第30話:握手会に初挑戦
新曲『Cosmic Pulse』の生放送でのお披露目が大成功し、SNSで大バズりした後、シングルの発売日が決定した。それに合わせて、「スターライト☆ドリーム」初の握手会が開催されることが発表され、聖奈は期待と不安が入り混じった気持ちでその日を迎えた。ファンと直接会うイベントは初めてで、どう対応すればいいか分からず、彼女は前日から落ち着かなかった。マネージャーから「聖奈ちゃん、センターだからファンがたくさん来るよ。笑顔でね」と言われ、さらに緊張が増した。
自宅で準備をしながら、聖奈は頭の中で悠斗に呟いた。
「ねえ、悠斗くん。明日、初の握手会なんだ。新曲の発売記念で、ファンの人と直接会うの…私、どうしたらいいか分からないよ。緊張する…。」
悠斗が即座に明るく返した。
「聖奈ちゃん、握手会!? うわああ、俺、ファンとしてめっちゃ興奮するよ! 聖奈ちゃんに会えるなんて、ファンの夢だよ! 大丈夫、俺がいるからさ、絶対楽しいイベントになるって!」
聖奈はソファに座り、「うん、ありがとう。でも、私、ファンと話すの苦手で…何て言えばいいか分からないし、笑顔だけで乗り切れるかな。」
当日、会場には長蛇の列ができ、聖奈、彩花、真央、怜奈がブースに並んだ。聖奈の前には特に多くのファンが集まり、握手券を手に持つ人々の期待の視線に、彼女の心臓はドキドキしていた。イベントが始まり、最初のファンが「聖奈ちゃん、『Cosmic Pulse』最高だったよ!」と手を差し出すと、聖奈はぎこちなく握り返し、「ありがとう…嬉しいです」と小さく答えた。だが、次々にファンが続き、「聖奈ちゃんのラップかっこいい!」「ダンスすごかった!」と声をかけられると、言葉に詰まり、笑顔が引きつってきた。頭の中で、聖奈が弱音を吐いた。
「悠斗くん…私、ダメだ。ファンの人嬉しいこと言ってくれるのに、返事うまくできないよ。どうしたらいいか分からない…助けて!」
悠斗が興奮気味に応じた。
「聖奈ちゃん、大丈夫! 俺、ファン側の気持ち分かるからさ、直接喋らせてよ! 聖奈ちゃんの体借りて、俺がファンと話すから、リラックスして任せて!」
聖奈が驚きつつも頼った。
「え? 直接喋るって…私の声で? 分かった、緊張で頭真っ白だから、あなたに任せるよ。変なこと言わないでね、私、見てるから。」
「分かった! ファンとして最高の対応するよ!」と悠斗が意気込んだ。
聖奈は意識を少し緩め、体の制御を悠斗に渡した。次のファンが「聖奈ちゃん、生放送見て感動したよ!」と手を差し出すと、悠斗が聖奈の声で明るく答えた。
「ありがとう! 見てくれて嬉しいよ! 生放送、緊張したけど頑張ったんだ。感動してくれて最高だよ!」
ファンが「その頑張り伝わったよ!」と笑顔で去り、聖奈は頭の中で驚きつつ呟いた。
「悠斗くん…すごい自然だね。ファンの気持ち分かってるんだ…。」
続けて、若い女性ファンが「聖奈ちゃんのラップ、めっちゃ練習したんだろうなって思う!」と言うと、悠斗が「うん、実はラップ苦手でさ、めっちゃ練習したんだよ! 気に入ってくれて嬉しいな、ありがとう!」と返した。ファンが「苦手なんて信じられない! 最高だったよ!」と喜び、聖奈の手を強く握る。聖奈は頭の中で呟いた。
「あなた、私のことよく分かってるね。助かるよ…ありがとう。」
握手会が進み、熱心な男性ファンが「聖奈ちゃん、ずっと応援してるから、次の曲も楽しみにしてるね!」と言ってきた。悠斗が「ありがとう! ずっと応援してくれるのほんと励みになるよ。次も頑張るから、楽しみにしててね!」と返すと、ファンが感動して「聖奈ちゃん、最高だよ!」と去った。聖奈は頭の中で感心した。
「悠斗くん、ファンとの会話完璧だよ。私より上手いかも…。頼んで良かった。」
握手会が終わり、聖奈は楽屋で一息つきながら体の制御を取り戻し、頭の中で呟いた。
「悠斗くん…なんとか終わったよ。ファンの人たち、みんな優しくて嬉しかった。あなたが直接喋ってくれなかったら、私、笑顔で頷くだけだったよ。ありがとう。」
悠斗が得意げに返した。
「聖奈ちゃん、やったね! 俺、ファンとして聖奈ちゃんの代わりに喋るの最高だったよ! ファンの気持ち分かるから、自然にできたし、また握手会あったら任せてよ!」
聖奈は笑いながら、「うん、頼りにしてるよ。でも、やっぱり私の体から出てってくれるのが一番なんだけどね」と付け加えた。悠斗が「まだ一緒にいたいな。聖奈ちゃんのファンとの時間、これからも支えるよ!」と返した。
初の握手会は、聖奈がどうしたらいいか分からない中、悠斗が直接ファンと話すことで無事に成功した。ファンとの交流を彼に任せた聖奈は、悠斗のファン視点の対応に助けられ、二人の協力が新たな形で輝いていた。




