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俺(私)のことが大嫌いな幼馴染と一緒に暮らすことになった件 〜実は二人は両想いです〜  作者: 木嶋隆太


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第十話 俺は幼馴染を食事に誘う


 朝食はお互い色々あって食べていなかった。

 まあ、そもそも普段から俺は朝食を食べない派の人間だから、別にいいんだがな。

 ……とはいえ、昼食の時間には結構腹も空いてきた。


 お昼はどうする?

 そう夏希に聞けばいいのだが――聞くのは少しはばかられた。

 ……というのも、朝の俺の発言が原因だ。

 

 掃除は俺、食事はおまえ。今思い返せば無理やり彼女を料理担当にしてしまったこの発言だ。

 ……まあ、この発言自体を取り消すことはできないので後悔することはやめたのだが――問題はこの料理。


 料理は一日三食。まあ、今日は二食だが……全部作れよ? といっているようなものだ。

 おまけに一度の料理にかかる時間は、三十分から一時間程度はあるだろう。

 それに、健康を考えるのであればそれなりのメニューを考える必要がある。


 俺の家の掃除なんて、掃除機をかける程度のもの。たまに埃を払ったりもするが、一日にかかる時間は一時間程度だろう。


 ――そう、明らかに仕事の量に違いがある。

 なので、ごはんを炊くのであればそのくらいは手伝うし、皿を出せと言われればすぐに出す程度の手伝いはする。

 

 それでも、仕事量には大きな差があるだろう。

 俺は朝、何も考えずなんてことを頼んでしまったのだろうか。

 そりゃあ嫌われるよな……と思いつつ、俺はリビングにいた彼女を見る。


 ……俺が今悩んでいるのは、お昼をどうするか、だ。

 外食というのもありだろう。両親が毎月それなりの金額を家に入れてくれるし、今月も正直一か月間毎日外食しても大丈夫なんじゃないかってくらいの余裕があった。


 夏希の両親も給料はそれほど変わらないだろうし、似たような金額を使えるはずだ。

 だから、外食という選択肢もあるのだが――その提案を中々出せずにいた。


 この沈黙が支配する空間で、一体俺はなんと答えればよいのだろうか。

 ちらと、夏希を見た。


 とてもキレイに背筋をぴんと伸ばしている。

 ……俺なんて家じゃわりとゆったりしているのだが、彼女はどこでもこうなのだろうか。

 こういう人がきっと、芸能界とかで活躍できるんだろう。そういえば、前に芸能事務所に誘われたことがあるとかなんとか、風の噂にのって俺のもとに届いたことがあったな。


 そろそろ十三時になる。いい加減……話した方がいいか。


「なあ、夏希」

「なんですか?」

「昼、どうする? 近くのファミレスにでも行くか?」


 よし、自然な感じだ。

 ……あ、あれ? けどこれってつまり二人きりで出かけるってことだよな……?


 ……これはこれで、デート、みたいじゃないか!?

 顔が熱くなってきた。というか、昼はそれぞれで食べるか? みたいに提案すればよかったんじゃないか!?


 あー、くそ! 数秒前に戻って俺は、自分を殴りたい!

 タイムマシンを一度だけ使えるのなら、俺は確実に今使っていたっ。い、いややっぱり夏希に嫌われる前に戻りたい。

 そんな切実な願いが頭の中をぐるぐると回っていると、


「……そう、ですね。ファミレスに行きましょうか」


 ほら見ろ! すっごい複雑そうな顔をしていらっしゃる!

 といっても、やっぱやめよう! なんていえばそれはそれで「なんだこいつ?」みたいに見られてしまうだろう。

 俺は小さく息を吐いて、頷いた。


「それじゃあ、少し準備してから行くか」

「はい」


 俺は逃げるようにソファから立ち上がり、二階へと向かった。

 ……部屋に入ってから、へなへなと体の力が抜ける。

 やっちまったな、俺。


 い、いやでも……こんなことでもなければ彼女を食事に誘うことはできなかっただろう。

 これは良い機会だ。頑張ってどうにか好感度アップしないとな!



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