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俺(私)のことが大嫌いな幼馴染と一緒に暮らすことになった件 〜実は二人は両想いです〜  作者: 木嶋隆太


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第九話 私はすべての世話をしようと考える



 ベッドから体を起こし、アラームをとめる。

 今は午前九時。けど、今日はまだ春休みだし、まだまだ寝ていられる――わけないわ。


 私ははっと体を起こして、鏡を見る。九時とか、いつ湊が起きるか分からない。うっかりこんな自堕落な姿を見せたら、さらに幻滅されてしまう。

 鏡よ鏡よ鏡さん。どうしてこんなに髪がボサボサなの!?


 もちろんメイクもしていない。もともと化粧はそれほどしないが、まだすっぴんを見せる勇気はない。

 私はすぐに直していく。とにかく、寝ぐせだけでも直さないと。髪は一番その人間の印象を決めるものだからだ。


 まず着替え! いつものジャージを着るわけにはいかない。

 部屋着にしないと。かといって、がっつりおしゃれな服だとそれはそれで不審に思われてしまう。

 外に出るのか出ないのか、微妙なラインの服はすでに準備してある。


 私が同棲――……同棲って言うと途端に生々しくなるかも。

 と、とにかく一緒に暮らすことになるのはずっと前から知っていたことだ。

 だから私はすでに、そのときのための服をいくつも用意していた。


 ……ここで私の怠けた生活が出てしまった。

 カバンに適当に服をつめたせいで、すべて皺ができてしまっていた。

 ……け、けどこのほうが部屋着らしさは、あるはず。


 私は自分にそう言い聞かせ、軽い化粧をしてから衣服に袖を通した。

 部屋を出ると、一階のほうで物音がした。

 もう湊も起きているようだ。


 お、起きたばかりの湊、ね。ちょっと眠そうな顔をしているのかしら? それとも、もういつものようにきりっとしているのかしら?


 本人を見る前に、妄想でイメトレ。それから、階段の最後をおりきった。

 廊下にいた彼と目が合い、思わず緩みそうになる口元を必死に押さえつけた。痙攣しているような感じ。


「おはようございます」

「おはよう」


 ……朝から湊が見れる。それだけで胸が幸せいっぱいになった。

 彼はいつもの仏頂面のようなものだった。あ、朝から私を見て不機嫌になったのだろうか? 可能性はなくはなかった。


 私もいつまでも浮かれているわけにもいかない。表情を引き締めなおした。


「これから掃除ですか?」


 彼は掃除機の準備をしていた。一度手を止めた湊が顔をあげる。


「ああ」

「掃除はしますよ。そういった面倒を見るよう頼まれていますから」


 湊にそう申し出る。私の提案に、湊は口をぎゅっと結んだ。

 ……なんだろうか? 彼のどこか難しい表情に、疑問を抱く。

 あまり、私に頼りたくないのかもしれない。大嫌いな私に、頼るのが嫌……そういう考えもあるのかもしれない。


 ……もう一つは、先ほどの私の言い方が気にくわなかった可能性もある。

 確かに、少し上から目線だった気がしないでもない。け、けど、他に言い方が思いつかなかったっ。

 たぶん後者があたりだ! 見るからに彼は不機嫌になっていた!


「掃除は俺がやる。……料理はできないから、頼んでもいいか?」


 別に両方とも私がやる予定ではあったが、湊はそう申し出てきた。

 ……下手なことを言うのはやめよう。

 湊に任せられる部分は任せてしまおう。

 ……そ、それにそうやって役割分担したほうが、一緒に暮らしている感じがするし。


「……そう、ですね。わかりました。その分担でかまいません」

「それじゃあ、料理のときは頼む」

「はい」


 掃除機の音が家に響く。私は一度部屋へと戻り、部屋の片づけを行う。

 ……料理のときは頼む。そういった彼の表情は何やら苦渋の決断をしているように見えた。

 ……はぁ、今日で二日目。


 まだまだ全然うまくいかないのはともかくとして、もう少し改善していかないといけない。

 もっと、彼との仲を深めるために、湊を観察し分析する必要がある。


 ……これでも、幼馴染として過ごしてきてある程度知っているつもりにはなっていたんだけど、そんなことはまったくないようだった。

 


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