それでも僕がしがみつくのは
後ろ向きでいる理由
そうやっていれば
誰とも向き合わないで
自分を責めていれば
笑われることはあっても
傷付かずに済むから
悪意ある人の顔を見なくて済むから
これ以上
人を恐がらなくて済むから
自虐が過ぎるのは
そうやって言い聞かせていれば
不用意に調子に乗った一言で
誰かを傷付けてしまうのが恐いから
傷付くのも傷付けるのも嫌なら
口を閉じて縫い付けておけば良い
誰にも知られない場所に逃げ込んだまま
一人勝手に朽ちていけば良い
伝えたいことがあるなんて言っても
そんなのは掃いて捨てても
なお、余るようなありふれた思い
顔を上げて
前を向けるような
力強い言葉も
一人の夜に
優しく寄り添うような言葉も
素晴らしいものが
十分に存在している
到底僕である必要もないし
そこへ割って入れるなんて
もう思い上がってもいない
それでも認められたいって
情けなくなるくらいに溢れてくる
この気持ちはなんだ
傷付きも
傷付けたくもない
だけど
認めて
受け入れて欲しい
並べて見れば分かる
こんなのは救いようもない我儘
子どもの駄々だ
ずっと泣き言ばかりを並べてきて
昨日もそうだった
そして今日もまた泣き言で埋めて
きっと明日も明後日も
先がないのは分かっている
伸びしろだって残っていないのも
それでも僕がしがみつくのは
生きてるって伝えるため
上手く生きられなかった人生で
何一つ夢を叶えられなくて
何一つ成し遂げられなくて
何者にもなれないままでいる僕が
そんな毎日を
情けなく
みっともなく
這いずってでも
生きていますって
伝えるため
誰かの力になれるかなんて分からない
耳障り目障りになるだけかもしれない
それでも
僕もまだここで生きていますって
届けようとするのを
届いてくれたらって願いながら
続けていたくて
