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創造してたら世界最強  作者: たらマヨハンバーグ
2/2

1.神助け

第2話になります。

いやー、小説って難しい。

「何処だここ?」



双雅は、知らない部屋の中にいた。

辺りは光で覆われており、壁や天井はない。

だが床にはカーペットが敷かれていて、真ん中にはコタツが置かれていた。

周りを見てみる。あまり大きくはないテレビに、大きめの茶色いタンス。さらには、ロングタイプのウォーターサーバーまである。

そのウォーターサーバーには水が満タンに入っており、横には紙コップも置いてある。



ていうか台所も無いのに何の水入れてるんだ?



「お、おお……そこの青年……水をくれんか……」



そんな事を考えていると、白い服を着たお爺さんがカスカスの声でそう言った。



「え?あ、はい!」



双雅はウォーターサーバーの水を紙コップに入れ、お爺さんに渡した。



お爺さんはその水を受け取ると、瞬時に口へ持っていった。



「んくっ、んくっ、プハーーーーッ!生き返ったわい!」



お爺さんはその水を一気に飲み干すと、ビールを飲んだ後のサラリーマンの様な声を出した。



「ありがとのぉ青年!お主は命の恩人じゃ!」

「いえ、困った時はお互い様ですから」

「優しいのぉ!ところでなんでお主はこんな所に居るんじゃ?」



ん?このお爺さんが連れてきたんじゃないのか?



「それが分からないんです。いきなり目の前が明るくなって、気がついたらここに居たんですよ」

「なるほどのぉ。それはわからんわい!」



お爺さんはそう言うとふぉっふぉっ、と笑った。



「ところで、あなたは誰なんですか?」

「儂か?儂は神と呼ばれてる存在かのぉ」

「え!神様!?」



このお爺さん神様だったのか!まぁ、確かにそう言われるとそう見えるかも?



「じゃあここは天界ですか?」



神様がいるところって言うと、天界しか思いつかない。



「まぁ、そんな感じだと思ってくれれば良いぞ」



そんな感じって……まぁ天界なんだろう。



「そんな事よりお主は儂の恩人じゃ!お礼をしないとのぉ!」

「いや、いいですよお礼なんて!俺はただ水を入れただけなんですから!」



ただ水を入れただけでお礼されるのはな。しかもウォーターサーバーで。



「本当か?」

「本当ですって!」

「うーむ、お主がそれで良いなら良いんじゃが、本当にいいんじゃな?」

「本当に大丈夫です!」

「億万長者にもなれるぞ?」



神様はからかう様な目でそう言った。


「うっ」



水を入れただけで億万長者になれるって……



「モテモテにも出来るぞ?」



また同じ様な目でそう言った。



「うっ」



水を入れただけでモテモテ……



「異世界にも行けるぞ?」



今度はさっきよりもっとからかう様な目でそう言った。



「うっ……えっ?」



異世界!?いま異世界って言った!?



「異世界って、魔法やモンスターが出てくるあの!?」



まぁ多分この異世界なんだろうが、一応きく。



「その異世界じゃよ?勿論能力も渡すぞ!」



まじですか!?えっと、もしかして……



「何でも創れるみたいな能力ってあります?」



これでもし創造があれば、行くのは決まりだ。



「創造のことかのぉ?勿論あるぞ?」

「行きたいです!」



双雅は即答でそう言った。



「元気があっていいのぉ!能力はどうする?」



神様は笑いながら双雅に能力を聞いた。神様は能力を贈り物という形で渡すことができる。これをあっちの世界では《ギフト》という。



「もちろん創造で!」



またもや双雅は即答でそう言った。



「オッケーじゃ!ではゲートを繋ぐから少しだけ待っててくれるかのぉ?あ、先に能力だけは渡した方がいいかの?」

「お願いします!」



次の瞬間、頭の中で声が流れた。



【スキル『創造』を習得しました】



「うわぁ!?」



なんだ今の声!?



「頭の中で声が聞こえたかのぉ?

あっちの世界では、レベルが上がった時やスキルを習得した時なんかにその声が聞こえるんじゃよ」



お爺さんが空中に浮かんでいる半透明のプレートを指で触りながらそう言った。どうやら何かを操作してるみたいだ。



いや、それよりまだあっちの世界行ってないんですけど!?



「まだあっちの世界じゃないのに、みたいな顔をしとるのぉ!

ここはあっちの世界と繋がっているから、大体はあっちの世界と同じ様になるんじゃよ」



なるほど。じゃあここはもうあっちの世界と一緒ってことか。



「ちなみにステータスオープンと呟くと自分のステータスが見れるぞ。普通ステータスは他の人には見えないから、どこで開いても大丈夫じゃ。ただし、相手がスキル『鑑定』を持っている場合は別じゃ。鑑定を使われたら自分がスキル『隠蔽』を持っていない限り見られるぞ」



え、もうステータス見れるの?



「わかりました!ステータスオープン」



俺がそう言うと、目の前に半透明のプレートがでてきた。



――――――――――――――――――――――


名前:ソウガ・カシナギ

年齢:17

種族:ヒューマ

職業:学生

レベル:1


体力:61/61

魔力:67/67

攻撃:62

防御:64

魔攻:68

魔防:63

俊敏:69


スキル

創造(固有)


魔法

無し


称号

神様の恩人 異世界人 創造者


加護

無し


――――――――――――――――――――――



「おおーー!!」



双雅は自分のステータスが見れたことに感動した。

中学二年生の頃に、幾度となく呟いた“ステータスオープン”。

その言葉を呟くたびに出てくるのは、ステータスが書かれた半透明のプレートではなく、なんであんなこと言ったんだろう。という羞恥心。



だが今は違う。

ちゃんとステータスが見える。羞恥心もない。



「よっしゃあ!!」



思わず大声で嬉しさを叫んでしまった。



「そんなに嬉しかったかのぉ?」



神様は笑いながら双雅に言った。



「はい!やっとステータスが見れたんで!ところで、創造ってもうできるんですか?」



早く創造がしたい。

ステータスを見れた嬉しさも、スキルの欄にあった創造を見た瞬間に少なくなってしまった。



「もちろんできるぞ?そうじゃなぁ、まだ時間はかかりそうじゃし、ちょいとチュートリアルでもするか!」



よっしゃあ!!やっと創造か!あの夢にまで見た創造ができるのか!



「お願いします!」

「ではまず、スキルの創り方じゃが、頭の中でそのスキルを思い浮かべるだけじゃ」



なるほど、簡単で助かるな!



「あっちの世界にあるスキルを創る時は思い浮かべた時に自動でそのスキルを創ってくれる。ただし、あっちの世界にないスキル。即ち、固有スキルを創る時は、正確なイメージが必要じゃ。」



なるほど、普通のスキルを創るのは簡単だけど、固有スキルを創るのは難しいって事か。



「まぁ、百聞は一見にしかずじゃ!一度やってみぃ!

そうじゃな、最初に創るのは相手のステータスや物の詳細を見るスキル、『鑑定』でいいじゃろ」



鑑定か、まぁ定番だよな!

よし、鑑定は元々あるスキルだから、思い浮かべるだけでいいと。鑑定……鑑定……



【スキル『鑑定』を習得しました】



「おお、創れました!」



本当に簡単だった。これは便利すぎる。



「そうかそうか。

では性能チェックじゃ。これを鑑定してみぃ」



神様は笑ってそう言いながら、双雅に真っ赤な林檎を渡した。



「鑑定の仕方は、鑑定したいものを注意深く見るだけじゃ。ほれ、やってみぃ」



よし、注意深く見ればいいんだな?

じーーーーっと。



――――――――――――――――――――――


名前:普通の林檎


詳細:地球にある普通の林檎。糖度は13。


――――――――――――――――――――――



「おお、ちゃんと見れます」

「良かったよかった。ちなみにスキルとかの詳細もわかるから、あとで見てみるとよいぞ」



スキルの詳細もわかるのか、便利だな。



「次は固有スキルを創るぞ。やり方はさっき言った通り、よくイメージするだけじゃ」



待ってました固有スキル!



「これはお主のイメージ通りに何か創ってみるとよい。分からないことがあったら聞くんじゃぞ」



そうだなぁ、どうしようか。

………………よし、決めた!



双雅はそのスキルを頭の中でイメージした。

イメージ、イメージ……



【スキル『獲得経験値100倍』を習得しました。

スキル『必要経験値1/100』を習得しました】



あれ?一つのスキルしか考えてないのに二つできてしまった。

え、ちょっと待て。獲得経験値が100倍で必要経験値が100分の1?

じゃあつまり俺、普通の人の一万倍の速度でレベルアップするってこと?



「あの、神様」

「ん、どうした?」



「獲得経験値を100倍にするスキルを創ったら、必要経験値が1/100になるスキルも習得できたんですが」



神様は一瞬だけ考える様な素振りを見せた。



「それはおそらくイメージした内容がどちらのスキルにも当てはまったんじゃろう。何をイメージしたんじゃ?」

「レベルアップがしやすくなる様にするスキルをイメージしましたよ?」

「うむ、それなら合点がいくの。どちらにも当てはまっておる」

「確かに」



なるほど、そういう事か。

しかしやばいなこれ、チートすぎる。



「しかしお主もえげつないのう!いきなりそんなぶっ壊れスキルを創るか!」



神様は腹を抱えて笑いながらそう言った。



「いや、まぁ、はは」



取り敢えず苦笑いで誤魔化しとこ。

まさかこんな事になるとは思わなかった。



「まぁチュートリアルはこれで終わりじゃ。使い方はわかったかの?」

「はい、まぁ大体は」

「それは良かったわい。じゃあ儂は作業に戻るぞ。もう少しかかるからちょっと待っといてくれ」



神様はそう言うと、また空中にある半透明のプレートを操作しだした。

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