第22話 体育祭三日目②
大放出!
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「よっし!進め進めー!」
心の野郎が楽しそうに大きな声を出す。
うるせえ。
そんで、俺らの前を走る他のクラスの男子共。
だいたい20人くらいか。
(おい!なんで間宮さんがいるんだよ!)
(知るかっ!)
(お前が行くように言わなけりゃ!)
(良いから黙って先陣をきれ!前は敵陣、後ろには鬼だぞ!)
……何か言ってるが無性に腹立つな。
「ははは、たまには使えるな犬」
「俺は何もしてねぇっつの」
L字校舎を曲がりさらに直進する。
「横溝のおかげで狙撃は無いなっと!」
玲が天井裏から出た三年の頭を撃つ。
これで3人目だ。
他のクラスの野郎が何人か犠牲になって階段に到達する。
「駈け降りろー!」
三階の方の階段にいた三年2人をあっさりと撃って心が叫ぶ。
俺する事ないな。
一階まで降りたが不思議と一年はいない。
そのまま体育館の方へ突っ込む。
---ダダダダダダダダダダダダタッ
「「「っ!?」」」
咄嗟に廊下に転がり込む。
今のはガトリング砲かよ。
なんてモンまで用意してんだこの学校は!
「あっちゃー全滅かー」
心が顔を少し出して覗く。
「えげつねー」
玲と心と俺以外は血糊で赤くなったまま起き上がろうとする。
「あんなの有りか?」
「反則だろ」
「うわベットベト」
「しゃーねー死体小屋に向かうか」
「間宮さん頑張ってくださいね」
そう言ってゾロゾロと死体が歩く。
なんのホラーだよ。
「しかし盾が無かったら危なかったな」
玲が死体を笑って見送りながら言う。
「で、どうするー?」
そんなもん決まってるだろうが。
「人海戦術だ」
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「うわー、これはひどいわね」
「この三人が残ったのは幸運だな」
橙加と来人がモニターを見て言う。
「横溝、そっちからはどうだ?」
『少し厳しいな。ここからは銃身しか見えないし、狙撃兵が5人いた内まだ2人残っていて警戒されてる』
「そうか、とりあえず戻ってきてくれ」
『OK』
来人がそう言って無線機を置く。
ちなみにモニターやカメラ、無線機などは来人が用意した物だ。
「心?」
『はいはい』
「何をしている?」
来人はモニターを見ながら訊く。
モニターには凌が一年の教室に入っていくところだった。
『んー、人海戦術?』
え?もしかして一年生を利用するの?
「そんなの一年生がかわいs「よし良い判断だ」来人!」
全然良くないよ!
来人が僕を無視して、手帳から何枚か切り取り、それぞれを小さく畳んで誰かの名前を書く。
そしてそれを男子生徒に渡して言う。
「コレを渡して来て「11時になったら全軍突撃しろ」と言ってきてくれ。後、狙撃銃を貰って来てくれ。絶対に中は見るなよ」
来人は時間を確かめ言う。
今は10時50分だ。
「分かった」
男子生徒は教室を飛び出して行く。
「心」
『ん?』
「突撃は11時ジャストだ。一年生全員に突撃させろ」
『OKー』
そう言って無線を切ると徴が戻ってきていた。
「来人、ところであの紙は何?誰に言いに行ったの?」
「内容は極秘だ。行き先はB組、C組の代表者だな」
来人、また人を脅してるな。
「稲嶺!二組とも快く引き受けてくれたぞ!」
さっき行った男子が狙撃銃を二本持って教室に戻る。
「よし。ご苦労様。後は時間を待つだけだな」
そう言って来人は狙撃銃を受け取り、茅依ちゃんに一本渡す。
「え!?私?」
茅依ちゃんは驚きながら狙撃銃を受けとる。
「ただ持っていてくれるだけで良い」
「うん……」
渋々了承する茅依ちゃん。
「じゃあ、気を引かれた狙撃兵をしとめるぞ横溝」
「アイサー」
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---AM11:00
「全軍突撃!!。」
心が叫ぶ。
すると一斉に教室から一年生が飛び出し、廊下が一杯になる。
上からも足音が聞こえるから、二年も行くらしい。
「人がゴミのようだな」
「まったくだ」
階段の踊場でその光景を見ながら呟く。上からも二年がなだれ込み、俺らは場所を空けた。
----ダダダダダダダダダダダダタッ
----ダダダダダダダダダダダダタッ
----ダダダダダダダダダダダダタッ
ガトリング砲の音が何度も響くが、どうやらこっちのほうが勝っているみたいだ。
しばらくすると制圧したのか音が止む。
反対側の体育館の入り口の方には、ガトリング砲は無いようで三年生が待ち伏せているが、それも問題ないだろう。
「よし、そんじゃ行くか」
「足引っ張んなよ。犬」
階段を降りて流れに続く。
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「ちょっとちょっと!どうなってんのよこれ!」
詩音が叫ぶ。
「知るか!私が訊きたいよ!」
2つある体育館の入り口から一、二年生が大量に流れ込んでくる。
ガトリング砲も制圧されて使えない。
「愛加!何とかして!」
「無理!」
このままでは、体育館の放送室にあるポイントが撃たれるのは時間の問題だ。
一、二年生が体育館の真ん中当たりまで迫ってくる。
三年生総出で撃って、向こうも大量に戦死者が出ているのに一向に減る様子がない。
「こりゃ駄目かな」
さすがに諦めかけた私に光明がさす。
『三年生、撤退しなさい』
「「「っ!?」」」
三年生が撤退し、ステージ前のバリケードに隠れる。
すると上から巨大な風船みたいな物が落ちてくる。
----バチンッ、ブシャーーーッ
体育館中が赤く染まり、一、二年生たちの動きが止まる。
訳も分からず辺り一面の赤を呆然と眺める。
『それは爆弾だ。つまり君たちは戦死した。散れっ死体共!』
「「「うおぉーーーっ!」」」
三年生の男子が雄叫びをあげる。
……いや、私もあげてるが。
一、二年生たちはゾロゾロと引き下がっていく。
どうやらほとんどが戦死したようだ。
「さっすが!ジョージ・マルk」
---パンッ
「ごめんなさい。もう言わないから撃たないで」
お腹が真っ赤に染まった櫻井が涙目で謝る。
味方にも城島流子は容赦ない。
「とにかく、生存者の点呼をしてください。すぐに立て直しますよ」
「よーし!俺に報告しろ!」
会長がみんなをまとめる。
つーか、東雲生きてたのか。
早く死ねよ。
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「あーあ、みんな死んじゃったねー」
「危ねぇな」
「あれは卑怯だって」
俺と心が死体に紛れてガトリング砲を持ち運ぶ。
玲も何とか無事だったらしい。
……別にどうでもいいけどな。
『心?』
「あ、とってやるよ。もしもし?」
手が塞がっている心の代わりに玲が無線機をとる。
『玲か、大丈夫だったのか?』
「ま、一応こっち3人と、あと何人か無事みたいだな」
『そうか、とりあえず戻ってきてくれ。さっきから気になってるんだが、それガトリング砲か?』
来人がモニターに映っていたらしいガトリング砲に気付いて訊いてくる。
玲は笑って答える。
「どさくさに紛れてパクってきた」
『でかした。とりあえず向こうもだいぶ減ったようだし、近くにいる生存者にガトリング砲を任せといてくれ』
「はいはーい」
玲は無線を切る。
「そこの生き残り、任せたぞ。三年が来たら思いっきりぶちかませ」
「はいっ!」
……言うこと聞くのはいいが、なんで敬礼する。
軍隊じゃねぇんだぞ
「あははははは」
とにかく俺らは教室に戻った。
===残存兵数===========================
◆一年生----全滅
◆二年生
A組----《教室》
ミー、来人、橙加、茅依、徴
他男子9名、女子15名
《廊下》
凌、心、玲
B組----《廊下》
2人(ガトリング砲)
C組----全滅
D組----36人
E組----23人
◆三年生
山田会長、東雲副会長、櫻井会計
城島書記、愛加、詩音
他男子26人、女子12人




