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現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変  作者: 二日市とふろう (旧名:北部九州在住)
Prelude to Yusei Theater

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お嬢様の修学旅行 中等部 六日目 その3

このあたりの人の流れを知ると大スキャンダルの某島が途端にどす黒く……orz

 大英博物館に向かうバスの中、このオプショナルツアーを希望しない生徒はおらず、ほぼ全員での移動となったのでバス数台と護衛に加えてついてくるパパラッチという大名行列がロンドン市内を走る。


「そーいえば、夜の晩餐会って何をするの?」


 私の発言にエヴァがちくり。

 根に持っているお返事をしてくれた。


「どこかの誰かさんのせいで、いろいろ変わったそうですよ」

「何でみんな私を見るのよ?」

「そりゃ、その誰かって瑠奈しか居ないじゃないか?」


 空気を読まない栄一くんの一言で傷ついたふりをしても、みんな無視する程度には私を知っているというか。

 そんな私を無視してエヴァが話を進める。


「当初はドレスを着てもらってデビュタントを考えていたそうですけど、昨日のあれのせいであくまで日本の修学旅行生徒たちを歓迎する名目に切り替わったとか。

 だからドレス着用はなしで、制服参加となります」


 うっ……みんなのジト目が痛い……

 とはいえ、ここで負けては悪役令嬢の名前が廃るというもの。

 あえてここは腰に手を当てて尊大に振舞ってごまかす事にする。


「ふっ……英国は私の器には小さすぎるのよ……」

「だろうな。ちなみに桂華院よ。フランス首相の首片手に凱旋して来るから、エドワード黒太子かウェリントン公爵かってゴシップ誌に出ているが?」

「やっている事が、元服前の勝手戦の首取りだからね。桂華院さん」

「……ぉぅ」


 光也くんと裕次郎くんの連撃に私撃沈。

 味方はいないのと視線を走らせても皆目をそらしやがるし。


「その上、『舐めた真似をした連中を金と権力でぶん殴る』なんて言っていたわね。瑠奈ちゃん……」

(うんうん)


 追撃が……明日香ちゃんと蛍ちゃんの追撃が痛い……

 そんな感じで場が和んだ所でエヴァが話を戻す。


「あと、理由として英国貴族社会を見せる事で、お嬢様にはこっちに来てほしくないという婉曲的いやがらせを考えているらしく……」


「はい!?

 私、何か恨まれるような事……」


 みんなのジト目で私も黙らざるを得ない。

 うん。『舐めた真似をした連中を金と権力でぶん殴る』だけでなく『本体にダイレクトアタック』まで言っていました……私……


「けど、それで私が欧州側の貴族社会に行くなんて考えないのかしら?」

「お嬢様。泉川様と後藤様の言葉を用いるならば、フランス首相の首を手土産に貴族社会にご挨拶するのは貴族というより『将軍』とか『元帥』と呼ばれると思うのですが?」

「ぉぅ……」


 まったく言い逃れできない己の所業に目をそらす私。

 仕方ないからと、自分でその言葉を言うあたり芸人気質だなぁと思う私。


「つまり、出禁を食らったと?」

「お嬢様がご聡明で私もなによりですわ」 


 ええい。エヴァめ賛辞を見える感じの棒読みで言いやがって。

 もっともフォローも忘れない。


「とはいえ、お嬢様の功績は米国では絶大なので、米国上流階級では歓迎されるでしょう」

「ん? さっき英国貴族社会から出禁を食らったって言ってなかった?」

「だから、英国保証で米国上流階級社会にデビューするって事ですよ」

「???」


 さすがに首を傾げた私に助け舟をだしたのは、男子三人の方だった。

 家とか組織とかを率いていると、そっちの肌感覚が磨かれるのだろう。


「ああ。出禁ではあるが、デビューの保証人は英国がするって事か」

「英国上流階級と米国上流階級は繋がっているからね」

「ロマノフ家の名前を出さずにデビューさせるんだろうな。きっと」

「……ちょっと、私だけでなくみんなにも分かるように説明しなさいよ!!」


 という訳で、栄一くん。裕次郎くん。光也くんの三人がつっこむ。


「だから、そのままロマノフの名前を使わなかったら、極東の島国のお嬢様に過ぎないと米国でも馬鹿にされかねないだろう? その代わりに英国貴族保証という形で紹介されるんだな。きっと」

「歴史と権威って時間がかかるだけに馬鹿にできないんだよ……第二次世界大戦では枢軸側だったし」

「米国社会は共和党と民主党で社会も二分されているから、今の大統領側でデビューすると民主党側から盛大にやっかみを受けてしまう。それを英国保証にする事で両方に顔が売れると」


 ぐうの音も出ない私にエヴァがとどめの一言を言う。


「英国貴族社会ではお金の臭いを嫌うんですよ。

 英国貴族は三代かけてお金の臭いを消すそうで……失礼ですがお嬢様はちょっと……」


「言わないで。エヴァ。それは自覚しているから……」


 香水でも隠すことができないマネーの臭いを漂わせている女。桂華院瑠奈。

 そりゃ、出禁にもなるわなと自覚した所で当然の質問が出てくる。


「けど、それだと英国貴族って生活できないんじゃ……」

「だから、米国の資産家の娘を嫁にもらったり、貴族の娘が米国資産家に嫁いだりという事で……」


 エヴァの説明でやっと私の立ち位置が見えてきた。

 それを言う前に明日香ちゃんが言ってしまう。


「つまり、瑠奈ちゃんを資産家の娘扱い?」

「だから英国は衰退したんですよ……」


 エヴァの返事もキレッキレだった。

参考にしている動画。

 英国アンティークの毒と蜜

 https://www.youtube.com/@%E8%8B%B1%E5%9B%BD%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%AF%92%E3%81%A8%E8%9C%9C


エドワード黒太子

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E9%BB%92%E5%A4%AA%E5%AD%90


ウェリントン公爵

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%AA%E3%83%BC_(%E5%88%9D%E4%BB%A3%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E5%85%AC%E7%88%B5)

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― 新着の感想 ―
島がダイアナ妃の死に絡んでいたとかデマであってくれよ! 誰だよこのシナリオ考えたヤツは!
チャールズ一斉以来の王族逮捕か。またぶん殴られている、リアルパイセンに。
そして米国上流階級の仲間入りしたおぜう様に某島からお誘いがかかって、真相を知ったおぜう様が激怒して島そのものがなかったことになると…
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