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俺(私)のことが大嫌いな幼馴染と一緒に暮らすことになった件 〜実は二人は両想いです〜  作者: 木嶋隆太


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第十三話 俺は二年一組へ向かう


 あれから数日が過ぎ、春休みが終わった。

 今日から俺たちは高校二年生ということになる。……まあ、四月付けで俺たちは進級しているので、正確に言うならもうずっと二年生ではあるのだが、感覚的な問題だ。

 今年から後輩が入学し、学校生活はこれまで以上のものとなるだろう。


 ……といっても、俺たちの生活が特別何か変わるということはないだろうが。

 ……俺と夏希は同じ高校だ。

 俺は中学以降夏希とまったく話せていないし、顔を合わせるたび不機嫌そうにされるのはいやだったので、夏希と別の高校への進学を考えていた。


 といっても、俺は夏希とまったく話をしないので、彼女の情報は入ってこない。

 ……ただ、夏希は頭が良かった。俺もそれなりに成績は良かったが、夏希ほどではない。

 元々親は私立を勧めていたので、俺は県内でもっとも頭が良い私立から一つランクを落とした場所にした。


 そのほうが特待生をとりやすいとも思ったしな。

 結果は大成功。特待生をとって、授業料や入学料の免除などを獲得できた。

 そこまでは良かった。


 これで夏希との生活も終わるだろう。寂しさはあったが、俺のせいで夏希がストレスで体調を崩しても嫌だったので我慢した。

 ……だが、入学式の日、夏希がいた。入学生代表挨拶でその事実を知ったときは驚いた。

 周りの入学生たちも驚きまくっていた。夏希の、女神も裸足で逃げ出す程の容姿にな……。


 まあ、そんなことはどうでもいいのだ。


「夏希、学校どうする? まさか、一緒にはいかないだろ?」


 ……というか、逆に一緒に行くと言われても困る。

 夏希は入学式の日以来みんなのアイドルみたいなものだ。

 大人気過ぎて、一緒に登校なんてしたら俺が命が危険だ。


「そう、ですね……。どちらかが先に家を出ればいいと思いますが、どうしますか?」

「それなら、俺が先に行く。鍵だけかけ忘れないでくれ」

「わかりました。いってらっしゃい」

「……いってきます」


 不意打ちだった。

 いってらっしゃいと言われたときに、頬が熱くなった。

 恥ずかしさを隠すために、さっさと家を飛び出し、俺は学校へと向かって歩きだした。


 俺たちの高校はここから徒歩で十五分ほどの場所にある。

 とりあえずは、落ち着ける時間だな。

 ……私生活では色々と変化したが、高校生活まで変わるわけもない。

 

 俺と彼女の関係はこれまで通りだ。

 学校では赤の他人であることに変わりはない。

 学校へと向かって歩いていると、隣を夏希が過ぎていった。


 ……えぇ。結局ほとんど同じタイミングで出てきたようだ。

 まあ、別に一緒に歩いていなければ何も疑われることはない。


 うちの学校は私立ということもあってか結構遠方から来る人が多い。

 それと、俺と夏希の中学からこの私立に入った人は数人だったはずだ。

 まあ、俺たちが幼馴染という関係を知っている人なんて、もうほとんどいないだろう。だって中学は外ではまったく話していなかったしな。


 話したのは月一程度であった家族ぐるみの関わりくらいだ。

 学校についた俺は、さっそく張り出された新しいクラス名簿を確認する。

 そのクラス一覧を見て、俺は自分のクラスを見つけた。二年一組ね。


 それから何となくで、夏希の名前を探してしまった。探す、といっても同じクラスにいないかどうか……その程度だ。

 ……いた。同じクラスだ。

 ほっとしてから、俺は自分に突っ込む。……どうせ話もしないのに、なにホッとしているんだか。


 そんなことを考えながら、俺は二年一組へと向かった。





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