第4話 消しゴム。3
消しゴム……。
上野君に踏まれるなんてずるいぞ……!!!
消しゴムが憎たらしそうな目で此方を見つめてきます。「どうだー!いいだろー!」と語りかけてきます。消しゴムを拾ってもらいたいという気持ちから、消しゴムが踏まれているということに対しての嫉妬の感情に変化していきました。
ずるい。ずる過ぎます。私だって上野君に踏まれたいのに!
こうなったらもう代わりに私が消しゴムになったほうが早いのでは???私が消しゴムということで転がって上野君の足元に行けばいいのでは???
作戦はこんな感じです。
◇
「私消しゴム!ごろごろ―!ごろごろー!わあ!上野君の席の真下に上手いこと落ちちゃったぁ!!」
「おっと。こんなところに七八さんのキュートな消しゴムが落ちてるじゃないかー!」
「拾って!拾って!消しゴムだよ!拾って!!!」
「一番近くにいる俺が拾うのは自然の摂理!踏みまーす!!」
「わぁあああ!上野君の上履き気持ちいぃ!!最高っ!!!」
「あはははっ!!!」
◇
完璧です。緻密に計算された作戦です。私が消しゴムをになって何やかんやで上野君にいい感じに踏まれる未来が完璧に見えました。
……あれ?当初の目的変わっているような……?