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僕は僕だから僕なんだ  作者: 深雪林檎
◆第二章
49/52

第22話 体育祭三日目②



大放出!


20話~23話一気に更新!


20話から読みましょう!


「よっし!進め進めー!」


心の野郎が楽しそうに大きな声を出す。

うるせえ。

そんで、俺らの前を走る他のクラスの男子共。

だいたい20人くらいか。


(おい!なんで間宮さんがいるんだよ!)


(知るかっ!)


(お前が行くように言わなけりゃ!)


(良いから黙って先陣をきれ!前は敵陣、後ろには鬼だぞ!)


……何か言ってるが無性に腹立つな。


「ははは、たまには使えるな犬」


「俺は何もしてねぇっつの」


L字校舎を曲がりさらに直進する。


「横溝のおかげで狙撃は無いなっと!」


玲が天井裏から出た三年の頭を撃つ。

これで3人目だ。

他のクラスの野郎が何人か犠牲になって階段に到達する。


「駈け降りろー!」


三階の方の階段にいた三年2人をあっさりと撃って心が叫ぶ。

俺する事ないな。

一階まで降りたが不思議と一年はいない。

そのまま体育館の方へ突っ込む。



---ダダダダダダダダダダダダタッ



「「「っ!?」」」


咄嗟に廊下に転がり込む。

今のはガトリング砲かよ。

なんてモンまで用意してんだこの学校は!


「あっちゃー全滅かー」


心が顔を少し出して覗く。


「えげつねー」


玲と心と俺以外は血糊で赤くなったまま起き上がろうとする。


「あんなの有りか?」


「反則だろ」


「うわベットベト」


「しゃーねー死体小屋に向かうか」


「間宮さん頑張ってくださいね」


そう言ってゾロゾロと死体が歩く。

なんのホラーだよ。


「しかし盾が無かったら危なかったな」


玲が死体を笑って見送りながら言う。


「で、どうするー?」


そんなもん決まってるだろうが。


「人海戦術だ」







--------------------------------------






「うわー、これはひどいわね」


「この三人が残ったのは幸運だな」


橙加と来人がモニターを見て言う。


「横溝、そっちからはどうだ?」


『少し厳しいな。ここからは銃身しか見えないし、狙撃兵が5人いた内まだ2人残っていて警戒されてる』


「そうか、とりあえず戻ってきてくれ」


『OK』


来人がそう言って無線機を置く。

ちなみにモニターやカメラ、無線機などは来人が用意した(させた)物だ。


「心?」


『はいはい』


「何をしている?」


来人はモニターを見ながら訊く。

モニターには凌が一年の教室に入っていくところだった。


『んー、人海戦術?』


え?もしかして一年生を利用するの?


「そんなの一年生がかわいs「よし良い判断だ」来人!」


全然良くないよ!

来人が僕を無視して、手帳から何枚か切り取り、それぞれを小さく畳んで誰かの名前を書く。

そしてそれを男子生徒に渡して言う。


「コレを渡して来て「11時になったら全軍突撃しろ」と言ってきてくれ。後、狙撃銃を貰って来てくれ。絶対に中は見るなよ」


来人は時間を確かめ言う。

今は10時50分だ。


「分かった」


男子生徒は教室を飛び出して行く。


「心」


『ん?』


「突撃は11時ジャストだ。一年生全員に突撃させろ」


『OKー』


そう言って無線を切ると徴が戻ってきていた。


「来人、ところであの紙は何?誰に言いに行ったの?」


「内容は極秘だ。行き先はB組、C組の代表者だな」


来人、また人を脅してるな。


「稲嶺!二組とも快く引き受けてくれたぞ!」


さっき行った男子が狙撃銃を二本持って教室に戻る。


「よし。ご苦労様。後は時間を待つだけだな」


そう言って来人は狙撃銃を受け取り、茅依ちゃんに一本渡す。


「え!?私?」


茅依ちゃんは驚きながら狙撃銃を受けとる。


「ただ持っていてくれるだけで良い」


「うん……」


渋々了承する茅依ちゃん。


「じゃあ、気を引かれた狙撃兵をしとめるぞ横溝」


「アイサー」






--------------------------------------





---AM11:00



「全軍突撃!!。」


心が叫ぶ。

すると一斉に教室から一年生が飛び出し、廊下が一杯になる。

上からも足音が聞こえるから、二年も行くらしい。


「人がゴミのようだな」


「まったくだ」


階段の踊場でその光景を見ながら呟く。上からも二年がなだれ込み、俺らは場所を空けた。



----ダダダダダダダダダダダダタッ


----ダダダダダダダダダダダダタッ


----ダダダダダダダダダダダダタッ



ガトリング砲の音が何度も響くが、どうやらこっちのほうが勝っているみたいだ。

しばらくすると制圧したのか音が止む。


反対側の体育館の入り口の方には、ガトリング砲は無いようで三年生が待ち伏せているが、それも問題ないだろう。


「よし、そんじゃ行くか」


「足引っ張んなよ。犬」


階段を降りて流れに続く。








--------------------------------------





「ちょっとちょっと!どうなってんのよこれ!」


詩音が叫ぶ。


「知るか!私が訊きたいよ!」


2つある体育館の入り口から一、二年生が大量に流れ込んでくる。

ガトリング砲も制圧されて使えない。


「愛加!何とかして!」


「無理!」


このままでは、体育館の放送室にあるポイントが撃たれるのは時間の問題だ。

一、二年生が体育館の真ん中当たりまで迫ってくる。

三年生総出で撃って、向こうも大量に戦死者が出ているのに一向に減る様子がない。


「こりゃ駄目かな」


さすがに諦めかけた私に光明がさす。


『三年生、撤退しなさい』


「「「っ!?」」」


三年生が撤退し、ステージ前のバリケードに隠れる。

すると上から巨大な風船みたいな物が落ちてくる。




----バチンッ、ブシャーーーッ




体育館中が赤く染まり、一、二年生たちの動きが止まる。

訳も分からず辺り一面の赤を呆然と眺める。


『それは爆弾だ。つまり君たちは戦死した。散れっ死体共!』



「「「うおぉーーーっ!」」」


三年生の男子が雄叫びをあげる。

……いや、私もあげてるが。


一、二年生たちはゾロゾロと引き下がっていく。

どうやらほとんどが戦死したようだ。


「さっすが!ジョージ・マルk」



---パンッ



「ごめんなさい。もう言わないから撃たないで」


お腹が真っ赤に染まった櫻井が涙目で謝る。

味方にも城島流子は容赦ない。


「とにかく、生存者の点呼をしてください。すぐに立て直しますよ」


「よーし!俺に報告しろ!」


会長がみんなをまとめる。

つーか、東雲生きてたのか。

早く死ねよ。







--------------------------------------






「あーあ、みんな死んじゃったねー」


「危ねぇな」


「あれは卑怯だって」


俺と心が死体に紛れてガトリング砲を持ち運ぶ。

玲も何とか無事だったらしい。

……別にどうでもいいけどな。


『心?』


「あ、とってやるよ。もしもし?」


手が塞がっている心の代わりに玲が無線機をとる。


『玲か、大丈夫だったのか?』


「ま、一応こっち3人と、あと何人か無事みたいだな」


『そうか、とりあえず戻ってきてくれ。さっきから気になってるんだが、それガトリング砲か?』


来人がモニターに映っていたらしいガトリング砲に気付いて訊いてくる。

玲は笑って答える。


「どさくさに紛れてパクってきた」


『でかした。とりあえず向こうもだいぶ減ったようだし、近くにいる生存者にガトリング砲を任せといてくれ』


「はいはーい」


玲は無線を切る。


「そこの生き残り、任せたぞ。三年が来たら思いっきりぶちかませ」


「はいっ!」


……言うこと聞くのはいいが、なんで敬礼する。

軍隊じゃねぇんだぞ


「あははははは」


とにかく俺らは教室に戻った。





===残存兵数===========================


◆一年生----全滅


◆二年生

A組----《教室》

    ミー、来人、橙加、茅依、徴

    他男子9名、女子15名

    《廊下》

    凌、心、玲

B組----《廊下》

    2人(ガトリング砲)

C組----全滅

D組----36人

E組----23人


◆三年生

山田会長、東雲副会長、櫻井会計

城島書記、愛加、詩音

他男子26人、女子12人

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