表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者になるのは程遠き  作者: 蒼薔拓哉
第一章 王国騎士
23/23

第一章 22 『マジックキャスター』

思っていた通りかなりの数の兵士がいる。逃げているだけでは、捕まる可能性が高い。



「フィリップさん!迎え撃ちましょう!!」



「駄目だ!返り討ちにされる」



この数は流石に多すぎる。



「取り敢えず、走ろうか!」



相手が魔法を打ち込んでこないのは、不幸中の幸いだろう。ここは地下で下手に魔法が打ち込めないのだろうか。



「足を止めちゃダメだよ!」



走る一行。


同じ道が続く。



「相棒!疲れた!!」



「お前が事の発端だッ!!頑張れ!」



後ろを見ると大勢の兵士が追ってきている。先程より増えた気がする。



「人居すぎじゃないか?今戦争中だぞ?!」



「地上では戦争を行っているのに変ですね」



兵士をこんなにも地下に配置するのはなぜだろうか。薔薇を守りたいのは分かるが、こんなにも数が必要だろうか。



《カソール》───『碧属性魔法』



「クソ!やつら魔法で足を早くしてきやがった!」



「フィリップさん!追いつかれます!」



すぐそこまで兵士達は来ている。



「クロノス君!何か魔法はないかい?!」



「戦闘系の魔法ですか?」



「ああ!詠唱時間が少ない魔法があったらそれがいいかな!」



「それならありますよ!!」


《アロー》───『蒼属性魔法』



この魔法は詠唱時間がほとんど無い。しかし、デメリットが大きい。


まず、威力が弱いこと。効果はあまり期待出来ない。防御系魔法で簡単に防げると言った点もある。



しかし、全力疾走でこちらに向かってくる兵士は鎧を着ておらず、効果はあったようでその場で倒れている。



「命中!」



矢の数は多い。《カソール》を使って追ってきていた兵士達全員に命中している。



「よし!この調子でいこう!」



「《アロー》」



「使えるな!その魔法!」



「普段はあまり使えない魔法ですけど、こういった場合は使えますね」



こういった場面では、めっぽう強い。ただ、この魔法は風などでも影響を受けるため強風だと全く使い物にならない。



兵士達はこの作戦は駄目だとわかったようで何やらざわつき始めた。


まだ攻撃魔法は使ってこない。



「ハッハハハハ!私が現れたからにはお前達はおしまいだ!」



髪型はオールバックで、黒髪の男が喋りかけてきた。



「誰だお前!」



「カイン!!話しかけちゃダメだ!」



「良くぞ聞いてくれた!私の名はアウグステ。マジックキャスターさ」



周りの兵士からは「アウグステ様!」と声が上がっている。地位のある人物だろう。



「私はここの薔薇農場の最高管理者でね。そういうことをされると困るんだよ」


《アイスウォール》───『紅属性魔法』



《アイスウォール》はその名の通り、氷の壁を作る魔法である。氷と言っても階位低い魔法では破壊出来ない。いくら弱点である炎の魔法を使ったとしても階位が低ければ意味が無い。



「くそ!囲まれたぞ!」



氷の壁はロエルらを中心に四方に展開され、かなり分厚い。


打撃技でも壊さない訳ではない。一定の力以上で攻撃すると壁も壊れる。それには相当な力が必要になってくる。


村人など非力の存在が、この壁に囲まれたらそれは終わりを意味する。


そんな存在のロエルだが、今は王国騎士が付いているのだ。



「私に任せるのです!」


《ファイアーボール》───『紅属性魔法』



氷の壁の一部に数人の人が同時に通れるような穴が穴が空いた。


その穴からロエル達は抜け出し、魔法を放ってきた男を見ている。



「運が良かったな」



「危険だー!走って逃げようぜ!相棒!」



「いや…背を向けるのは愚行だよ」



マジックキャスター相手に背を向けて逃げたら確実に仕留められる。


熟練度が低いと話は別だが、熟練度が高いマジックキャスターは《ファイアーボール》の様な魔法を使える可能性が高い。


だとすれば、戦うことを捨てた人間など恰好な的にしかならない。スキルなどがあったらまた話は違うが。



「戦うしかない。この人数相手でも!」



「いい威勢だ」



「クロノス君。少し魔法戦になるが君が頼りだ。よろしく頼むね」



「はい!」



「お、私と張り合うつもりか?いいぞ?」



「ロエル君達は後ろに!」



「なら力を見せてやろう」


《フライ》───『橙属性魔法』



《フライ》とは飛ぶ魔法である。かなり高いところまで飛べ、自在に飛ぶことが出来る。



「フライか!厄介だね」



「まだまだだぞ」


《アイスバレット》───『紅属性魔法』



この魔法は氷の弾丸を放つことが出来る。ただの氷とは思ってはいけない。鉄の弾丸と同等以上の硬さを誇る。


その弾丸は威力、大きさ、スピードを自在に変化させることができる。



「防ぎようがない!!少しでも氷の数を減らそう!」


《フレア》───『闇属性魔法』



氷の数は減ったものの、氷の弾丸は飛んできている。


氷の弾丸はクロノスの体に当たり、クロノスの腕を貫通した。当たった箇所が、まだ腕で良かった。胸などに当たっていたら重傷だっただろう。



「クロノス…!!」



「…大丈夫です!ロエル!さぁ、反撃だ」


《フレイムショック》───『闇属性魔法』



《ショック》『蒼属性魔法』という魔法に炎の力を込めた魔法である。



「この距離でその魔法?!逃げきれん!」



《フレイムショック》は見事的中した。



「やるな…」



「そちらこそ」



「クロノス君!エーテルは大丈夫か?」



エーテルとはMPのことである。エーテルが0になると魔法が使えなくなる。



「エーテル…少しやばいです。まだ、出来そうですが」



「わかった」



フィリップはそう言うと《メッセージ》を発動させた。会話相手はアランだ。



(はい。少佐どうされましたか?)



(アラン。頼み事があるのだが、この施設全体を破壊できるようなものは無いか?)



(ちょっと待っていてください。あ、《エクスプロード》という爆破魔法を発動できるようです)



(『光属性魔法』の魔法かいいね。ならば、その魔法の発動を頼む)



(はい了解──え、大丈夫なんですか?1時間後に発動と少し猶予がありますが、全壊しますよ)



(大丈夫だ。やってくれ)



(かしこまりました)



すると───「1時間後にエクスプロードが発動されます。危険です。繰り返します。1時間後にエクスプロードが発動されます。危険です」



「なんだと?誰だ!誰が押しやがった!!」



「ここも終わりですね」



「貴様…!!!」



ブザーが鳴り響いている。危険と知らせているのだろう。そのブザーは緊迫感を生み出している。《エクスプロード》が発動されれば、ここは確実に全壊する。


《エクスプロード》それは常人が使える最高峰の魔法『光属性魔法』だ。『月白魔法』から『黒檀魔法』を使えるマジックキャスターは迅雷の領域。『漆黒魔法』から『鶯茶魔法』を使えるマジックキャスターは叡智の領域と言われている。



「停止は出来ないのか!!」



「すみません、出来ません!!」



「くそ……貴様がやったのか?…殺してやる!」



アウグステは怒っていた。ここはただの薔薇農場では無いのだ。神殿ということもあるが、ここはそれ以上に破壊されてはならない物があるのだ。


たった1時間後にそれが破壊されると言うのか。冗談じゃない。



「許さない」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ