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現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変  作者: 二日市とふろう (旧名:北部九州在住)
Prelude to Yusei Theater

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お嬢様が馬主になるそうです ケイカツインロマン 新馬戦

リアルパイセンが容赦ないのでしばらく現実逃避系のお話でお茶を濁します。その2(血涙)

解散総選挙に立憲と公明の新党って……orz

 10月31日京都競馬場の新馬戦に新馬戦らしからぬ人が集まっていた。

 そのお目当てはケイカツインロマン。名前の通りロマンに愛された馬である。

 その身には七夕賞とオールカマーを鮮やかに勝った馬の血が流れ、その大逃げに脳を焼かれた連中がこの馬見たさに大挙集まったのが真相である。


「しかし、馬主のお嬢様が旅行中にデビューとはついてないな。この馬」

「来ると警備とかが大変になるからって、いないこの日を狙ったそうですよ」


 スポーツ紙の記者とカメラマンがそんな事を話しながらパドックの馬を眺める。

 こういう場所だからこそ、それ以外の情報がそれとなく聞こえてくるのは世の常な訳で。


「桂華グループは桂華商会の天満橋満副社長か、桂華資源開発の岡崎祐一社長が来る予定だったそうで」

「何で来ていないんだ?」

「仕事で忙しいとかで」

「まぁ、大統領選挙前ならそうか」


 米国大統領選挙投票日を控えたこの日、セレブな馬主桂華院瑠奈公爵令嬢が修学旅行で欧州に行く途中でたまたまアラスカに遊説していた大統領とすれ違うというというニュースでもちきりになっていた。

 独立したばかりの南イラク首長国に嫁ぐかもという話題が囁かれる中、その首長国の王子様は他の産油国の王族と組んで日本競馬に殴り込みをかけており、それをどう日本競馬が迎え撃つかというのも競馬関係者の間では話題になっていたのである。


「樺太競馬大成功だったらしいですからね」

「北海道や山形や栃木の地方競馬の救世主な上に、ダート路線の整備と、夏にG1も増えて万々歳。

 あのお嬢様に足を向けて寝れない関係者も多いだろう」

「あげくに、箔付けの次がこいつですからね。

 何でも、公爵令嬢も七夕賞とオールカマーのビデオを見てはまったそうで」

「で、めでたく浪漫俱楽部入りか。見ろよ。新馬なのに垂れ幕の多い事多い事」

「『帰ってきた!俺たちの浪漫が帰ってきた!!』『ツインロマンの競馬はここから始まる』『師匠待っていました!』『お嬢様が見ているぞ……』最後の奴違うんじゃないか?」

「多分ケイカプレビューの奴なんでしょうが、まぁ愛されているという事で」


 パドックから出てゆくケイカツインロマンを横目で見ながらカメラマンは記者に話を続ける。


「で、人気は?」

「もちろん一番人気。

 手ごたえもばっちりだそうで。浪漫全開で行くそうですよ」

「たしか他にも逃げ馬がいたな」

「あの馬に大逃げされたらペース狂って潰れるからと警戒しつつも放置するみたいですね」

「それで成功したら大歓声だろうな」


 新馬戦だからこそ、勝ちにこだわる馬主も多い。

 勝たねば次のステージに上がれないからだ。

 それでも、ケイカツインロマンは名前の通り浪漫を取りに来た。

 彼らが伊達と酔狂で競馬をやっている証拠である。


 京都 第六レース 芝 右回り 1600メートル 曇りで馬場は稍


 そんな浪漫レースのファンファーレが鳴る。

 大歓声と共にケイカツインロマンが飛び出す。破滅的なスタートダッシュに場が大いに盛り上がる。


「ああ。あれを見ていると帰ってきたって思うな」

「ですねぇ。そのまま最後崩壊する所までが様式美……ん?」

「どうした?」

「いや、あの大逃げが成功したのは、オールカマーと七夕賞でしょう?」

「そうだが、それがどうした?」

「オールカマーが2200メートル、七夕賞が2000メートル……この新馬戦は1600メートルです」

「あっ……!?」


 二人は陣営の仕掛けた罠に気づく。

 あの血のあの走りをしたのならば、後半の逆噴射で潰れるだろうと。

 だが、その逆噴射が吹く前にゴールに飛び込んでしまったら……


「あー。ダメだ。あの大逃げに惑わされて他が見に回った」

「多分気づいた騎手もいるでしょうけど、捕まえるには厳しいですよ」


 歓声が割れんばかりに轟く。

 誰もが浪漫の続きを見ていた。

 逆噴射が吹く前にゴールに飛び込んでしまえばいいという戦略に、誰もが見ている浪漫幻想より400から600メートルほど短い事に気づくのが皆遅れた。

 待っているのは、浪漫の作戦勝ち。


「駄目だ!他の馬は追い付けない!!」

「いけー!逃げ切れ!!吠えろツインロマン!!!」


 歓声がG1かと割れんばかりに京都競馬場に轟く。

 あまりにも鮮やかであまりにも浪漫溢れる新馬戦に、馬主および関係者は後にこんなコメントを残したという。


桂華院瑠奈公爵令嬢「私も現地で見たかった……」

天満橋満桂華商会副社長「な。これが見たかったんや!」

岡崎祐一桂華資源開発社長「いい馬ですね。負けても笑顔でオールインしたくなる」


 新馬戦なのに翌日のスポーツ紙面をにぎわせたケイカツインロマンは、12月19日阪神競馬第5競走の新馬戦まで話題を独占する事になる。

元ネタ

『帰ってきた!俺たちの浪漫が帰ってきた!!』

 『忍者と極道』(近藤信輔  モーニングKC)「還ってきた!俺たちの黄金時代(オウゴン)が還ってくる!!」


『ツインロマンの競馬はここから始まる』

 (1994年有馬記念:ラジオたんぱ佐藤泉アナ)「ツインターボの先頭はここで終わり!」


吠えろツインロマン!!!

 (1993年七夕賞:福島テレビ高橋雄一アナ)「吼えろツインターボ!!全開だ!ターボエンジン逃げ切った!!」



2月19日阪神競馬第5競走の新馬戦

 https://www.youtube.com/watch?v=ESgZxhX_t5g

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― 新着の感想 ―
伊達と酔狂で云々:銀英伝
リアルパイセンでは外資系生命保険会社が1999年から社員が詐欺行為を行っていたと言うのも、お嬢様だったら一体どうしただろうか
立憲と公明は支持母体が水と油だけど、政党としての現在の政策は似たような路線になってしまっているんだよなあー、だからそれほど意外ではないと思ってます。 呉越同舟というところでしょうか。
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