第23話:朝の世話と朝食
お風呂を悠斗に任せた夜、聖奈は湯船の温もりに癒されてぐっすり眠った。疲れが深く、朝になっても目を覚まさない彼女をよそに、悠斗は彼女の体を共有する意識の中で何か役に立てないかと考えていた。
朝6時、悠斗は聖奈の体をそっと動かし、ベッドから起き上がらせた。キッチンへ向かい、冷蔵庫からパン、卵、ベーコンを取り出し、朝食を作ることに。聖奈の手でフライパンに油を引き、ベーコンを焼き、卵をスクランブルエッグに。トーストを焼きながら、頭の中で呟いた。
「聖奈ちゃん、疲れてるだろうから、朝ごはん作ってあげよう。俺、料理得意じゃないけど…聖奈ちゃんの手なら美味しくできるかな?」
ベーコンの香りが漂い、トーストがこんがり焼けると、悠斗は皿に盛り付け、コーヒーを淹れてテーブルに並べた。満足げに朝食を見ながら、彼は聖奈の体をベッドに戻し、彼女の意識に呼びかけた。
「聖奈ちゃん! 朝食できたよー! 起きて、起きて! ベーコンと卵とトーストだよ、美味しそうにできたからさ!」
聖奈は眠りの奥から声を感じ、ぼんやり意識を浮上させた。頭の中で、眠そうな声で返した。
「ん…悠斗くん…? 朝食…? うーん…まだ眠たいよ…。もう少し寝かせて…。」
彼女の声は弱々しく、目を閉じたまま動こうとしない。悠斗が少し慌てて呟いた。
「え!? 聖奈ちゃん、せっかく作ったのに…。美味しいよ、起きてよ!」
聖奈は布団に顔を埋め、半分寝ぼけたまま呟いた。
「うん…ありがとう…。でも、眠い…。現場着いたら起こしてね…。」
その言葉を最後に、聖奈の意識が再び眠りに落ち、深い寝息が聞こえ始めた。悠斗は頭の中で少し困ったように呟いた。
「現場着いたらって…聖奈ちゃん、ほんと疲れてるんだな。朝食冷めちゃうし…俺、食べちゃおうかな?」
悠斗はキッチンに戻った。テーブルに並んだ朝食を見ながら、「せっかく作ったし、代わりに味わうのもいいよね」と呟き、彼女の手でフォークを握った。ベーコンとスクランブルエッグを口に運ぶと、頭の中で大興奮。
「うわっ! 美味い! 聖奈ちゃんの舌で食べるベーコン、めっちゃジューシーだよ! トーストもカリッとして…俺、いい仕事したな!」
コーヒーを飲みながら、彼は満足げに朝食を平らげた。
食べ終わると、悠斗は皿を洗い、キッチンを片付けた。聖奈の体で着替えや準備を整え、マネージャーが迎えに来る時間に合わせて荷物を持って玄関で待機。車が到着すると、聖奈の体で乗り込み、現場へと向かった。
車内で聖奈は眠り続け、悠斗が彼女の体を制御して移動。撮影現場に着くと、彼は頭の中で優しく呼びかけた。
「聖奈ちゃん、現場着いたよ! 起きて、起きて! 仕事始まるからさ!」
聖奈は眠気の中で目をこすり、ぼんやり返した。
「ん…着いた…? うーん…ありがとう、悠斗くん。寝かせてくれて助かったよ…。朝食、作ってくれたんだよね?」
悠斗が少し照れながら答えた。
「うん! ベーコンと卵とトーストだよ。聖奈ちゃん寝てたから…俺、食べちゃったけど。美味しかったよ!」
聖奈は車から降りながら、頭の中で小さく笑った。
「何!? あなたが食べたの? まあ…いいけど。ありがとう、助かるよ…。でも、私の体から出てってくれるのが一番なんだけどね。」
悠斗が笑いながら返した。
「まだ一緒にいたいな。聖奈ちゃんの役に立てるなら、朝食作って食べるくらい朝メシ前だよ!朝飯だけに」
聖奈は眠気を振り払い、現場に向かいながら「頼りにしてるよ」と呟き、ふとぽつりと言葉を漏らした。
「でも…悠斗が作った朝食、食べたかったな…。」
悠斗が少し驚いて返した。
「え!? 聖奈ちゃん、じゃあ次は絶対起きて食べてよ! 俺、もっと美味しいの作るからさ!」
聖奈は小さく笑いながら、仕事に向かう足取りを整えた。
朝の眠気と悠斗の世話焼きが交錯したこの日、聖奈の疲れを癒す彼の行動は、二人の信頼をさらに深めた。朝食を自分で楽しんだ悠斗は、彼女の小さな呟きに次の約束を感じ、聖奈を現場へと導いた。




