博士
数時間後、ヘリはビルの屋上に停まった。着地すると、ヘリの周りを頑強な男達が包囲した。男達は力石と高梨を連行していった。しかし、一人だけ男が残っていた。名前は博士 作と言って、陵の装備の設計責任者だった。
陵「博士!あの装備は何なんですか!」
博士「だ、駄目だった?」
陵「人の身体にあんな兵器埋め込んでおいて……どうかしてますよ!」
博士「……と言うことは中々の破壊力だったようだね」
陵「破壊力っていうレベルじゃ無いですよ!用途を考えて下さいよ!殺すんじゃないんでしょ?捕まえるんでしょ?」
博士「……ゴメン」
ロマリー「ちょっと!何を博士に意見してるの?あなたみたいなのはいくらでも代わりがいるけど博士の超天才的な頭脳は一つしか無いんだからね!」
陵「な、なんだとこの野郎!」
博士「そ、そんなこと言うもんじゃ無いよロマリー」
ロマリー「いえ、言わせて下さい!あなたは本当だったらノーベル賞の二つや三つ取っているはずの人なんです。それをこんな青二才にいいように言われて……悔しく無いんですか?腹が立たないんですか?」
博士「い、いや……別に……」
ロマリー「あ……あなたという人は……呆れました。もっと自分の仕事に誇りを持ってください!」
博士「はい……」
ロマリーは怒りながら去って行った。
陵「……ゴメン博士。ロマリーの矛先が急に博士に行ったね」
博士「……僕、いっつもロマリーに怒られるんだけど何でかな」
陵「……とにかく次は頼みますよ!」
博士「はい……次の標的はあり得ないくらいの強敵だからね」
陵「えっ!どんな能力者なんですか?」
博士「千里眼なんて目じゃ無いよ。なんせ相手の心を読むんだからね。それに、銃弾なんて歯が立たない程の鋼鉄の身体を持つ男なんだよ」
陵「もしかして……今日のは装備を試すために?」
博士「まあ……ね。でも、今日のデータでもっと改良できるよ。ありがとう」
陵「……はは……結局ロマリーの言うとおりか」
博士「そんなこと無いよ!陵はよくやってくれたよ……まぁ、次の任務は他の人がやると思うけど」
陵「やっぱり言うとおりじゃねぇかよ!」
そう叫んで走って去って行った。