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現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変  作者: 二日市とふろう (旧名:北部九州在住)
お嬢様モラトリアム

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月刊経済誌財閥 2003年4月号特集 『逆境の財閥!第三段!!水脹れの桂華グループ!!』

 現在不良債権処理と構造改革によって逆風に晒されている財閥。

 その今を追うこのシリーズ『樺太に賭ける岩崎の執念』『結婚と解体を是とする二木淀屋橋』に続く今回は、急激に膨張した政商桂華グループ、その水脹れの実態に迫りたい。



 桂華岩崎畑辺製薬 『本家』なのに外資身売りで得た安堵


 桂華グループの『本家』である桂華製薬こと桂華岩崎畑辺製薬は大手外資系メガ・ファーマのアーツノヴァ社と戦略的提携を結び、経営権は保持しているものの実質的に外資に身売りされる事になった。

 この背景には、近年の新薬開発費用が巨額になっており世界では大手製薬会社の合併が繰り広げられている事から、いつか来る黒船と関係者は覚悟していた節がある。

 元々桂華グループは90年台のバブル崩壊時の不良債権処理を岩崎財閥とくっ付く事で乗り切る方針だった。

 それが、系列企業であった極東銀行が大蔵省の不良債権処理のモデルケースに選ばれたことで急激に規模を膨らませ、不良債権企業の救済によって回復した新規獲得企業との序列で軋轢が発生していた。

 桂華化学工業や桂華商船、桂華倉庫等は岩崎財閥系企業と合併を果たし、唯一残った桂華製薬も主導権は保持したとはいえ岩崎製薬と合併を決断。

 それでも桂華グループ本家として丁重に扱われていたが、桂華グループの中核が桂華金融ホールディングス、赤松商事改め桂華商事、桂華鉄道や桂華電機連合等に移った現状、経営規模の小さい桂華岩崎畑辺製薬は肩身が狭かったと関係者は語っている。

 華族桂華院公爵家の実業であった桂華製薬が身売りした事で、桂華院家の中では新興会社に人員を派遣するべきという意見もあるが、桂華院家内部の微妙な関係からそれを躊躇う動き……



 桂華金融ホールディングス 後継者は外資系外国人!?身内から後継者を出せなかった一条CEOの後悔と執念


 桂華グループ躍進の中心となった桂華金融ホールディングス。

 政府の不良債権処理のモデルケースとして破綻寸前の金融機関の寄せ集めとして作られたはずが、ムーンライトファンドという化物収入源を得た事で日本最初のメガバンクに躍り出た奇跡。その立役者である一条CEOの後継者問題が囁かれている。

 ホールディングス傘下の各金融機関だけでなく、大蔵省の天下りやヘッドハンティングした人材を競わせて後継者レースを行っていたが、お眼鏡に叶うらしい人材は未だ出てきていない。

 そんな中、仰天する情報が飛び込んできた。

 ホールディングス傘下の桂華証券の取締役に、桂華院家公爵令嬢秘書だったアンジェラ・サリバン女史が就く事が発表されたのだ。

 アンジェラ・サリバン公爵令嬢秘書の前職はパシフィック・グローバル・インベストメント・ファンドのファンドマネージャーであり、米国大手証券会社のシルバー・ウーマン証券のファンドマネージャーに決まっていた所を桂華院家がヘッドハンティングしたという切り札的人材だ。

 いずれ、桂華証券社長を経て桂華金融ホールディングスCEOになると関係者は噂している。

 不良債権処理が終わり、ムーンライトファンドという超優良収入源を有する桂華金融ホールディングスにも欠点がある。

 破綻救済のために抱え込んだ複数の金融機関の重複店舗と過剰人員のリストラが未だ終わらぬ中、桂華グループの機関銀行に近い桂華金融ホールディングスは政府から上場を求められており、桂華グループ以外の収益源確保に迫られているのだ。

 桂華金融ホールディングスの上場は近年中に行われることが既に決まっているが、政府の不良債権処理の強硬姿勢から全メガバンクに公的資金を入れる話も出ており……

 


 桂華鉄道 桂華グループの爆弾? 抱え込んだ土地という不良債権は本当に処理されていたのか?


 現在、桂華グループが多大な投資を行って急速に規模を拡大させている桂華鉄道だが、これこそが桂華グループのアキレス腱だと判断している関係者は多い。

 元々は大量の不良債権となった土地を抱えていた帝西百貨店や総合百貨店等の物流部門に、地方リゾート開発というやはり不良債権の塊であるホテル部門等が集まってできたグループである。

 桂華鉄道広報によると、事業再編時に不良債権処理は適切に実行しているらしいが、事業再編時の時価処理である以上、更に地価が下がれば追加の不良債権処理が発生しかねない。

 にも拘わらず、新常磐鉄道や新宿新幹線やなにわ筋鉄道等、桂華鉄道は都市部に大規模投資を強行しており、現在の投資額は既に三兆円を超えると言われている。

 これらの投資が不良債権化すると資金を供出していた桂華金融ホールディングスの経営を直撃すると見られ、政府が桂華金融ホールディングスを上場させるようにと主張する根拠となっている。

 桂華鉄道社長である橘隆二氏は今は亡きフィクサーの一人だった桂華院彦麻呂公爵の右腕としてその筋では知られており、土地開発に付き物の闇の紳士達をあしらう事ができる唯一の人材と見られている。

 その彼を東京地検特捜部が狙い撃ちにした背景もこの巨額投資の不良債権化を恐れる政府の指示と言われており、不良債権処理と財閥解体及び華族特権剥奪を政策として掲げている恋住政権の槍玉に挙げられたという声は少なくない。

 桂華鉄道は今年中に事業再編を終わらせる予定で、それに伴って橘社長は退任する方向である。

 だが、橘社長の後継者は未だ発表されておらず、買収した鉄道会社のトップから抜擢するか、国土交通省から天下りを受け入れるか、四国新幹線絡みで西日本帝国鉄道の役員をヘッドハンティングするかと……



 桂華商事 大量買収による大混乱に出てくる『ムーンライトファンド』と『商会』の文字


 赤松商事、帝商石井、帝綿商事、鐘ヶ鳴紡績と四社の経営統合に阿鼻叫喚の悲鳴を上げているのがこの桂華商事。

 実は下位総合商社は隠れ不良債権の本丸と噂されていた所で、経営不振に喘ぐ鐘ヶ鳴紡績まで入れた実質的な救済合併というのは紛れもない事実である。

 この事業再編に絡んで出てくるのが『ムーンライトファンド』であり、桂華グループ肥大のきっかけとなった桂華金融ホールディングスの稼ぎ頭である。

 IT投資で成した財をその後のITバブルが弾ける前に資源ビジネスに移しており、その資源ビジネスを統括していたのが赤松商事の資源管理部という訳だ。

 この資源管理部について統合会社の直轄にするべきだという声が出て、桂華金融ホールディングスとの間に緊張が走ったという証言を関係者から聞くことができた。

 これについては、桂華金融ホールディングスの一条CEOと赤松商事の藤堂社長(統合後の桂華商事社長に内定している)がそれぞれ覚書を交わして、現状のままにする事を確認している。

 だが、政府が上場を求め機関銀行からの脱却を求められている桂華金融ホールディングスにとって、その中核であるムーンライトファンドは生死を分けかねない問題であり、その実務部門である赤松商事資源管理部の処遇はこれから先も出てくることになるだろう。

 この動きに、かつて桂華グループにあった『桂華商会』を復活させてはという意見が急速に支持を集めている。

 元々藤堂社長は桂華商会の出身であり、桂華金融ホールディングスが上場して機関銀行からの脱却を求められた時、桂華グループの全体を見ることができるのはうちしかないという意見が出たのが発端だ。

 さらに関係者の話によると、「桂華金融ホールディングスの上場が予定される中で、本来桂華グループを引っ張る段取りの桂華鉄道の橘社長が東京地検によって狙い撃ちされた。今、膨れきった桂華グループを引っ張れるのは桂華院家の覚えめでたい藤堂さんしか居ない」という声が……



 桂華電機連合 負け犬連合脱却の鍵は 小型液晶とリストラ


 華々しい日米コンピューター企業の経営統合という形で誕生した桂華電機連合だが、その中心である古川通信とポータコンは経営不振からの脱却を迫られている。

 四洋電機の小型液晶という超大当たり商品があるとはいえ、日米をまたぐ巨大企業再編の道のりは長く険しい。

 今回の合併に伴ってカリン・ビオラCEOは三年間リストラしない事を明言したが、裏を返せば三年後には大リストラが確定している訳でもあるのだ。

 関係者の話によると、「元々古川通信が八千人規模、ポータコンで八千五百人規模のリストラを考えていたらしく、そのコストは重しとして経営にのし掛かるだろう」と語っている。

 それでも、旧四洋電機が集中投資していた小型液晶の大当たりでさらなる投資と配置転換を行いこのリストラを乗り切れたらと期待する一方、やはり外資系経営者のドライな考えに関係者が戦々恐々しているのは間違いがないだろう。

 現在の古川通信およびポータコンのパソコン販売では規模のメリットを追求しきれず、業界ではさらなる買収に出なければならないと考える向きも多いが、その資金を機関銀行である桂華金融ホールディングスが出せるのかに視線が集まっている。

 また、家電店販売の見直しと直販システムの導入に舵を切るだけでなく、北米事業におけるパソコン製造部門のアウトソーシング先として、人件費が安い樺太に工場を建てる構想が……



 ムーンライトファンド 桂華グループの奥の院? その鵺の正体は?


 九段下桂華タワーに置かれている赤松商事資源管理部。

 こここそがムーンライトファンドの中枢である。赤松商事と桂華金融ホールディングスから出向した数十人によって運営されているこのファンドが、総資産数百億ドルとも千億ドルを超えるとも言われる巨額の資金を運用しており、実質的な桂華グループの司令塔として機能している。

 だが、このファンドの所持者である桂華院瑠奈公爵令嬢は幼く、その資金源は桂華グループや日本政府が否定しているにも拘わらず、未だロシアロマノフ家の隠し財産であるという噂がはびこっている。

 このファンドを巡っては、海外のロマノフ家関係者がその資金の返還や支援要請などについて何度も発言するため、ロシア政府も警戒感を募らせており、外交問題の一つにまで発展している。

 米国大統領選挙に関与し、米国大統領に強力なパイプを持っているとか、与党立憲政友党の泉川派の資金源になっているとか『政商』桂華と言われる所以の活動は全てここが取り仕切っているのだが、このファンドは組織としては鵺よろしく実態がない。

 口座管理は桂華金融ホールディングスが行っているが、その口座の本体はスイスのプライベート・バンクで行方が分からず、人員も赤松商事や桂華金融ホールディングスからの出向として処理されているので表向きにはムーンライトファンドとは無関係というのが桂華グループ広報の正式回答である。

 しかも、このファンドについてはセキュリティーが恐ろしく高く、その全容と資産総額を把握していると言われているのが、一条進桂華金融ホールディングスCEO、橘隆二桂華鉄道社長、藤堂長吉桂華商事社長、アンジェラ・サリバン桂華院家公爵令嬢秘書ぐらいしか居ないと噂される桂華グループの奥の院であり、現桂華グループの立役者達がまだ幼い桂華院瑠奈公爵令嬢を傀儡として立てて、桂華院家の支配から脱却したという噂は、桂華院家筋から盛んに流されている。

 恋住政権が桂華グループを目の敵にしているのはこのムーンライトファンドの存在があるからだという噂もあり、桂華金融ホールディングスの上場に伴って、この鵺がどうなるのか予断を許さず……

未だ日本ではお嬢様は傀儡扱い。

 言っても信じてもらえない真実。


「ムーンライトファンドを運営し巨万の富を稼ぎ出したのは、瑠奈お嬢様なんだぜ!」



『樺太に賭ける岩崎の執念』『結婚と解体を是とする二木淀屋橋』も面白そうだから考えても良いかもしれない。

あと『アジアに翻弄される鮎河』とか『穂波銀行内部の各財閥の暗闘』とか。

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[一言] 出所不明の噂を集めて来るだけのお仕事 現役投資家や実業家はともかく、経済学者や評論家に何の意味があるのだろうか 解説者には正しく公平な解説を求む
[気になる点] 本文は修正されていますが、本文の下の後書きに『結婚と解体を是とする二木白水』が残っています。
[気になる点] 月間経済誌財閥 2003年4月号特集 『逆境の財閥!第三段!!水脹れの桂華グループ!!』 →月刊では?
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