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進まないのが調査なのさ

おじいちゃんは、何者何でしょうね。

「ミサ。取り敢えず、村の周りを見よっか」

「クサカラを植えるなら、風向きも確認」

「そうだね。おじいちゃん達がギャーってなるね」

「わし〜わ〜、気〜にせん〜よ〜」

「おじいちゃんは座ってて」

「邪魔」

「だいじょ〜ぶじゃ〜よ〜」


 おじいちゃんは、私達の後をついて来ます。迷惑じゃないけど、少し心配になります。さっきは普通に立ってたのに、今は鍬を杖代わりにして、体をプルプルさせて歩いてます。相変わらず、不思議なおじいちゃんです。


 大人達は、お家の中から私達を見てます。それが鬱陶しいのか、おじいちゃんはたまに鍬を振り回します。危ないです。ミサが怖い顔をしてます。


 私達が知らない子だから、警戒してるのかな? それとも人見知りさん軍団? 何か噛み合わない気がするのは、それのせいかな? まぁね、そんな人も居るよね、私の熱い魂で、何でも解決だぜぃ!


「そういえばミサ。私達って、そんなにちびっ子?」

「年相応」

「どういう事?」

「カナと私は、大人のお腹くらい。これからもっと伸びる」

「そうだよね。伸び盛りなんだよ!」

「そう! 私達はこれから!」

「よし! やる気が出て来たよ!」

「カナ。その調子!」


 カナが珍しく難しい顔をしてた。大人達の反応を考えてたと思ったら、ちびって言われたのを悩んでたのかな? そんな事ないと思いたいけど、カナだし有り得る。


 それより、視線が鬱陶しい。おじいちゃんは危なっかしい。でも、これが私達を待つ現実、おじいちゃんは特殊。

 

 事情を説明したがらなかったり、助けを求めたがらないのは、大人達にその選択が与えられてないから。だけど、怪我をする理由にはならない。


 凶暴な動物を、力尽くで追い払おうとした。その時に怪我をして、畑仕事が出来なくなった。死骸を大切な畑に捨てた。その結果、虫が大量に湧いた。


 今の状況は、こんな所だと思う。でも、ほとんどの大人が怪我する前に、他の方法を試さなかったの? それが不自然だと思う。


 たぶん村の人達は、自分の安全が頭の中にない。このままだと、村の人達は病気か飢えで死ぬ。

 そんな事を強制させられるのなら、状況は私の予想よりかなり厄介。だから不安になる。


 私達と関わる事で、何が起きるかわからない。何かのきっかけで、暴走するかもしれない。別の何かが起こるかもしれない。だから、慎重に行動しなきゃ駄目。


 おじいちゃん、悪いけど警戒は解かない。他の人達にはもっと。でもカナの事だから、私の心配を飛び越えてやらかしそう。それで、あっという間に解決しそう。凄く凄く凄く心配だけど。


「ミサちゃんは、いつまで考え事をしてるかな?」

「ん? なんの事?」

「あらまぁ、まさかのおとぼけでヤンスか?」

「うるさいカナ」

「あれ? 馬鹿にされた?」

「し〜た〜よ〜」

「おじいちゃんは黙って!」

「わし〜わ〜、手伝って〜おるよ〜」

「カナ。おじいちゃん、役に立ってる?」

「たぁ〜っとる〜よ〜」

「かなり、本当なの?」


 おじいちゃんとミサの、板挟み大会です。おじいちゃんは、思ったより元気そう。まぁ、あんな走りが出来るんだし、元気なのかも。


 それより調査だよ! ミサがぼけっとしてる間に、ちゃんと調べてたんだから!

 私はやれば出来る子。ミサのお墨付き。畑がそこそこ大きいから、疲れちゃったけどね。ぐるっと周ったら、色々と見つけたよ。


 先ずね、結界の痕跡が有ったの。私が知ってるのとは違う結界だけどさ。この村には、魔法を使える人が居たって事だよね。


 かなり前に、結界の効果が切れてるの。他に罠っぽいのが無いから、動物除けは結界だけだったのかも。

 それとね、この村はたまに強い風が吹くの。クサカラ草の臭いが、風下に流れちゃうかも。群生する様に植えた方が良いかもね。


 後ねこの村には、私達より歳下の子供が居るね。聞こえてくるんだよ、『外で遊びたぁ〜い〜』って声がね。

 それでお母さんっぽい人に『おとなしくしなさい。外には変なのが居るのよ』って怒られてます。

 変なのって、まさか私達の事じゃ無いよね? それより、虫の心配をしようね。


 この時、私は気が付いて無かったんです。ジリジリと危機が訪れてたんです。


 疲れちゃったので、私は道端に座りこみました。おじいちゃんも疲れたみたいで、私から少し離れた場所に座ろうとしました。


 その時です。ミサが叫びました。

 

「カナ! 後ろ!」


 私は少し慌てて振り向きました。そして草むらから顔を出してる、何かが見えました。よく見たらグーロです、二匹もいます。私が後ずさろうとした時、再びミサが叫びました。

 

「カナ! じっとしてて!」


 グーロも、驚いたのでしょう。ぴくっと体を震わせると、体を低くします。警戒してるんだと思います。


 そして、ミサが大っきな包丁を鞘から抜くのと同時に、二匹のグーロは勢い良く草むらから飛び出します。

 一匹は私の方に来ます。ミサは私を庇う様にして、一匹を切り裂きます。


 問題は二匹目です。そいつは、おじいちゃんの方に向かってます。私の頭には、怖い予感が浮かびました。

 凄い速さで、おじいちゃんにグーロが迫ります。一匹目を仕留めたばかりのミサは、おじいちゃんを守れる位置にいません。おじいちゃんの危機です。


 そのおじいちゃんは、中腰の状態から素早く立ち上がります。そして鍬を振り下ろして、グーロを打ちのめしました。そのまま鍬をくるっと回して、グーロを弾き飛ばします。


 一匹を飛ばした後、おじいちゃんは私の所まで、ツカツカと歩いてきます。そして、ミサが切り裂いたグーロを、さっきの要領で弾き飛ばします。グーロは、あっという間に見えなくなります。

 

「お嬢ちゃん達、無事か?」

「は、はい」


 おじいちゃんが、普通に喋りました。ちょっと格好いいです。ミサは驚いてます。私はびっくりし過ぎて、声が出ませんでした。


「ねぇ、おじいちゃんって、何者なの?」

「わしは。……、はらぁ〜減ったの〜」


 せっかくビシってしてたのに、またプルプルしてます。喋り方もゆっくりになりました。

 何か力が抜けました。私もお腹空いたよ。おひさまが、もうちょいで沈んじゃうね。でもその前に、確かめとこう。 


「おじいちゃん。魔法を使える人はどっか行ったの?」

「わしじゃ〜」

「ん? 結界を張ったのは誰?」

「わしじゃ〜」

「あれ? それじゃ村長さんは?」

「わしじゃ〜」

「全部おじいちゃん?」

「はらぁ〜減った〜のぉ」


 おぉ、そうきましたか。変なおじいちゃんは、物凄いおじいちゃんでした。やっぱそんな風に思えないね、でも凄かったもんね。嘘くさいね、でも嘘じゃないね。


 ミサがおじいちゃんを、キって睨んでます。たまに私を見ます。なので抱きしめます、ぎゅって。それで、頭をポンポンってします。


 ミサは私を守ってくれたんです。ごめんね、私が気をつけてれば良かったね。そしたら、おじいちゃんも守れたね。

 

「カナ、違う。おじいちゃん怪しい」

「アハハ、そんな事ないよ〜」

「そうじゃよ〜」

「おじいちゃん! カナの真似しない!」

「私の真似? 似てないよ」

「似とる〜よ〜」


 やっぱり力が抜けます。クサカラ草の植え付けは明日にして、夕飯食べて寝ちゃおう。そんな事を思ってたら、ミサのお腹が可愛い音を出しました。


「ミサ」

「ん、わかった」

「それじゃ、おじいちゃん。また明日来るね」

「な〜に言っとるか〜」

「何って、今日の続きは明日ね」

「ちが〜う」

「どうしたの?」

「うち〜に、とまれ〜」

「へ? あ〜、遠慮するよ」

「なぜ〜か〜」

「何故って、ミサが警戒してるし。村の人達もだし」

「そぉ〜か〜、気を〜つけぇ〜よ」

「わかった、ありがとう」 

 

 そんな訳で、二日目の野宿は謎の村近くです。結界と火ぃ〜火っ火ぃ〜の踊りで、変なのは寄ってきません。村に泊まるより安全な気がします。

 明日の朝がちょっと嫌だけど。後、村の人達が余計な事しなきゃいいけど。少し心配です。

次回もお楽しみに!

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