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僕は僕だから僕なんだ  作者: 深雪林檎
◆第一章
23/52

第22話 本当の姿で

「今日は良い天気ね」


燈加が校門の前で大きく伸びをする。


「それは良いんだけど、何だか視線が気になるよ」


周りの生徒は僕の事をすれ違い様に、遠巻きに、後ろからと見てくる。


「仕方ないわよ。その頭じゃね」


「昔はこんな反応されなかったのに」


僕は涙目で言う。

僕は今ウィッグを被っていない。

つまりアッシュブロンドの髪がそのまま出て肩まで伸びている。

そのためかみんなにジロジロと好奇な目や奇異な目で見られる。

しばらくは我慢かな。


「おい、あの娘誰だよ」

「可愛いなぁー転校生かなー」

「転校生は柊だろ」

「持ち帰りたいなぁ」

「どっちもアリだな」

「むしろ両方欲しい」


……し、しばらくは我慢かな。

ていうか僕男なんだけど。








「おっはよー、柊っちー」


「おはよう神崎君」


燈加が教室に入ると心の声が聞こえる。

僕は燈加の後に続いて入る。


「おっはよ…………えっと、転校生ー?」


心が困った顔をする。

やっぱり分からないもんなのかな。

教室にいたクラスメートも心の大きな声で僕に気付く。


「おはよう心」


僕は自分の席、つまり心の右隣に座る。

燈加も僕の右隣の自分の席に座る。


「え?」


「まだ分からないの?」


僕は苦笑してしまう。


「ミリー?」


心の前に座っていた来人が驚いた顔で言う。


「おはよう来人」


僕は笑って返す。


「ええええええぇぇぇっっ!?」


途端にクラス中が大声を上げる。


「どうしたんだよ雪村!?」

「本当に雪村君なの!?」

「それカツラ!?」

「今日敬語じゃないね!?」

「僕と付き合っ…へぶしっ!?」

「「「死ねっ」」」

「それ地毛なんだ!」

「雪村ハーフだもんなぁー」



一斉に質問されて僕は少しずつ答える。

途中で鈴木(仮)君が何か言おうとしてたけど、周りの人に殴られて気絶していた。


「騒がしいわよ!はい席着いて!」


やがて担任の島田先生が入って来る。

クラスメートは文句言いながらも席に座る。


「ちょっと、そこの……なんていう名前だっけ?「「「知りません」」」……とにかく邪魔だから何とかして」


島田先生の指示で横溝君によって自分の席へと引きずられる鈴木(仮)君。

大半の生徒が即答する上に、担任でさえも知らないなんて。


「じゃあHRを始め……る前に雪村君。その頭は何ですか?」


「地毛です」


「地毛なら良いわ。じゃあHRを始めます」


地毛なら良いんだ。

まあ、前でずっと寝ている金髪の凌でさえ地毛で通ってるんだけど。

普通に染めてるけど。




HRでは主に茅依ちゃんの話題だった。

交通事故にあったこと。

来週には学校に来れそうな事。

先生よりも燈加よりの方が詳しいようだった。









「あ、起きた?」


目を覚ますとすぐに燈加の声がした。

僕の布団に入って隣にいた。

場所は自分の部屋。

時刻は朝の6時30分頃。


「…おはよう」


「おはよっ」


体を起こして僕が目を擦りながら挨拶すると笑って燈加が返す。


「あれ?そういえばなんで自分の部屋にいるんだろう」


確か病室で泣き疲れて寝ちゃった気がする。

燈加も体を起こして隣に座る


「私が運んで来たのよ」


「燈加が!?」


「ミー君軽いから結構楽だったわよ」


「……小さくて悪かったね」


「ごめんごめん」


「別に気にしてないけどね。運んでくれてありがと」


「ふふっ」


突然燈加が笑い出す。


「な、何?」

「ううん。やっとミー君が戻ってくれた、って思って」


「あ……ごめん」


「もういいのよ」


そう言って僕を抱きしめてくれる。

暖かくて、優しくて、思いやりがあって、まるで母親のように。


「うん」


僕はしばらくそのままでいた。




「茅依ちゃんだけどね、そんなにケガもひどくなくて日曜日には退院できるみたい。といってもしばらく包帯は巻くみたいだけど。あっ、傷は全然残らないんだって。私みたいにねっ」


最後は笑って言う。

そういえば前に見てしまった時も全然気づかなかったし。


「そうなんだ。良かった」


僕はほっと息を付く。

昨日は元気そうに接してくれていたけど、大丈夫そうで本当に良かった。

「だから日曜日迎えに行こうね。学校終わった後にもお見舞いにね」


「うん。病室って退屈そうだしね」


今日は木曜日だから後3日か。

茅依ちゃんにまたちゃんと言わなきゃ。

謝罪と感謝の両方を。


「あと、ミー君」


「何?」


燈加さんが泣きそうな顔で笑いながら言う。


「誕生日プレゼントありがと」










「何で隠してたかなー」


「う、ごめん」


昼休み。屋上にて玲に説教されている。

心たちは購買に昼食(僕のも)買いに行ってて、僕は玲に先に連れてかれている。

少し離れた所で燈加がクスクスと笑っている。


「全く別人じゃんかー。髪の毛も喋り方も違うし」


「ごめんなさい」



「昨日のは一体何なのさー。みんな心配したんだぞっ」


「ごめんなさい」


僕は下を向いてずっと謝りっぱなしだ。


「だいたい何で下向いてんだよっ」


「……ごめん」


僕は少し顔を上げて目で玲をみる。


「うっ!その顔は反則……」


「?」


玲が何故か顔を赤くしている。


「良いからこっち見るなー」


どうすれば良いんだろう。

燈加を見たらさっき以上に笑っ……ニヤニヤしていた。




「おっまったせ~」


少しして心が手にパンを持って来る。

その後ろに来人が付いてくる。


「ありがと。凌は?」


僕は心からパンを貰って尋ねる。


「トイレだ。先に食っていよう」すると来人が答える。

僕たちは食べ始めた。


「しっかし驚いたねぇー。ミリーがいきなりこんなんだもんなー」


「さすがに朝は驚いた」


「ははは、ごめん」


「柊っちは知ってたんだよなー?」


「ええ、知ってたわ。だって私たちどう…」


「いとこだからね」


僕は燈加の話を遮る。

絶対今『同棲』って言おうとしたでしょ!?


「まぁでもいいんじゃないか?」


「来人、気にしないでくれるの?」


「別に気にすることはないだろう。どんなんでもミリーはミリーだからな」


来人が大したことはないといったように答える。

僕は僕……か。

茅依ちゃんの言葉を思い出す。

うん、僕は僕だから僕なんだ。


「俺も気にしてないよっ。玲もそうだろ?」


「まあね」


心の言葉に玲は横を向いて答える。


「みんなありがとう」


僕は感謝の気持ちを言った。

素直な気持ち。偽りのない気持ち。


「茅依もすぐ受け入れると思うよ」


照れくさそうに玲が言う。


「あら?茅依さんは知ってるわよ」


燈加さんがさらっと返す。


「やっぱり納得できなーい!!」


玲がふざけて暴れる。

僕たちはみんな笑っている。

良かったみんな受け入れてくれて。



「あー、待たせたな」


入り口から不意に凌が現れる。

僕らは動きが止まる。


「あ?どうしたんだよ。全員して固まって。ん?その変な頭の誰だよ。転校生か?……て、おい誰か反応しろよ。おいっ!」



僕たちは大爆笑した。

心の底から、気持ちに素直に。




ごめん凌。ずっと寝てたから忘れていたよ。

僕は心の中で謝った(笑)


はい22話でした。

SSの2話も投稿したので見てくださいね。





また体調が悪いです。

しかもバイト中に急変する始末です。

もう立つのもきついくらい頭痛と吐き気がしてひどいです。

今は横になってるので少しマシです。

早く寝たいですね。

予約投稿を同じ時間にすると順不同で投稿されるらしいです。

今回は先にこっちを読まないといけないので日付が変わったらSSをすぐに投稿します。

なので後1時間半寝れません。

まだ10時30分なので。

何でこんな時に限って2話も投稿するなんて言ったんでしょうか。

あーあ。







さて帰宅するのもしんどかったのですが。

今日は星が凄く綺麗でした。

オリオン座ばっちり見えましたよ。

自宅のある通りまで来たら、家のある方向の道の真ん前にありましたよ。

一瞬だけ気が紛れましたね。一瞬だけ。


星は良いですね。

癒されます。

普段なら自宅に戻らず天体観測するのですが。

その辺のベンチで。

今日はそんな余裕なんかなかったです。

残念です。

午前二時に踏み切りに望遠鏡担いで行きますよ。

あ、この辺に踏み切りありませんでした。

望遠鏡も持ってませんでした。









そういえば、出ましたね。横溝君。

初めてモブキャラに名前がつきました。

横溝君……どんなキャラになるのでしょうか。

創作意欲に駆られますね。

ランクとしてはモブ以上鈴木(仮)以下ってところでしょうね。

ぼちぼち作者に使われていくでしょう。

使い道があればですが。




ここではこのくらいにしておきますね。

それでは(・ω・´)ノシ

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