第一話、前編
目が覚めたら、オンボロな天井が見えた。
未来技術発展の影響でこの国は大抵は厚い雲で覆われる事が多い、朝七時と言えど、
まだ夜のような暗さである。
大神修也は重い体を上げ、朝食とは思えないレトルトのカレーを食べ、
身支度し学校に行く。
四月中旬、皆にとっては慣れ始めてきた学校生活、だが彼にとっては今日が初登校だった。
第四桜間高校の1年生校舎が見えてくると、前から自分に近づいてくる人間を見つけた。
スーツ姿に、眼鏡、短い髪の毛、おそらく彼が担任の先生だろう
「おはよう大神君、調子はどうだい?」
先生が声をかけてきた、
「えっと....」
先生は顔を知ってるようだったが、大神修也にとっては初めて見る顔だったのだろう、言葉から戸惑いが出ていた
「ああ、すまない写真で君の顔を見ていたからね、転入初日で迷うかもしれないから、ここで待っていたんだよ」
先生と思わしき人物は話を続ける
「僕は4組担任の小笠原っ言うんだ、よろしくね」
「はあ...よろしく..お願いします..」
挨拶を交わした直後チャイムと思うしき音が学校中に響きわたる
チャイムというよりはサイレンに近い音だが....
「しまった、もうこんな時間か」
「授業が始まるんですか?」
大神の質問に小笠原は
「そうだねそろそろ教室に行こう。学校生活は大変かもしれないけど、何かあったら遠慮なく頼ってくれよ!」
先生はそういってから教室に案内し始めた
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教室の中からは、先生の声が聞こえる
かなり覇気の入った声でHRをしているのだろう
「続いて今日からこのクラスに入った転入生を紹介しよう」
「大神君、入ってくれ」
ドアを開けて教室に入る。
その印象は暗い以上に’’最悪’’と呼べる物であった
教壇のとなりに立ち、みんなに聞こえるであろうサイズの音量で自己紹介をした。
「今日からこのクラスに入った大神です...よろしくお願いします」
すると教室の後ろの方に座っていた黒髪ショートヘアーの女子が立ち上がり
こちらに歩いてきた。
目の前に立つや突然自分の体を触り始めた
「へぇ、悪くない体つきだねーどう?私のモノになる?」
その質問に俺がとった行動とは、
両手で彼女を軽く突き飛ばす事だった
彼女は最初驚いた顔をしたが、その直後険しい顔になり
「なるほど、それがあなたの答えね...残念だよ、大神君」
そう言いながらポケットから黒ペンを取り出し、大神と書かれた名札を、
黒く塗り始めた
それが何の行動かはわからなかったが、次の瞬間、彼女が放った言葉が
すべてを理解できた
「よろしくねヒガゲモノの’’おおがみくん’’」
最初は黙っていたが、誰にも聞こえない小さな声でこういった
「腐っている....]
その言葉を言い放った直後から、俺の学校生活は始まった
大神修也 出席番号1番
主人公、第四桜間高校の転校生、カレーが好物