プロローグ
「最後に言い残すことはあるか?」
僕が一番はじめに耳にしたのは、あまりにも唐突で理解し難い一言だった。おかしい、僕の記憶が正しければその類の言葉は相手を殺す直前に言うものだ。
いや、何も覚えていないのだが。
「黙っているということは、いいんだな?」
ガチリと撃鉄を起こす音がする。まずい、これは間違いなく殺される。頭の中が目前に迫る死で溢れる、混乱する暇さえ与えてくれないこの急展開に思考は全く追いついていない。ああ、短い人生だったと諦めた瞬間、後頭部に強烈な衝撃を感じる。どうやら何か鈍器のようなもので殴られたらしい、薄れゆく意識の中で発砲音と怒号が交互に聞こえる。
「なんだ、銃殺じゃねぇのかよ」
自分でもどうかと思うセルフツッコミを最後に、僕の意識はまたどこかへいってしまった。
この物語は作者の思いつきとその日の気分、発作的に発生する謎の「執筆欲」により拙く綴られます。それでも気にしないぜ!という方々の暇潰しのお供にしていただけたら幸いです。