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特訓

 ビュッ

 ビュッ


 短く空気を切る音を感じる。

「ふっ!ハッほっ!」

 目を凝らし次々と襲ってくる拳をギリギリの所でかわす。

 ダンッ

 ダンッ

「ぐっ!つう……」

 完全に避けたと思ったが幾つか避け損ねた拳撃が体を強かに打つ。

 痛いと思うより、衝撃でへたりそうになる気力を奮い立たせ、さらに襲ってくる拳を避ける。

 ある時は避け、ある時は受け流しながら次々と繰り出される攻撃に対処していくが、極度の緊張と疲労が自覚のないままどんどんと体を蝕んで行き、そして……

 ズル

「わ!」

 覚束なくなった足がガクンと体制を崩してしまう。

 ほんの僅かな動揺ですが、それを見逃してくれる相手でも無く。

「せいやあ!」

「ひっ!」

 的確に顔面を狙って繰り出された拳に思わず目を瞑ってしまい……


「はい、しゅ~りょ~」

 本当に、本当に紙一重で私の顔面すれすれで寸止めされた拳の持ち主、優さんから終了の合図と共にブワっと冷や汗が溢れ出てくるのを感じます。

「うう、また駄目でした……」

 冷や汗と一緒に体も思い出したように疲労を訴えペタリとその場に座り込んでしまいます。

「動きは少しづつ良くなってきたよ、攻撃を受けた後態勢を崩さなかったのもよかった、でも最後に目をつぶったのは減点、あの時しっかり拳の軌道を見極めてたらギリギリで避けられたはずだよ」

 対する優さんは息一つ乱れる事無く、先ほどの私の動きを良かった所と悪かった所を指摘しています。

「あと、そうやって、終わったと思って直ぐ座り込むのもダメ!ひょっとしたら増援が来る可能性もある内は油断しない事、いいね?」

「はーい先生」


 何故私がこんな事をしているのかと言うと。

 美穂さんを始め、他の魔法少女と戦って分かった事ですが。

 私、弱いです。


 転生チートはどうしたと天に向けて文句の一つも言いたくなりますが、思い出してみると。

 原作では魔法少女の強さとは願いへの強さが魔法少女の力となると描かれています。

 願いの強さと耳触りの良い言葉で飾っては居ますが要するに願いに対する欲望もしくは渇望とも言えます。

 美穂さんは、10歳のころから5年間、弟のためにずっと戦い続けてきました。

 たとえ、それが見当違いな方法だったとしても彼女は真剣に弟を救おうとしていました。

 魔法少女の仕事は楽ではありません、原作では十代を過ぎた、いわゆる魔法少女(笑)は存在しません。

 原作では、あの生物は『居なくなってしまう』とだけ言っていました。

 主人公は魔法少女を辞めてしまったのだと受け止めましたが、ようするに『そういう事』なのでしょう。

 そんな世界で十歳のころから、たった一人で五年間ずっと戦い続けていたのです。

 原作では、ピエロのような役回りをさせられていましたが、その想いは本物です。


 対する私は。

 確かに物語をハッピーエンドにしたいと言う想いはありますが。

 痛いの嫌

 怖いの嫌

 何かあったら他の五人に頼る。

 といったヘタレ根性丸出し。

 願いに対する渇望の度合いが違いすぎます。


 もちろん、普通の人間に比べたらずっと強いです。

 素手でコンクリートを砕いたり、オリンピック選手に負けない脚力を手に入れましたが、それだけです。

 ビルとビルの間を飛びながら移動したりなんて、とてもじゃないけどできません。

 ただ武器として出てきた弓は結構な威力でした。

 試しに撃ってみた所、的にしていたコンクリートの壁が木端微塵に吹き飛びました。

 まあ、結局本番では避けられてしまったのですが。

 今までで一番気合いを入れて撃った渾身の一撃を、ああも軽々と避けられると正直ちょっとショックでしたが、正直外れてくれてほっとしています。

 問題はその後、撃った直後に猛烈な倦怠感に襲われ、とにかく優さん達のいる空き地に向かって走るのが精一杯でした。

 早苗さん曰く、魔力が足りない時に似たような症状になるそうで、後で貰ったエリクサーを、がぶ飲みしたら治りました。

 弓を一発撃っただけで使い物にならない魔法少女って……

 原作の魔法少女達は派手にビームを撃ち合ったりしていましたが、とてもそんな真似できそうにありません。

 大砲役にもなれやしないと言うのが私の現状です。


 なので私自身が戦うのは早々に諦め、そう言った事は優さん達に丸投げ状態です。

 ただ、だからと言って、はいそうですかと言う訳にはいきません。

 何があるか分からないのが世の常、実際最近では感の良い魔法少女達などは私達の存在に気付き始めています。

 もちろん私達の事がばれた訳ではありませんが、自分達に敵対する魔獣以外の何者かが居ると言った事を感じ取っている魔法少女は少なくありません。

 何時彼女たちの目が私達に向けら得るか分かりません。

 また、未だに沈黙を保っている魔法の国に対しても不気味な思いを抱かずには居られません。

 最も優さん達に関してはそう言った事の心配は一切していません、問題は私。


 いくら優さん達が強いと言っても彼女達に24時間365日ずっと一緒に居て貰う訳にはいきません、

 もっとも、彼女達の言葉を借りるなら何かあったら文字通り『飛んで』くると言ってくれていますが。

 なので、私が今、学んでいるのは敵を倒す技能ではなく、いかにして敵の攻撃を避けるか、つまり優さん達が来てくれるまでの時間稼ぎのやり方を学んでいます。

 先生役は優さんが買って出てくれたので暇が出来た時にはこうして彼女の実家の道場で訓練をしている次第です。


 バトル漫画の主人公の道場で個人指導とは豪勢この上ないですが、その成果というと。

 顔に向けての攻撃が来たら反射的に目を瞑ってしまったり。

 避け切れず何発か当たったりと、あまり上達しているとは言えないです。

 もっとも最初のころは優さんの拳を避ける事も出来ず、サンドバック状態で打たれまくりましたが、その頃よりは少しずつですが避けられるようになって来ました。

 なお優さんは獣気と言って、バトル漫画のお約束の『気』のようなもの、十二神流の使い手はこれを使って奥義や防御をしたり身体能力を上昇させたりと色々な使い道がありますが、優さんは一切それらを使う事無く、魔法少女でブースと掛けている私を手玉に取っています。

「魔法少女って凄いよね、普通の人が私の拳を受けたら三日はまともにご飯食べられなくなるのにピンピンしてるんだから」

 と、嬉しそうに話す優さんの言葉は私の心臓のために聞かなかった事にしました。


「三発目を避ける時はもっとガーーって感じの態勢で……」

「すみませんもう少し素人に分かる言葉で話してください」

「え~だから三発目を避けた時の姿勢がぐーって感じだったから、それよりがーーって感じの方が良いて、あ、それよりもごーーの方が涼子ちゃんには合ってるかな、どう思う?」

「うん、さっぱり分かりません」

 優さんから抽象的すぎて、いまいち役に立つのか立たないのか分からないアドバイスを受けていると。

「ええ~だから、がーって感じで「よう、お前ら元気にやってるか!!」

「すみません、失礼します」

「お兄ちゃん!陸兎さん!」

 私達しかいなかった道場に竜太さんと優さんの恋人の陸兎さんが入って来ました。


 優さんのお兄さんである竜太さん。

 ツンツンとした髪型に力強い目鼻立ちのこれぞ『主人公』といった風貌の人です。

 実際主人公なんですけどね。

 竜太さんと陸兎さんは私達より一つ上の高校三年生だったはずです。


 ちなみに私の魔法少女関係の事は道場の使用許可を貰う時に話してあります。

 最初は半信半疑でしたが目の前で変身したら信じてくれました。

 彼らの手を煩わせたくはありませんが私達で対処できない事態になった場合、迅速に彼らの助力が必要になるかもしれません。


「で、何しに来たの?」

「何しにって、随分な言い草だな、そろそろ一息つくころだと思って、わざわざ飲み物持ってきてやったんだぞ」

「持ってきたのは僕ですけどね、はい、どうぞ」

 そう言って陸兎さんは麦茶の入ったコップが乗ったお盆を差し出してくれました。

「わあ、ありがとうございます!」

 正直さっきまでの組み手で喉がカラカラだったので大変ありがたいです。


「どうだ、お前達が疲れていないかという兄の心遣いを」

「で、正直な所どうなの陸兎さん?」

「いやあ。竜太君がどうしても道場に顔を出したいと駄々をこね初めて」

「だろうと思った、お兄ちゃんがこんな気のきいたことするわけないじゃない」

「ちょ、おい!陸兎!何ばらしてんだよ!!」

「すみません竜太君、僕は優さんには嘘を付きたくないんです」

「もう、陸兎さんったら……」

「こ、こいつら」

「あははは、ま、まあ竜太さん落ち着いて、麦茶は本当に助かりましたから」

 無事に原作を終えた竜太さんは大学受験のため一時的に道場の出入り禁止を言い渡されており、時々こうして差し入れを言い訳に道場に顔を出しに来る事があります。

 本人曰く修行の禁断症状らしいです、どんだけ修行好きなんですか。


 まあここは、お茶を飲んで一息つこうと思い思いに道場の床に腰を落ち着けて麦茶を頂きます。

 あーーーー!冷たい麦茶が美味しい!カラカラだった体に沁み沁み渡る。

 ごく普通のスーパーで売っている麦茶ですが今はどんな高級茶葉より美味しいです。

 ちなみに優さんと竜太さんはというと。

「だからさーあの後はグッといってからバーってするの」

「それなら、ガッといったあとザーの方が良いだろう」

 何やら私の指導方法について熱く議論をしているようです。

 まあ一言、言うならば。

「兄妹ですねえ」


 そうして一息ついてると不意に視線を感じ、そちらを向くと竜太さんがこちらをジーっとこっちを見ていました。

「あの……なにか?」

「ん?あ~いや、凄い格好だなと思って」

「あ゛」


 ししししししししまったーーーーーーーー!!!

 さっきから魔法少女の姿のままでしたあああああああああ!!

「いやー事情を聞いた時に一応変身見せてもらったけど、すぐに変身解いちまったから良く見えなかったんだけどすげーかっこだな」

「あ、あのけしてこれは私の趣味ではなく……」

 うわあああああああ!意識した途端恥ずかしいいいいいいいい!!

「凱の奴とは同じ変身でも違うんだな?」

「あ……いや……その……」

「すげーよな、そんなヒラヒラしてても防御力あるんだよな?」

「え……あ、はい……」

「へーーなあなあそれってどんな「そいやあ!」どけぷ?!」

 あ、竜太さんが優さんに殴り飛ばされた。


「女の子をジロジロ見るなんてマナーがなってないわよ、お兄ちゃん!」

「ひ、人をいきなり殴るのはマナー違反じゃねえのかよ!」

「だまらっしゃい!涼子ちゃんが恥ずかしがってるの分からないの!」

「え?!そうだったのか」

「あははは……こ、この姿を見られるのはちょっと苦手ですね」

 いそいそと変身を解いて元の普通のジャージ姿に戻りました。


「そっか、悪かったな」

「いえ、変身を解くのを忘れた私も悪いんです」

 実際ヒラヒラな見た目からは想像もつかない位に動きやすく体になじみます。

 絹のように滑らかで肌触りも最上級の物です。

 本当に…本当にこんなヒラヒラで無ければずっと来ていたいと思える代物です。


「それより竜太さん大丈夫なんですか?」

 先ほどの優さんの一撃で景気良く吹き飛んでいましたが。

「あ?へーきへーき、大丈夫だって、こいつのへなちょこ拳にやられるほど受験で鈍っちゃいねえよ」

「ちょっと、私の拳がへなちょこだっての!」

「へん、俺を一撃で仕留められなかったのが何よりの証拠だろうが」

「ふん、手加減された事も知らないで!!」

「「………………………………」」

「やんのかこらーーー!!」

「受けて立つ!!」

「ええ!なんで?!」

 行き成りの兄弟喧嘩勃発。

 しかも…

 ズダダダダダダダ!!

「動き早!」

 魔法少女状態の私の目でも追いきれません。


「あはは、竜太君相変わらずだなあ」

「え、笑い事ですかこれ?」

 先ほどから一連の騒動を黙ってみていた陸兎さんが和やかに笑っています。

「最近は竜太君も少し大人しかったから知らないのも無理は無いけど、昔から二人ともあんな感じだったよ」

「は、はあ……でも、大丈夫でしょうか、結構派手な音がしていますが?」

 既に二人の動きは私には追い切れずバキィとかドゴォといった痛そうな音が聞こえるだけです。

「ああ、大丈夫ですよ、もうそろそろ」


「こりゃーーーーなにしとるかーーーーーーー!!!」


 ビリビリビリと空気と震わせる怒声と共に不可視の衝撃波のような物が二人を纏めて吹き飛ばしました。

「ああ、もうそろそって……」

「ええ、そろそろ師範が帰ってくる時間でしたので」

 道場に入り口に居たのは壮年の男性。

 ガッチリとした体格に、岩を連想させる厳つい顔立ち。

 二人の父親『辰宮 竜鉄(たつみや りゅうてつ)』さんの登場です。


「二人とも何をしている」

「「ごめんなさい!!」」

 おお、あれだけ派手に喧嘩していた二人が一瞬で正座姿に。

「竜太ワシは今年いっぱいは受験勉強に励むよう言ったはずだぞ」

「そ、それは……」

「優!喧嘩をするために道場を貸したわけではない」

「お、お父さん!」

「言い訳は聞かん!罰として竜太は数学と英語の問題集を今日中に終わらせる事、優は修行50セットを今日中に終わらせる事」

「「えええええ!!」」

「出来なければ今日の晩飯は抜き!返事は!!」

 雷親父という言葉そのままのドスの利いた声に二人は。

「「はいっ!!」」

 ビシッと敬礼の真似事をしたかと思うと二人ともドピューーン!と擬音が付くような走り方で道場を出て行ってしまいました。


「まったく、仕方のない奴らだ」

「では師範、僕は竜太君を見てきます」

「ああ、竜太の事頼んだ」

「ええ、任されました、では涼子さん失礼します」

「あ、はい」

 陸兎さんも竜太さんを追って道場を出て行ってしまいました。

 後には私と優さんのお父さんが道場に残されました。

 え?何この状況??


 優さんのお父さんである竜鉄さんは戦闘描写こそ少なかったですが原作の中ではトップの戦闘力を持っています。

 パワーインフレの激しい作品でも、その順位は下がる事無く原作終盤での闇の格闘家達との大立ち回りは原作屈指の名場面です。

 質実剛健、不言実行、漢は背中で語るを地で行く人。

 正直何話したらいいのか分かりません。


「涼子さんでしたね、家の息子と娘が失礼しました」

 そんな私の内面とは裏腹に何故か竜鉄さんはドッカリと私の対面に腰を降ろしてしまいました。

「い、いえそんな!」

 岩山の様な身体から発せられる無意識のプレッシャーのような物に押され自然と姿勢を正してしまいます。


「「…………………………」」

 ち、沈黙が気まずい。

「(ここは何か場を和ませるギャグでも言った方がいいのか!)」

 などと、テンパッた事を考えていると。


「すまないな」

「へ?!」

 行き成り謝られましたが、何事ですか?!

「自分は粗忽者でしてな、年頃の女の子を喜ばせるような話は出来ないのだ」

「あ、いえいえ、そんな気を使わないでください」

「ははは、そう言われると少しは気が楽になる」

 そう言って朗らかに笑う竜鉄さんの雰囲気は先ほどと同じように岩山の様でしたが、先ほどは冬の岩山で今は春の岩山の様です。

 先ほどまでのピリピリとした雰囲気とは違い、暖かな雰囲気はどこか優さんと似てる気がします。

 やっぱり親子なんですね。


 それから……

「あの子は学校で元気にやっていますか?」

「はい、友達も多くて私もとてもお世話になっています」

「そうか、それは良かった」

「そういえば、こんな事が……」

「ほう、あの子がそんな事を」

 何となく話した優さんの学園での事に意外と喰いついてきました。



「娘から聞いていると思うが家は少々特殊な道場でな」

「はい、優さんからもそう聞いています」

 少々どころではないですけどね。

「子供達には幼い時から窮屈な思いをさせてきた、やむを得ない事とはいえ修行漬けの毎日で可哀想な事をしたと思っている」

 そう言って眉根を少し下げた顔は子供の事を案じる父親の顔でした。


「息子の方は曲がる事も無く、いささか真っ直ぐすぎると思わなくもないが元気に育ってくれた」

 だが、と竜鉄さんは続けます。

「娘の方はな、親の私が言うのも何だが非常に聞き分けの良い子でな、幼いころからどんな辛い修業を課しても文句一つ言わなかった、息子は何かある度にワシに食ってかかってきたものだが……」

「あーそれは……」

 転生しているからとは言えないよね。

「苦しい戦いの中率先して戦い多くの人々を助けてきた、例えどんな絶望的な状況だろうとも弱音を吐く事無く笑い皆に希望を与えてきた本当に出来た娘だと思う、だがそれ故に無理をしていないか心配でな、こんな風に育ててしまった私を怨んでないかと思ってしまう時がある」

 優さああああん!お父さん勘違いしちゃってますよーーーーー!!

「子供に好かれるような親ではなかったと思う、息子とは拳で語り合い色々と分かり合う事が出来たが、娘は昔から素直に慕ってくれていてな、正直申し訳ない気もするが今更接し方を変えるわけにもいかず、さっきのような厳しい態度をとってしまう」

 何だか、お父さんのお悩み相談室みたいになってきました。


「あ、あの無難な言い方しかできませんが、優さんは恨んだりなんかしてませんよ」

 取りあえず、このしょんぼりしたおじさんを元気付けなければ。

「優さんは嫌いな人にはハッキリと嫌いって言える人ですから」

 俺様生徒会長とか俺様生徒会長とか。

「そうなのか?」

「はい!そうですよ!だから自身持って下さい!」

 というか、このお悩み相談室な雰囲気に私が耐えられません。

「ははは、ありがとう、そう言ってもらえると安心するよ」

「優さんとの接し方もゆっくり考えたらいいですよ、こういった問題はあせっても良い結果はでません」

「そうだな、ゆっくりと子供たちと向き合っていくとしよう」

 そう言って笑うと、どこにでもいる普通のお父さんと変わらないように見えます。

 どこの家庭のお父さんも大変ですね。


「一言言わせて貰うなら優さん達と接する時、少しだけ笑顔を心がけたらどうですか?」

「ふむ、笑顔とな?」

「ええ、さっき笑った時の雰囲気はとても暖かな物でしたから、その雰囲気で話されたらきっと優さんも喜びます」

「……わかった、試してみよう」

 優さんも、お父さんと話せるといいですね。


「それとして、君の修行の邪魔をしてしまったようだな」

「あ、いえ、気にしないでください、余り効果が無くて止めようかと思っていた所ですから」

「そうなのかい?ふむ、少しワシの修行を受けてみる気は無いかな?」

「え、いいんですか!」

「うむ、君さえ良ければ」

 原作最強とも言われる人から教えを受けられるとは!

「ぜひお願いします」

 ひょっとしたら何かしらの進展があるかもしれません。

「うむ、それではまずザッと動いてからゴウっとしてゴキュっとしてだな」

「やっぱり親子ですね!!」



ずいぶん間を開けてしまいました。

ひそかに年内完結を目標にしていましたが、叶いそうにありませんが、これからぼちぼち更新していきます。

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