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第7話 気になる。

「ちょっと椅子借りるねー!」


 そういって桃百合さんは私の前の座席の男の子に一声かけて座りました。初対面の人に対してこうやって気さくに喋れる辺り、私とのコミュ力の差を感じます。


 桃百合さんは椅子は黒板の向きで、私の方を向くという間違った使用方法で座っています。座り方のせいか短いスカートから綺麗な太ももがよく見えます。えっちいです。


 今、私は3年間温めてきた作戦が失敗に終わってしまって絶賛落ち込んでいる最中です。次のステージに行くためにも新たな知的戦力を考えなければなりません。桃百合さんには申し訳ないですが、どこか遠いところに移動してもらいましょう。


「桃百合さん。私焼きそばパンが食べたいから――」


「そういえば、上野ってさー」


「え、え、上野君がどうしたの!?!?え、早く教えて!?」


「ちょ!ハッチ怖っ!唐突に感情全面に出るの怖っ!」


 思わず桃百合さんに唾をかけてしまう勢いで喋ってしまいました。上野君の情報ならどんなことでも知りたいお年頃です。思春期というやつです。感情が顕著に出るのも仕方がないことです。


「コホンッ……失礼しました。それで……上野君がどうしたんですか???」


「いや、上野ってさ、なんか気になるよね?」


「…………??」


 なんか気になる……?とはどういった意味でしょう???桃百合さんの語彙力のなさから様々な意味を想像することができます。


「いやさ、なんか危険な感じするよねー?」


「危険な感じ……?危険な感じ…………クラスで二人っきり……壁ドン……キス……!!!うー!!!うー!!!!!」


「ちょ!ハッチ落ち着いてっ!テンショングロ怖いんだけど!たぶん想像してるのと違うって!」


「……え?……じゃあどういう意味ですか?」


「いや……なんつうかさ――」


 急に私の耳元で桃百合さんが小さな声で言いました。


「上野ってサイコパスっぽいよね」


 サイコパス…………?


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