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猫の王子様  作者: 嶋次郎
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猫の王女様とお話?

フェミニア王女に部屋に呼ばれた新次。女の子の部屋で二人きりの状況にかなり緊張しているようだが大丈夫か?フェミニアは自分に何を話すのだろうか……。

「あの……これはいったい?」


「もっとなでてくれいっただろう?お主のなで方はとても気持ちいのだ」


「はぁ……そうすか……」


俺は今、ミルフィに案内されてフェミニアの部屋に来ている。

この部屋は俺がいたところと違ってさらに豪華な部屋となっていた。

広いし自画像らしき絵画も飾ってあったり、高そうな家具が多くあった。

俺はそういう方面で詳しいほうではないが、素人目にしてもこの部屋のすごさが伝わってきた。


部屋に入るとフェミニアはまた猫の姿となってベッドの上に待機していた。

なぜ猫の姿にまた戻ったのかとたずねると彼女は俺になでてほしいから戻ったらしい。

猫人のきれいな姿で女の子の部屋で二人きりという状況に緊張していたのだが拍子抜けのようだった。

まるで自分が何かを期待していたようで恥ずかしく思った。


そしてフェミニアは乗っているベッドをポンポンと、自分の小さな手でたたいた。

ここに座れという彼女の合図のようだった。


ベッドに腰掛けるとフェミニアが俺のひざにぴょんと乗ってきて今に至るのだ。


俺はフェミニアの頭をなでていると彼女が口を開いた。


「あのときの猫缶はうまかったぞ。私は護衛の者たちとはぐれてしまって、あのまま倒れていたら力尽きていただろう。助けてくれたことに感謝している。本当にありがとう」


「そりゃどうも。君が無事でよかったよ」


スーパーでたまたま買った猫缶がひとつの小さな命を救ったのだ。猫にお礼を言われることになるとは思わなかったがな。


「カラスに襲われてはぐれちゃったんでしょ?本当に災難だったね」


「ああ、あの時はもうだめかと思ったな。われながらよく生きていられたものだ。だが、あのカラスに襲われる出来事がなければ、新次と出会うことはできなかっただろうな。そう思うと、あのカラスには感謝すべきなのかもしれないな?」


フェミニアはあのときの出来事を語る。怖い目にあったというのに原因のカラスに感謝までしている。

俺と出会ったことがそんなにうれしいことなのだろうか。それにしてはなんだか好意を寄せすぎている気がする。


「そうかもしれないね。

そういえば俺はこれからどうなるのかな?テレビで聞いたのだけどパーティーが開かれるようだけど……」


「そうだ。今盛大なパーティーの準備をしているところだ。……今はちょうど5時ごろだな。予定では一時間後に王宮の大広間にて開始される。それまではお前とのスキンシップをとっておくこととしよう」


フェミニアはゴロゴロとのどを鳴らしながら俺の手に擦り寄る。


パーティーは一時間後といっていた。

どうやらそれまでは彼女をなで続けなければいけないようだ。

まだ時間はあるし彼女にこの国のことをいろいろ聞いてみることにする。


「フェミニア、この世界っていったいどんなところなの?俺がここに来るときにチラッと周りを見ただけだからよくわからないし教えてくれないかな?」


「そうだな、少しこの世界について話しておこう。

実はこの世界は人間たちが生まれ始める前から作られたといわれているんだ」


「え!?じゃあ恐竜とかがいた時代にはもう存在していたってことなのか」


「言い伝えだがな。本当のところはよくわからない。

だが、少なくとも人間たちよりは少し早く生まれていたはずだ。だから人間界にない物がこの世界にはあったり、人間界にいない動物がいたりもする。そちらの環境とはまったく別のものなのだ。お主の猫の耳と尻尾もその影響なのだろう」


「そうか。だから急に耳と尻尾が生えてきたのか。……まてよ?」


そこで俺はふと思った疑問がある。


「じゃあ猫たちはいつ人間界にきたの?もしかしたら猫たちも人間界に来たときに何かしら変化があったのかい?」


「変化といってもたいした物ではない。猫人の姿になることができなくなるだけだ。

そして、初めて猫が人間界に行ったのは、この世界で禁じられた恋をして追放された猫だ。」


「禁じられた恋?」


「そう。禁じられた恋、貴族と平民の恋愛だ」


「え?」


「貴族というのは貴族同士でしか結婚することができないのだ。王族は王族と。平民は平民と。

この方程式は絶対だった。現在はできるだけ本人たちの意見を尊重し、結婚をしようとしているが、現実はそうでもないがな」


どうやら過去の話らしい。最後の言葉からそういうケースはいくつか出ているようだがあまり適用されてないようだ。


「その二人はラリルとメミムというらしい。二人は人間界に追放され、途方にくれていた。エサもなく、初めての世界で味方はいなかった。しかしそこに救世主が現れたのだ。毛むくじゃらのサルだった」


サルかよ……人間じゃないのか……。


「どうした?がっくりした顔をして」


「い、いや……なんでもないよ」


少し出鼻をくじかれた気分になった俺に疑問を抱いて上目づかいに俺を見てきた。

そのしぐさがあまりにかわいかったので頭を俺はなでくり回した。


「ふにゃ、新次どうした?いきなりなでる気をおこすなんて」


「今のしぐさがかわいかったからついね」


「……そうか。じゃあ続けるぞ」


そう言ってうつむいてしまった。もう少し堪能したかったのだけど残念だ。

さきほどのように俺はゆっくりとなでていく。


「そのサルに助けられたラリルとメミムはお互いを愛し合い、子供を生み、人間界で繁栄していったそうだ」


禁断の恋。

絶対に相容れることのない二人が愛し合い、新しい世界を作りだす。それが今の人間界とこの猫の世界が共存しているということだ。


あのサルはきっと人間が進化する前の段階のときなのだろう。

なんとかサピエンスといったような記憶があるがよくは覚えていない。


「そうだったのか、なんだかロマンチックな話だね。貴族と平民、追放されてまで譲らなかった二人の愛の絆は揺るがないものだったんだろうね」


「そうだな、新次がそんなロマンチストだとは思わなかった。なかなか良い感性をしているじゃないか」


「はは、ありがとね」


そういって俺は笑う。

フェミニアとはあったばかりだったが、明るい性格、きれいな容姿、言葉の使い方に俺は好印象を持っていた。王女という立場の彼女を考えてみるとなんともおかしな話である。


まるで伝説の貴族と平民のようだな。結婚はしてないけど。


コンコン。


そう考えていると誰かが扉をたたく音が聞こえた。


「お嬢様、パーティーのご用意ができました。お着替えのお手伝いをいたします」


「うむ、ご苦労だリアス。入って良いぞ」


「失礼いたします」


そう言って入ってきたのは、猫人のメイドさんだった。

リアスと呼ばれたメイドさんはベッドの前まで来る。


「はじめまして。私この王宮のメイド長をしているリアスと申します。御用の際はなんなりとお申し付けください」


「俺は荒川新次です。よろしくお願いします」


丁寧な言葉遣いの人だった。

よく見ると俺が見てきたメイドさんたちと服が少し違った。

エプロンや着ている服は色が違ったり、形が違うなどといった特徴があった。


「ではお嬢様、猫人に変化してください」


そういわれフェミニアは俺のひざの上から飛び降りる。

名残惜しかったのか、飛び降りる前に俺の顔をチラッと見たようだった。

そのチラ見もポイントの高いもので少しにやけてしまったかもしれない。


「では新次。少し廊下で待っていてくれないか?すぐに着替えていくから」


「ああ、わかった」


俺はベッドから立ち上がりそのまま部屋を後にした。


女の子の着替えは長いと聞いたことがあるので俺は覚悟して待つことにした。

彼女の着替えが終わるまではパーティーで何をするのか考えながら過ごすことにしよう。

☆リアス

年齢……不明/メイド長


身長……164cm


髪……茶髪の肩までつかないくらいの長さ


猫の種類……ラグドール

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