里見八犬伝 neo
男たちは探していた・・・
もう一ヶ月も探し続けていた
海外に高飛びしたかもしれない
地方の片田舎に潜んでいるかもしれない
都会の雑踏に紛れているのかもしれない
何も手掛かりは無かった・・・
いったい、どこに隠れているんだ・・・
「何をしている!もう一ヶ月だぞ
3日で探せるんじゃなかったのか?」
捜査本部長の木村は
部下の草薙を怒鳴り散らした
無理もない草薙は
3日で探してくると
啖呵を切っていたのだ
木村の方も
今回の結果が
進退に関わるため
余計、苛立っていた
甘く見ていた
草薙でなくても
皆、すぐに見つかると思っていた
木村も
そう思っていたに違いない
初期捜査が
間違っていたかもしれない
もっと早く検問を張っておけば
良かったのかもしれない
木村は後悔していた。
聞き込みも
情報提供も
捜査員を増やしても
何の手掛かりも
得ることは出来なかった
数日経ったある日・・・
その日も
何の進展もないまま
終わるかに思えた・・・
その時一本の電話が鳴った!
捜査本部に激震が走る
「見つけました
群馬県の山中です!」
受話器を取った
捜査員が興奮気味に叫ぶ
「急行する!」
木村は言うと
同時に走り出していた
・・・・・
現場に到着すると
草薙が待っていた
「あの別荘です」
指さされた方を見ると
別荘に明かりが灯っている
窓からは
人影が見え隠れする
肩までの黒髪で
中肉中背の女性だ
木村「あれが『中居さとみ』か?」
草薙「そうです、ついに見つけたんです」
木村「やっと発見したんだな。」
草薙「発見したんですよ!!!」
草薙が嬉しそうに言う
ついに俺たちは
中居さとみを発見した
さとみ発見伝
さとみはっけんでん
里見八犬伝
・・・・・・・・・・
完