第1話 退院
一応これより二章という事で。
ちょっと区切りが悪いかもしれませんが。
「あ、ミー君、燈加さん」
茅依ちゃんが僕らに気付いて、笑顔で手を振る。
腕に包帯を巻いているけど、他の見えるところには巻いていない。
「こんにちは茅依ちゃん。迎えに来たよ」
「ありがとう」
茅依ちゃんがクスクスと笑う。
今は日曜日のお昼過ぎで今日が退院日だ。
「いつも来てくれてありがとうね」
「そんなの気にしなくて良いわよ」
燈加が答える。
元々僕のせいだしね。
別に卑屈になってるわけじゃないけど。
あれから毎日茅依ちゃんのお見舞いに来ている。
玲たちもたまに一緒に来たけど今日は用事があるらしい。
玲と心は部活、凌は『店』、来人は鈴木(仮)君に用があるらしい。いったい何の用だろうか。ま、いっか。
「じゃあ早く帰ろ?」
僕たちは病院を出て帰宅する。
病院から家までは徒歩15分。
たわいない話をしながら歩く。
「柑奈?」
マンションに入り、部屋のある階まで来ると燈加が声を上げる。
その声を聞いて部屋の前を見ると柑奈がドアに寄りかかっていた。
柑奈も燈加の声でこっちに気づく。
「あ、燈加。どこ行ってたの?せっかく久し振りに遊びに来たのに留守だし」
柑奈が不満を漏らす。
そして僕と茅依ちゃんを見る。
「ん?その2人は友達?」
「あ、同じクラスの桐生茅依です」
茅依ちゃんが自己紹介をする。
それに対して柑奈も返す。
「水端柑奈。中3。よろしくねっ……で、そっちは?」
僕を見て聞く。
僕と燈加は笑っていた。
茅依ちゃんも何となく状況が分かったのか、苦笑している。
「柑奈、気付かない?」
「何に?それにミーは?どっか行ってるの?」
「僕はここにいるけど」
「は?」
柑奈が怪訝な顔をする。
僕は笑いながら説明した。
「それじゃあ、茅依さんの退院を祝ってカンパーイ!!」
燈加の掛け声で僕たちはグラスで音をたてる。
中身はお酒……にしようとした燈加を止めてジュースだ。
テーブルには燈加が作った料理が並んでいる。
結局昼は4人で過ごした。
柑奈はしつこいくらいブツブツと文句を言って僕の髪の毛をいじったりしてきた。
そして夕食。
「あ、ありがとう」
茅依ちゃんは照れくさそうにしている。
柑奈はついでに便乗して料理を頬張っている。
「相変わらず燈加の料理はおいしいね」
「ありがとう柑奈」
「あんまり食べると太るよ」
「ミーうるさいっ」
「はははっ」
楽しく食事する。
マナーも何もあったもんじゃないけど、こんな食事も悪くないかも。
食事を食べ終わったら燈加がケーキを持ってきた。
ショートケーキにチョコレートケーキ、モンブラン、チーズケーキetc.
たくさんの小さなケーキ。
「これ燈加が作ったんだよ」
僕は茅依ちゃんに教えてあげる。
「えっ!燈加さんが作ったの?」
茅依ちゃんが目を丸くして驚きの声を上げる。
市販の物みたいに整った形をしていながらも見た目にもこだわっていて、朝見たとき僕も驚いた。
こんな事も出来たんだと思った。
「私ショートケーキ!!」
「柑奈、今日の主役は茅依さんよ」
目を輝かせて手を伸ばす柑奈を燈加がたしなめて手を叩く。
「はーい」
柑奈は叩かれた手を振りながら大人しく引き下がる。
「茅依ちゃん選びなよ」
「うん、じゃあ私モンブラン」
そう言って手を伸ばす茅依ちゃん。
僕もケーキに手を伸ばす。
「じゃあ僕はショートケーキで」
「ちょっとミー!?それ私のっ」
柑奈が椅子から立って大きな声をあげる。
「早い者勝ちだよっ」
僕は舌を出してからかう。
「燈加ー、ミーがいじめるっ」
「はいはい」
隣にいた燈加に泣きつく柑奈。
それを笑いながら慰める燈加。
茅依ちゃんもクスクス笑っている。
そろそろからかうのを止めてあげよう。
「はい、柑奈。食べなよ」
僕が柑奈の前にケーキを置くと、柑奈が振り向く。
「……ミーのくせに生意気だ」
「ん?」
ふてくされて何やらブツブツと言っている。
「何でもないっ!!」
と思ったら今度は怒ったように言う。
ちょっとからかい過ぎたかな?
「「「「ごちそうさまでした」」」」
「あーおいしかったー」
食べ終わってすぐソファーに寝転ぶ柑奈。
「柑奈、行儀悪いわよ」
「だってお腹いっぱいだもん」
お腹を押さえて言う。
「欲張って何個も食べるからよ」
「だっておいしいんだもん」
そんなやりとりを聞きながら僕と茅依ちゃんは食器を片付ける。
普段からの役割分担だ。
燈加が食事を用意して、僕と茅依ちゃんが片付ける。
たまに茅依ちゃんも燈加を手伝っているけど。
教えてもらってるみたいだ。
「柑奈ちゃんって良い子だよね」
皿を洗いながら柑奈を見て茅依ちゃんが言う。
今は燈加にくすぐられて笑っている。
「そう……なのかな?」
食器を流しに運びながら僕は苦笑して答える。
食い意地が悪くて、寝坊助で、行儀が悪くて我が儘。
でも可愛いとこはあるけど。
「素直で可愛いと思うよ。今のミー君みたいに」
茅依ちゃんが笑って言う
「からかわないでよ」
「ほんとの事だもん」
茅依ちゃんは笑って手を動かす。
「ふん」
僕はそっぽを向く。
そのまま背を向けるようにして作業を黙ってしばらく続ける。
もちろん怒ってなんかいない。
「茅依ちゃん」
「何?」
少し経って話しかける。
お互いに顔は動かさずに話す。
「……ありがとう」
茅依ちゃんは何も言わなかった。
何度か繰り返したやりとりだから。
「柑奈、そろそろ帰ったら?」
8時過ぎに燈加が言う。
「んー、今日は泊まってくー」
ソファーに寝転んで答える。
また泊まる気か……
「どこに泊まるの?」
「この前の空いてる部屋借りるー」
「あ」
燈加の問いに眠たそうに答えと茅依ちゃんが声を上げる。
見たら気まずそうに笑っていた。
「あはは」
ひと騒ぎして、柑奈は燈加と寝ることになりました。
はい二章の始まりでしたー。
前書きに書いたように区切りが悪いような気もしますが(汗)
まぁ深いことは気にせずいきましょう。
気にしたら負けです。
えー、昨日はSSをすぐに投稿するつもりだったんですが。
寝ちゃいましたっ☆
すみません。
起きたら30分過ぎてました。
すぐ投稿しました。
後書き書けませんでした(ノ△T)
というわけで、すみませんでした。
えーそして驚いた事が1つ。
昨日の投稿分ですが、びっくりしましたね。
アクセス数がいつもの3倍以上でした!
いったい何があったんでしょう。
いきなり過ぎてほんとびっくりですよ。
これが多いか少ないか分かりませんが、いつも平均40ちょっとなのに120超えてましたよ。
もちろんユニークの方です。
PVは普段300そこそこなのが1000を楽に越えてましたよ。
いやー嬉しいです。
やる気が出ますね。
実際のところ、どのくらい読んで頂いているのか分かりませんが、数字で出てるだけでもかなり嬉しいです。
これからも頑張ります。
とまぁ、やる気が上がったのは良いんですが。
ここからが悩みどころですね。
一章は方針が定まっていたので良かったんですが、二章からはほぼ自由ですからね。
あれですよ。
自由研究みたいなもんですよ。
何でもやっていい、みたいに言われたら逆に何していいか分からない。
これをして来いっていう、問題集の方がある意味楽ってやつですよ。
そういう状態ですね。
とりあえず方針は定めたので大丈夫ですが。
これから悩む事が多そうです。
でもその分楽しめそうです。
そう言えば鈴木(仮)ストーリーは如何でしたでしょうか。
ぶっちゃけたところ即興作品ですが。
まあ本編もほとんど即興ですが(笑)
楽しめた方が1人や2人でもいらっしゃれば良かったです。
所詮は鈴木(仮)ですから(笑)
まあしばらく間は空きそうですがまた書く予定です。
2話でもう本編の進行に追いついたので。
忘れた頃にやって来ると思います。
それでは今日もこの辺で。
今日のアクセス数も多いことを祈ります。
願わくば常に上昇しますように。
ではでは(・ω・´)ノシ




