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第11話:打ち合わせの混乱

彩花にふざけて胸を揉まれる騒動をなんとかやり過ごした聖奈は、気を取り直してマネージャーとの打ち合わせに向かった。事務所の会議室に移動し、テーブルに座る。マネージャーの田中さんはスケジュール表を広げ、真剣な表情で話し始めた。

「聖奈ちゃん、今日の午後は撮影があって、その後にラジオの収録が入ってるからね。時間厳守でお願いしたいんだけど…。」

聖奈は頷きながらメモを取ろうとしたが、頭の中では悠斗がまだ廊下の出来事に興奮している。

「聖奈ちゃん、彩花ちゃんに揉まれたのやばかったね! あの感触、柔らかくて…俺、頭から離れないよ! ファンとして最高すぎる!」

聖奈は苛立ちを抑え、頭の中で鋭く返した。

「やめてよ! あんな恥ずかしいこと二度と思い出さないで! 私が仕事に集中したいんだから、黙ってて!」

だが、悠斗は止まらない。

「黙ってられないよ! 聖奈ちゃんのおっぱい感じたんだよ! 彩花ちゃんの手まで伝わってきて…もう一回お願いしたいくらいだよ!」

「何!? もう一回ってバカじゃないの!? 私のプライバシーが崩壊してるんだから、あなたが勝手に楽しむのやめてよ!」

二人の口論が頭の中でヒートアップする中、田中さんがスケジュール表を指差して続けた。

「撮影は13時からで、衣装はさっき更衣室で見たやつね。聖奈ちゃん、聞いてる?」

聖奈はハッとして、「はい、聞いてます!」と慌てて答えたが、悠斗がさらに声を荒げた。

「聞いてるって…聖奈ちゃん、俺のこと無視しないでよ! 彩花ちゃんに揉まれたの、俺にとっても大事なイベントなんだからさ!」

「大事って何!? あなたにとって大事でも、私には恥ずかしいだけよ! いい加減にしなさい!」

聖奈が頭の中で激しく言い返すと、彼女の表情が一瞬険しくなった。田中さんが眉をひそめて聖奈を見た。

「聖奈ちゃん、どうしたの? なんか顔が怖いよ。ちゃんと話聞いてる?」

「え、あ、はい、大丈夫です! 撮影13時ですね、了解しました!」と聖奈が慌てて取り繕うが、悠斗がさらに火に油を注ぐ。

「大丈夫じゃないでしょ! 聖奈ちゃん、俺とちゃんと向き合ってよ! おっぱいの感触のこと、もっと話したいよ!」

「話したいって何!? 気持ち悪いこと言わないで! 私が仕事してる時に邪魔しないでよ!」

二人の口論がエスカレートし、聖奈は思わず小さな声で「黙れ!」と呟いてしまった。田中さんが目を丸くして、「え、何?」と聞き返す。聖奈は焦って誤魔化した。

「あ、いえ、なんでもないです! 喉がちょっと…。で、ラジオは何時からですか?」

田中さんは怪訝そうな顔をしつつも続けた。

「ラジオは16時から。聖奈ちゃん、なんか今日おかしいよ。ちゃんと話聞いてる?」

その瞬間、悠斗がまた割り込んだ。

「聞いてないよ! 聖奈ちゃん、俺のこと無視して仕事に集中するなんてひどいよ! 彩花ちゃんの手、忘れられないって言ってるのに!」

「ひどいのはあなたでしょ! 私の胸を勝手に感じて騒ぐなんて、最低よ! 頭の中で歌でも歌ってなさい! 『星屑のラビリンス』の2番! 今すぐ!」

「星屑の夜に~迷い込んで~♪って…無理だよ! おっぱいの感触の方が強すぎて…!」

聖奈が頭の中で激しく反論していると、田中さんが我慢の限界に達したように声を荒げた。

「聖奈ちゃん! 何!? 聞いてるって言ってるけど、全然聞いてないよね! 顔がコロコロ変わっておかしいよ! 仕事なんだから集中して!」

聖奈はビクッとして、「ご、ごめんなさい! ちゃんと聞いてます! ラジオ16時ですね、了解しました!」と必死に謝った。田中さんはため息をつき、「ほんと大丈夫? 疲れてるなら言ってね」と心配そうに付け加えた。

打ち合わせが終わり、聖奈は会議室を出て頭を抱えた。

「ねえ、悠斗くん。あなたが騒ぐせいで、マネージャーに怒られたよ! 私のプロ意識が疑われるじゃない!」

「ごめんって! でもさ、彩花ちゃんに揉まれたのって…俺の人生のハイライトなんだよ。聖奈ちゃんの全部大好きだからさ…。」


マネージャーとの打ち合わせは、聖奈と悠斗の激しい口論によって混乱に満ちたものとなり、彼女の試練はさらに深まるばかりだった。

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