第2話 消しゴム。
全員の自己紹介が終わり、授業の進め方を先生が説明しています。
横で上野君はあくびをしながら話を聞いています。とてもかっこいいです。横顔をスマホで撮影して画面を舐めまわしたいです。嘘です。流石にちょっと舐めるぐらいです。
……さてさて、せっかく隣の席になれたんです。絶対にこのチャンス逃すわけにはいきません。行動に移するなら今しかないです。やはり出会いというのは自然な流れが大事です。わざとらしいのは絶対にダメです。
そこで私が考えたのが自然な感じで消しゴムをわざと落とす作戦です!!
流れはこんな感じです!!!
◇
「あれれ……消しゴムどこ行ったの……あれれ……」
「消しゴム落ちてたよ」
「あ、ありがとうございます……」
「この消しゴム……もらっていいか?」
「え……?」
「一目惚れしたんだ。七八さん。いや、葵ちゃん。いや、葵」
「は、はい……」
「俺と付き合ってくれ!!」
「はい!!!」
◇
完璧です。緻密に計算された作戦です。消しゴムをわざと落としてから付き合うまでの未来が完璧に見えました。
ちなみに本作戦は私の愛読書である少女漫画を参考に考えました。これでもう私に対しての好感度は100%上がります。なんなら150%ぐらい上がります。上がりすぎてお互いテンションがよくわかんない感じになります。きっと。
ではではさっそく実行に移します!