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現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変  作者: 二日市とふろう (旧名:北部九州在住)
Prelude to Yusei Theater

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道化遊戯 正義しか見なかった刑事と正義の味方になれなかった探偵の回想 ゲオルギー・リジコフ その1

解説だけで投稿予定文字行ってしまった……

 地下鉄九段下駅。

 ここに配備されている警備員は警察身分である。

 鉄道警察の歴史は古く、第二次世界大戦後の混乱も許容範囲内におさまった事で国鉄を中心に鉄道公安隊が国鉄分割民営化までその地位を守り続け、民営化後は各都道府県警察へ業務を移管されて消える予定だったのが、この法律を利用した連中によってその存在が残る事になった理由はいくつかある。

 一つは、不動産開発を収入源としている大手私鉄各社が自前警察組織を持つ事でバブル時に暗躍した紳士たちを跳ねのけようとした事と、華族が持つ不逮捕特権を利用しようとしたのがあげられる。

 司法組織を自前で持つ貧乏華族を確保できれば、裁判で勝負がとても楽になるからだ。

 地裁でなく華族家範で一審を処理できる事のメリットは、土地転がしで日本全土が狂っていた地上げに対して、または地上げ側が華族を用いての泥仕合に発展し、バブル崩壊の一因と言われる事もある。

 で、もう一つの理由は警察が引き起こした昭和最大の醜聞こと第二次2.26事件に他ならない。

 政財官の癒着に憤慨した天才文豪の決起に、その癒着の最前線で戦っていた帝都警が呼応し、政財官の要人を殺される結果となったこの醜聞は華族特権を用いた自衛権の拡大を警察側が飲まざるを得ず、警備業法や探偵業法の改正への伏線へと繋がってゆく。

 かくして、大企業(民営化された旧国鉄各社もちゃっかりと作っている)は『警備会社』を、富裕層は『探偵』を、私鉄を中心とした不動産会社は『鉄道警察』を抱えて警察の独走を制止する体制は、95年の新興宗教団体のテロ事件で機能し、彼らの組織壊滅の一翼を担う事になる。

 とはいえ、旧北日本市民が移住しても、まだ許容できる治安レベルにおさまっているのは、これら鉄道警察の都市部における治安維持活動にほかならず、かつての鉄道公安隊からの前例で警察官僚の天下り先であったこれらの鉄道警察を無下にする訳もなく、警備会社・探偵と共に鉄道警察は帝都東京の治安を守っている……ここまでは良い話である。

 では、悪い話は?

 言うまでもない。強烈なセクショナリズムだ。


 地下鉄九段下駅。

 この駅は東西線・半蔵門線・ 都営新宿線の三路線が乗り入れ、東京都交通局と帝都地下鉄道営団がそれぞれ管理している。

 で、こんな便利な仕組みを岩沢都知事と副知事が見逃す訳もなく、都交通局内に警備部を設立。

 ここ最近失態を晒している警察に代わって、鉄道警察を用いて都心内部の治安維持活動に積極的になっていた。

 帝都地下鉄営団も実は大蔵省株主時代に、自前の警察力の確保を名目に営団内部に警備部を設立。

 だが、大蔵省の組織的スキャンダルと解体に巻き込まれ、恋住内閣の特殊法人改革基本法によって特殊会社化され、帝都地下鉄株式会社となり、警備部は帝都地下鉄警備として警備会社化したばかり。

 で、九段下桂華タワーは桂華グループのお抱え警備会社である北樺警備保障が警備をして、全てに指揮権を有する九段下交番はその目の前にある。


「……何処に行けばいいんだ?」


 三田守でも引っ張られたぐらいなのに、ゲオルギー・リジコフが許される訳もなく、樺太の地下の家にご招待状が来る始末。

 ただ、三田守以上に国家保安省治安維持警察強化外骨格大隊に所属していた彼は歴史の闇が深く、表に連れ出してマスコミの餌にする訳にも行かずと招待側が知恵と妥協を重ねた結果が、今日の警備依頼である。一日だけという事で前日泊で東京に来て、タクシーで九段下駅に来たまでは良かったが、何処の警備会社に入れという指示を依頼者側が忘れていた理由は、何処に来ても目的地に連れてゆけるというこの九段下周辺警備の厳重さに他ならない。


「失礼ですが、ゲオルギー様でございますか?」


 彼がぼやいて一分ほどで九段下桂華タワーからメイドの一人が駆けつけてくる。

 笑顔はたやさず、警戒は怠らず。

 ゲオルギーにもわかる業界のご挨拶だった。


「ああ。今日一日警備の仕事で来たんだが、場所が分からなくてね。

 九段下駅事務所となっているが、どっちの駅なんだと頭を抱えていた所さ」


「でしたら、ご案内いたします。

 契約上お仕事をしてもらう扱いですが、最上級VIP待遇をするようにと上より仰せつかっております。

 何なりと申しつけください」


 会話途中でゲオルギーは分かるように視線を逸らす。

 その先には監視カメラ。

 走り去っていったタクシーも眺める。丁寧な命令口調。作り笑いを浮かべて尋ねる。


「なるほど。あんた、何処の『会社』だい?」


 あえて日本語で『会社』と呼ぶ皮肉も、きっちりとカンパニー出身のメイドは笑顔で受け答える。

 この手のご挨拶は冷戦時は当然の事。

 殺し殺されまでいかない今のご時世に少し平和ボケしているなと、自戒しつつ彼はメイドの返事を聞いたのであった。


「もちろん、北樺警備保障ですよ。い、ま、は、」

鉄道警察

 正しくは鉄道公安。今回の話の公安と別組織なので、鉄道警察に名を変えている。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%84%E9%81%93%E5%85%AC%E5%AE%89#%E9%89%84%E9%81%93%E5%85%AC%E5%AE%89%E6%A9%9F%E5%8B%95%E9%9A%8A


警察のセクショナリズム

 ぶっちゃけると、これが微妙に残っている。

 この話の副知事は、某佐々さんという事は……

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%B2%BB%E4%BD%93%E8%AD%A6%E5%AF%9F_(%E6%97%A7%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E6%B3%95)

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― 新着の感想 ―
第二次2.26後に自警制度の発展かあ 95の新興宗教テロに奏功したと言う事だが、一体この世界ではあの地下鉄事件も含め関連案件の被害どれくらいの規模になったんだろう? あとこちらで最近話題の教会さん…
一度目についた獲物は逃がさない
あー、そういえば樺太に帰ったからなぁ。で、引っ張り出す為に色々と…。 お迎えが「カンパニー」の方と。 まあ、これは絶対に無事に済む訳が無いな。 …館長。出席してないよな?
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