダメージ10%に分配するのだ。


守れる相手と守れる範囲を決めれるのに『碧属性魔法』なのはこのことだ。それでも使う者が全くいないとは言い切れない。


他の魔法と一緒に使えば、結構いい魔法になるのだ。例えば、カット・オブ・コンタクトという魔法だ。


カット・オブ・コンタクトとは、ダメージを無効化するという魔法だ。ただし、最初の1回目だけに限られる。それに、接触技じゃないと魔法は発動しない。


カット・オブ・コンタクトは『光属性魔法』で、高階位の魔法だ。この階位の魔法を使える者はそうそういない。


大体、魔法を使える者の人口が少ないのだ。


「え.....?そうだったのか?!ずっとただの防御魔法かと思ってたわー」


そんなことは知らないととぼける大男の友達ぽい人。大男の友達ぽい人は頭を傾げて、少し笑っている。


「てゆうかお前武道家なんだな。こんな所で武道家と会うなんて思ってもなかったぞ!でも、お前ら村人だろ?なんでただの村人が魔法使いと武道家なんだ?不思議でしょうがねぇーわ」


ロエルは先程、大男の友達ぽい人がしたように頭を傾げて、少し笑った。それを見て大男も真似し始めた。


大男は正直気持ち悪い笑みだ。


「ああ、それは私達が王国騎士見習い兵だからだ。この第43班にも結構いるぞ。この部屋には私達だけだが」

王国は、王国騎士見習い兵をあえて村人達と一緒にした。それは、村人達の生還率を上げるためである。


王国にとって人口は、多い方がいい。ならば、日々訓練をしている王国騎士見習い兵を村人達と一緒にし、さらに王国騎士を組み込めば、自然的に村人達の生還率は上がる。


「王国騎士見習い兵か…ならばお前らは、かの有名な試験を受けるのか…?」

かの有名な試験─────それは、王国騎士見習い兵から王国騎士になる時に受ける試験だ。


受けるためには、基準を満たしていないと受けられない。基準は満15歳以上の男女だ。王国騎士見習い兵は10歳以上であれば、加入することが可能である。


「勿論受けるつもりだ。困難な事とは十分承知だが、自分の実力を確かめたいのだ」


掌を強く握り下を向いている大男の友達は、しばらく下を向いていた。ふと顔を上げて、何かに気がついたようだ。


「あ、そういうば自己紹介を忘れていたね。私はクロノス・テミスだ。そして彼がトテック・シペラスだ。改めてよろしく頼む」


クロノスは礼儀正しくロエルに頭を下げた。ロエルは「おう!」と言い話を続けた。


「クロノスとシペラスは何歳なんだ?俺よりも年下か?シペラスは見た目からして年上そうだな」


この話を聞きシペラスは驚いた表情をした。目をパチパチさせている。


「ロエルって推測が得意なのか?俺が上ってのはあってるぜ!俺は19歳!今年で20歳だ!んでこのチビが15歳だ!」


チビとはクロノスのことである。クロノスの身長は160cm程度だ。この世界の平均身長が約170cmなので小さい部類に入る。ちなみにロエルは180cmと結構でかい。


「お、おい!シペラス!僕の……あ…私の事をチビと言うな。無礼だぞ!しかもシペラスは声が大きすぎるぞ。皆に迷惑だ」


クロノスがそう言うとシペラスはショボンとし大人しくなった。何も知らない人から見るとクロノスが年上でシペラスが年下みたいだ。


「なんかなーお前19歳に見えねえなぁ…」


ロエルが飽きれた顔をしていると、玄関の扉が開いた。そこに立っているのはカインだ。


「よぉ!ロエル!久しぶりだな!」


つい先程まで話していたのにカインはこれだ。わざとなのかこれが素なのか。素だったらカインはかなりアホだ。


「さっき話したばかりだろ!!全く………もしかしてわざとか?!?!」


「俺ぇはいたって真面目だぜ!それよりロエルこいつらとは友達になったのか?!」


「これが本当に真面目なのか……まぁいい。あぁ、こっちがシペラスでこっちがクロノスだ」


クロノスが頭を下げるとシペラスもそれにつられて頭を下げた。


「よろしく頼むな!あ、ロエル俺ぇはもう眠い。もう寝ないか?明日の朝も早いだろうし」


カインは大きなあくびをしてロエルに眠いアピールをしている。


「そうだな。しかももうすぐ消灯時間だ。そろそろ寝ないと王国騎士の人に怒られるな」

「なら寝るか!俺も丁度眠くなってきたんだよな!!」


シペラスはカインのように大きなあくびをしている。


「なら皆おやすみ。明日もよろしく頼む」


クロノスがそう言うと電気が消えて辺りは暗くなった。こうしてロエル達は瞳を閉じるのであった。


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