表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺(私)のことが大嫌いな幼馴染と一緒に暮らすことになった件 〜実は二人は両想いです〜  作者: 木嶋隆太


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/46

第十六話 俺は弁当をお願いする


 十九時になったところで、俺はカップ麺を食べ始めた。

 一応、夏希を待ってはいたが、向こうは向こうで食事をしてから帰ってくるだろう。

 カップ麺をちゅるちゅる食べていると、雨音が聞こえた。


 雨、か。

 部屋のカーテンを開け、外を見る。

 今日は雨の予報は出ていなかったな。夏希も傘は用意していないだろう。


 一応、連絡くらいはとっておくか。

 俺はそんなことを考えながら、ラインでメッセージだけ送っておいた。

 迎えが必要なら必要だと言ってもらえれば、俺としてはいつでも行ける準備はできている。

 

 それにもうすぐ二十時になる。女性が外を出歩くにはもう暗い時間だしな。

 しばらくスマホを弄っていると、返信がきた。


『お願いできるのであれば、傘を持ってきてほしいです』


 ……そうか。

 ほっとする。そりゃあ近くの店で傘を買えばいいのかもしれないが、コンビニで買うくらいしかないだろう。

 コンビニの傘は高いからな。俺はすぐに上着を羽織って、傘を二つ持って家を出ていった。



 ○



 夏希がいるのは近くのショッピングモールだそうだ。

 ……ショッピングモールならどこかしらで傘を買うこともできるのではないかと思ったが、すでに我が家にはたくさんの傘があるし、これ以上コレクションが増えても困る。

 

 ショッピングモールについた俺は、ラインで連絡を送る。

 今いる場所がわかったので、俺はそちらへと向かったのだが――。

 ……げぇ。まだ、クラスメートと一緒じゃねぇか。


 俺はさっと姿を隠し、彼女らの同行を見守る。

 男子三人、女子三人。女子三人は夏希と仲の良い人達だ。

 

 六人はフードコートで食事をしていたらしく、今もテーブルには食べおわった皿が並んでいる。

 ……どうするか。

 

 ここで夏希に会いに行くと、夏希にも迷惑がかかるだろう。

 とりあえずは、様子を見ながら俺はラインを送った。

 

『ついたんだけど、どうすればいい?』


 まあ、そのうち夏希も抜け出すだろうとは思っていた。

 しばらくして、夏希からメッセージが届いた。


『北口の入り口で待っててください。今行きます』


 ……夏希からの返信を見て、ほっとする。

 北口は家側に近い。といっても、ここから歩いて二十分くらいはかかるが。

 俺は北口へと向かい、夏希が来るのをまっていた。


 しばらくして、夏希がこちらへと歩いてくる。

 周囲にクラスメートの姿はなかった。


「すみません、わざわざ来てもらって」

「気にするな」


 雨だし、傘増やされても困るし。

 そう思いながら彼女に傘を手渡した。

 夏希は一つ頷いてから傘を受け取って開く。


 俺たちは並んでショッピングモールを出ていった。

 ……並んで歩いているが、話すことがない。

 そりゃあ、色々聞きたいことがある。


 クラスの人たちとは仲良くなったのか、とか。

 カラオケはどうだったのか、とか。

 けど、下手に詮索するのもなぁ、と思う。俺たちは一緒に暮らしているだけでそれ以上の関係はないわけだし。


「夕食は食べましたか?」

「ああ、もう食べた。そっちも食べたんだよな?」

「はい」

「こっちのことは気にしなくていいからな」


 俺の両親に頼まれたからって、毎日料理を作れというわけではない。

 そんな強制力はない。

 俺がそんな気持ちを込めて伝えると、夏希はコクリと頷いた。


「……そこで、一つ思ったのですが……明日からお弁当になります。どうしますか?」

「……」


 弁当、か。

 

「別に俺はコンビニとかで買うから気にしなくていいからな?」


 ……弁当は弁当で、また別の苦労があるだろう。

 出来る限り夏希に負担をかけたくはなかったので、俺はそう提案した。

 しかし、夏希の表情は芳しくない。……ま、また何か怒らせてしまったのか?


「毎日食べていたら、体壊しますよ」


 ……なるほどな。先程の夏希の表情の意味がわかった。

 俺が体を壊すと、海外にいる俺の両親が心配してしまうだろう。

 そうなると、任された夏希としては困るのだろう。


「……それなら、弁当を頼んでもいいか?」

「はい」


 ようやく理解したか、という顔で夏希が見てきた。

 楽させようか、と思っていたが別の部分で苦労する可能性が出てくる。

 ……話をするのは難しいな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ