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僕は僕だから僕なんだ  作者: 深雪林檎
◆第一章
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第2話 嫌な予感

後書きにプロフィールを簡単にまとめました。登場人物が増えてくるとまた書くと思います。

結局、昼はいろいろ質問したりされたりして終わった。

隣の席にもかかわらず柊さんと初めて直接話したが、やっぱり綺麗な人だった。よく笑うし、みんなともすぐ打ち解けたようで玲や茅依ちゃんとなんかは、下の名前で呼ぶようになっていた。


その後は特に何かあるわけでもなく、柊さんは学校が終わるとすぐ帰って行った。


「さて、僕も帰りますか」


心はテニス部、玲はソフトボール部、茅依ちゃんは手芸部でそれぞれ忙しいし、来人は生徒会でいない、となると


「凌、起きて下さい。帰りましょう」


肩を揺すって起こす。

起こさなかったら、多分ずっと寝ているだろうし、おそらくいつものメンバー以外で凌を起こせる程の勇気を持ち合わせている人は少ないだろう。


「ああ、ミリーか。もう放課後か?悪いけど今日は『店』に行くんだよ。一緒に来るか?」


大きく伸びをして、首を鳴らしながら聞いてくる。

その音に教室に残っていた生徒は過剰に反応して畏縮していた。やっぱり起こせないよな。


「今日は早く帰りたいので遠慮しておきます。みんなによろしく伝えてください」


「そうか。起こしてくれてサンキュな」


鞄を手に教室を出て行く。

タイミングの悪いことに、ちょうど教室に入ろうとした男子生徒が飛び退いて道を空ける。



「今日は1人で帰りますか」


僕も鞄を持って教室からでる。男子生徒はまだ床にひっくり返っていた。


凌の言う『店』というの要するに凌の仲間たちの溜まり場だ。ひょんなことから関わって凌と親しくなったが、まあ詳しい事はまた行く機会にでも。









僕の家は学校から電車と徒歩で30分くらいのところにある。

道中、僕は柊さんのことを考えていた。

隣の席に来た事、特に用もないにも関わらず会いに来る事、始業式の翌日に転入してくる不自然な事。

まあ、それさえ気にしなければ他は全然普通というより、普通より全然綺麗な人だし笑顔が可愛いし、話してても楽しいけど。

質問を聞いていて分かったことは

・親の仕事の都合で急に引っ越す事になったこと

・学校の近くに部屋を借りる事になったこと

・趣味は読書と料理、洗濯、掃除

・好きな食べ物、血液型、誕生日、好きな教科etc.


僕の事については何も答えなかった。

考えているとすぐに家に着いた。


「ただいま帰りました」


中に入り、いるであろう父親言う。そして暑苦しいウィッグを外して髪を整える。相変わらず肩まで伸びる綺麗なアッシュブロンド。学校では隠しているが実は自分では気に入っている。


「やあ、ミー君おかえり」


リビングに入ると父親の庚紫こうしが声を掛けてきた。純系日本人、黒髪、専業主夫。


「話があるけど良いかな?」


「何ですか?お父さん」


聞き返すと椅子に座るように促される。


「実はねミー君、明日から父さんはマリアさんの仕事の手伝いをしに行こうと思っているんだ。ほらマリアさんって仕事以外何も出来ないでしょう?だから身の回りの世話とかそういう形で手伝ったり、たまには無理にでも休ませたりしないとね」


マリアというのは僕の母親で世界でもトップクラスのIT会社の社長で、ここ何年も帰ってない。だから今まで…というより交際当初かららしいが、家事は全て父親がやっている。


確かに僕の母親は仕事にかまけて他の事を何もしないから確かに行った方が良いのかもしれない。でもいきなり明日からって。


「僕はどうすればいいんですか?」


「ミー君が付いてきてくれるなら父さんも嬉しいけど、ミー君はこっちの暮らしの方が良いだろう?ミー君は日本に残って暮らしなさい」


「確かにそうですけど、いきなり1人暮らしはいくらなんでも…」


一応家事全般は出来るが、さすがにきつい。


「それについては問題無いよ。手は打ってあるから。もう5時半か。ちょうどいいかな?ついておいで」


「どういうことですか?」


「来れば分かるさ」








そうして車で連れてこられて、七階建てのマンションに着いた。


「どうだ?オートロック付き、3LDKだ。学校からも歩いて5分だぞ。今日からここに住むんだ」


「ですから、1人暮らしは…」


「話はここからだ。まあ入って」


三階の部屋に入る。ワンフロアに一部屋しかないらしい。

入ると何故かいい匂いがした。僕の好きなビーフシチューの匂いだ。

部屋の中はもうすでにテレビやソファーなどが用意してある。


「おお、良い匂いだね。ミー君、今日からはこの人と暮らすんだ。家事は全部やってくれる。仲良くやりなさい」


台所から『その人』を呼ぶ。

嫌な予感がした。

というより今したわけでもない。ある程度早い段階で予感はしていた。まず、親の仕事で引っ越す・引っ越し先は学校の近くという聞き覚えのある設定。昼に聞かれた好物の匂いがこの部屋にすること。不自然なタイミングで現れ、不自然に干渉する人物。


『その人』が台所から出てくる。


「よろしくね。雪村君」


嫌な予感というものは大概は的中する。『その人』はもちろん柊 燈加だった。

頭がまた痛くなってきた。

登場人物のプロフィールを簡単に紹介します


◆雪村・A・ミリオネーゼ《ゆきむら》


・11月1日生 16歳

・身長 158cm

・体重 45kg

・趣味 散歩、料理

・苦手 特になし

・運動 A

・勉強 A

・特徴 敬語、可愛い容姿、アッシュブロンドの髪、ハーフ



◆神崎 かんざきしん


・8月13日生 16歳

・身長 182cm

・体重 75kg

・趣味 スポーツ

・苦手 テスト

・運動 A+

・勉強 E

・特徴 イケメン、天真爛漫、テニス部



◆間宮 まみやりょう


・10月17日生 16歳

・身長 185cm

・体重 78kg

・趣味 ビリヤード

・苦手 伊波玲

・運動 S

・勉強 E-

・特徴 金髪、ピアス、不良



◆稲嶺 来人いなみねくると


・9月25日生 16歳

・身長 170cm

・体重 58kg

・趣味 人間観察、情報(弱み)収集

・苦手 不明

・運動 B

・勉強 S

・特徴 眼鏡、生徒会、腹黒い



◆伊波 いなみあきら


・3月5日生 16歳

・身長 162cm

・体重 47kg

・趣味 運動、天体観測

・苦手 虫

・運動 A

・勉強 C

・特徴 明朗活発、ソフトボール部、リボン



◆桐生 茅依きりゅうちい


・1月30日生 16歳

・身長 152cm

・体重 40kg

・趣味 読書、料理、裁縫

・苦手 怖い人(凌はOK)

・運動 D

・勉強 A

・特徴 温和、ツーサイドアップ



◆柊 燈加ひいらぎとうか


・4月30日生 16歳

・身長 170cm

・体重 55kg

・趣味 読書、料理、洗濯、掃除

・苦手 不明

・勉強 S

・運動 A

・特徴 背中まで伸びるストレートヘア、整った顔の美少女





---おまけ---


◆鈴木(仮)《すずきかっこかり》


・身長 172cm

・体重 60kg

・勉強 C

・運動 C

・苦手 柊燈加



◆島田 真美しまだまみ


・身長 169cm

・体重 57kg

・担任 二年B組

・教科 国語

・彼氏いない歴 26年

・年齢 もちろん26歳



◆雪村 庚紫ゆきむらこうし


・身長 175cm

・体重 62kg

・趣味 家事全般

・特徴 黒髪、専業主夫

・年齢 42歳

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