第21話:雑用の委託
肩こりを悠斗に解してもらった翌朝、聖奈は目覚めた時に体の軽さに驚いた。いつもなら朝からだるさが残るのに、この日は肩が楽で気分も爽快だった。
朝食を準備しながら、聖奈はふとひらめいた。昨日、悠斗が自分の体を動かして肩を揉んでくれたことを思い出し、「もし私が疲れてる時に、雑用とかも任せられたら楽かも…」と考えた。彼女はキッチンでトーストを焼きながら、頭の中で提案した。
「ねえ、悠斗くん。私、最近忙しくてさ、家のこととか全然できてないんだよね。あなた、私の体動かせるなら…雑用とか任せてもいいかな? 例えば、掃除とか洗い物とか。私が寝てる間にやってくれたら、助かるんだけど。」
悠斗が一瞬驚いた後、興奮気味に答えた。
「え!? 聖奈ちゃん、マジ!? 雑用任せてくれるの!? うわっ、俺、嬉しいよ! 聖奈ちゃんが楽になるなら、なんでもやる! 掃除も洗い物もバッチリだよ!」
聖奈はトーストにバターを塗りながら、「うん、じゃあお願いね。でも、変なことしないでよ。私が寝てる間に勝手に何か食べたり、お風呂入ったりしないでね」と釘を刺した。
その夜、聖奈は仕事から帰って疲れ果てていた。ソファに座り、散らかった部屋とシンクに溜まった皿を見てため息をつく。彼女は頭の中で悠斗に呟いた。
「今夜、ほんと疲れたよ。部屋片付ける気力ないし…。悠斗くん、頼むね。私、寝るから、掃除と洗い物お願いできる?」
「任せてよ、聖奈ちゃん! 俺、聖奈ちゃんの体で完璧にやるからさ。ゆっくり寝てて!」
聖奈はベッドに移動し、「ありがとう…。おやすみ」と呟いて目を閉じた。意識が落ち、深い眠りに沈むと、悠斗が彼女の体を動かし始めた。
悠斗は聖奈の体を起こし、まず部屋の掃除から着手。散らかった雑誌を棚に並べ、床に落ちたゴミを拾ってゴミ箱へ。聖奈の手を動かしながら、彼は頭の中で呟いた。
「おお…聖奈ちゃんの部屋、こうやって片付けるの面白いな。俺、聖奈ちゃんの生活支えてる感じで…ファンとして幸せだよ。」
次にキッチンへ移動し、シンクの皿を洗剤で洗い始めた。水を流し、スポンジで丁寧にこすると、皿がピカピカになっていく。
「聖奈ちゃんの手、細くて可愛いのに力あるな。洗い物もバッチリだ! 俺、いい仕事してるよ!」
掃除と洗い物を終え、悠斗は聖奈の体で部屋を見回した。片付いた空間に満足し、彼女をベッドに戻して布団をかけた。彼は頭の中で呟いた。
「聖奈ちゃん、お疲れ様。俺、ちゃんとやったよ。お礼なんかいいからね。」
聖奈の体を休ませ、悠斗は静かに意識を落ち着けた。
翌朝、聖奈が目を覚ますと、部屋がきれいに片付き、シンクが空になっていることに気づいた。彼女は驚きつつ、頭の中で悠斗に呟いた。
「悠斗くん…! すごい、部屋片付いてる! 洗い物もなくなってるし…。ありがとう、ほんと助かったよ。」
悠斗が得意げに返した。
「でしょ! 聖奈ちゃん、俺、完璧にやったよ! 疲れてる聖奈ちゃんのために、これくらい朝メシ前だよ!」
聖奈は笑いながら、「うん、あなたに任せると楽だね。雑用くらいなら、また頼ってもいいかも…。でも、私の体から出てってくれるのが一番なんだけどね」と付け加えた。
悠斗は笑い、「まだ一緒にいたいな。聖奈ちゃんの役に立てるなら、雑用でもなんでもやるよ!」と返した。聖奈はコーヒーを淹れながら、「頼りにしてるよ」と小さく呟き、二人の関係はさらに実践的な協力へと進んでいた。
聖奈のひらめきで雑用を悠斗に任せるようになったこの日以降、彼女は疲れた時に彼に掃除や洗濯を頼むことが増えていった。悠斗は聖奈の生活を支える喜びを感じ、聖奈は少しずつ彼への依存を認めつつ、自分で頑張る意欲とのバランスを取っていくのだった。




