第26話:レコーディングの試練
サウナでの波乱を乗り越えた数日後、聖奈は「スターライト☆ドリーム」の新曲『Cosmic Pulse』のレコーディング日を迎えた。この曲はアップテンポなビートにラップパートが組み込まれた挑戦的なナンバーで、振り入れ練習での苦労を思い出した聖奈は、朝から緊張していた。スタジオに向かう車内で、頭の中で悠斗に呟いた。
「ねえ、悠斗くん。今日、新曲のレコーディングなんだ。アップテンポでラップもあるから…私、ちょっと不安だよ。」
悠斗が元気よく返した。
「聖奈ちゃん、大丈夫だよ! 新曲楽しみだな、俺、聖奈ちゃんの歌声大好きだからさ。ラップも絶対カッコよくなるよ、応援してる!」
聖奈は小さく笑い、「ありがとう。でも、私、ラップ苦手だし…上手くできるかな。」
レコーディングスタジオに到着すると、彩花、真央、怜奈がすでに準備を始めていた。プロデューサーの大室さんが「今回の『Cosmic Pulse』はスピード感と個性が大事。聖奈ちゃん、ラップパートあるから気合入れてね」と説明。聖奈は「はい、頑張ります!」と笑顔で答えたが、内心では胃が締め付けられる思いだった。
録音が始まり、最初のパートはメロディラインで、聖奈の透明感ある声がスタジオに響いた。大室さんが「いいね、聖奈ちゃん、感情乗ってる!」と褒め、彼女も少し安心した。だが、ラップパートが始まると状況は一変。高速のビートに合わせた早口の歌詞に、聖奈はリズムを外し、言葉が詰まってしまった。
「Uh, cosmic vibe, 星を…えっと、つかむ…?」
録音が止まり、大室さんが「聖奈ちゃん、テンポ遅れてるよ。もっとシャープに!」と指摘。聖奈は何度も挑戦したが、リズムに乗れず、頭の中で焦りを呟いた。
「何!? ラップ、難しすぎる…。私、アップテンポ苦手なのに、こんな早口なんて無理だよ…。もう頭真っ白…。」
数テイク失敗を重ね、聖奈は汗だくで息を切らしていた。彩花が「聖奈ちゃん、大丈夫だよ、ゆっくりでいいから」と励ますが、大室さんの「時間押してるから、もう少し頑張って」の言葉にプレッシャーが増す。頭の中で、聖奈が弱音を吐いた。
「悠斗くん…私、ダメだ。ラップ全然できないよ。頭パンクしそうで…助けて…。」
悠斗が即座に応じた。
「聖奈ちゃん、大丈夫! 俺、助けるよ! 聖奈ちゃんの体感じてるから、ビート分かるし、歌詞も頭に入ってる。俺に任せてみて!」
聖奈が驚いて返した。
「何!? 助けるって…どうするの? 勝手に歌わないでよ!」
「歌わないよ! 聖奈ちゃんにタイミング教えるだけ。頭の中でリズムと歌詞言うから、それに合わせてみて!」
聖奈は藁にもすがる思いで、「分かった…頼むよ」と呟いた。録音が再開され、悠斗が頭の中で的確に指示を出し始めた。
「聖奈ちゃん、ビートの2拍目でスタート! 『Uh, cosmic vibe, 星をつかむ hands up high』だよ、リズムはタタ、タタ、タン!」
聖奈は彼の声に合わせ、口を動かすと、初めてラップがビートにハマった。大室さんが「いいぞ、聖奈ちゃん、その調子!」と頷き、彼女は驚きながら呟いた。
「え…? できた! 悠斗くん、すごい…!」
続けて次のライン。「『銀河の pulse に ride on, 未来を lock on』、タン、タタ、タン、タで息継ぎだよ!」と悠斗が指示。聖奈が試すと、早口ながらリズムが安定し、彩花が「聖奈ちゃん、かっこいい!」と拍手した。頭の中で、聖奈が興奮気味に呟いた。
「何!? 私、ラップできてるよ! あなた、リズムまで分かるの!? ありがとう、助かる…!」
悠斗が得意げに返した。
「聖奈ちゃんの体でビート感じてるから簡単だよ! 俺、聖奈ちゃんの歌い方見まくってるし、ラップも完璧にサポートするよ!」
聖奈は汗を拭きながら、「うん…今回はほんと助かった。自分で歌いたいけど、あなたがいると楽だね」と認めた。
レコーディングの終盤、最後のラップパートも悠斗の「『Cosmic Pulse, 響かせろ universe』、タタ、タン、タタ、タンで締めて!」という指示でクリア。大室さんが「聖奈ちゃん、完璧だよ! ラップ、めっちゃ映えてる!」と褒め、メンバーが「最高!」と拍手する中、聖奈は疲れ果てながらも達成感に満ちていた。頭の中で、彼女は悠斗に呟いた。
「悠斗くん…ありがとう。私、苦戦してたけど、なんとか乗り切れたよ。あなた、ほんと頼りになるね。」
悠斗が嬉しそうに返した。
「聖奈ちゃん、やった! 俺、聖奈ちゃんのラップ支えられて最高だよ。『Cosmic Pulse』、絶対ヒットするから頑張ってね!」
聖奈は笑いながら、「うん、頑張るよ。でも、私の体から出てってくれるのが一番なんだけどね」と付け加えつつ、スタジオを出た。
アップテンポでラップもある新曲のレコーディングで苦戦した聖奈は、悠斗の助けを借りて試練を乗り越えた。二人の協力はさらに深まり、聖奈は彼への信頼をまた一つ強めていた。




