表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作文  作者: 煤周 昴
1/1

人生のターニングポイント

クソ酷い出来。でも時間内にこれ以上のものを書ける気がしない、どうしよ

 土曜の夜は何をするか。私は勿論決まっている。アニメ鑑賞だ。中学の頃にハマり、高校生となった今では往年の名作から最新の駄作まで、ありとあらゆるアニメを視聴している。そして、今日もまた。配信サイトで最初に目に留まったのは、目の大きな少女が何人も描かれたキービジュアル。要するに、『萌えアニメ』と呼ばれるものだった。

「くら……など……? 聞いたことないな」

レビューを見ると、なんと星4.8。食べログだったらあり得ないくらいの高評価だ。しかもほとんどすべてのレビューに「感動した」の四文字が記されている。そこがなにより、私の心を惹きつけた。

昔は感受性の高い子供だった。些細なことで泣き、嬉しくても泣き、特に何もなくてもとにかく泣く。幼稚園の先生からしたら迷惑甚だしい少年だった。しかし強すぎる感受性は諸刃の剣だ。自らの心を傷つけることにもなる。だから少年はいつからか、泣くことをやめた。いや、泣き方すら忘れてしまった。

だからレビューを見ても、きっと泣けないんだろうなと思った。もうかれこれ六年は涙を流した記憶がない。青年にとって無感情という自己防衛は、このろくでもない現実を生きていくための、唯一の手段だったのだ。

「っ……はあぁ……。なんだこれっ……」

しかし、私の予想は大きく外れた。悲劇的な運命をも乗り越える究極の家族愛。そんな感動に耐え切れず、私のダムはい簡単に決壊した。思えばこれが。私の人生において、一番のターニングポイントだったかもしれない。

アニメ『CLANNAD』を観て、鼻水と涙で顔面がびしょびしょになった私は、大学に入り、趣味のWEB小説執筆に没頭した。あの時の感動を、私も誰かに届けたい。そんな気持ちに突き動かされ、今でも創作活動を続けている。

土曜の夜は何をするか。私は勿論決まっている。物語を創るのだ。強い感受性を持った私にしか書けない、最高に感動する物語を。

起:アニメ見つける

承:レビュー見る

転:泣く

結:今に至る


的な的なテキーラ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ