第11話 『店』前編
やっと『店』の話です。
新キャラも出ます。
あ、再び柑奈視点です。
私は今ミーと並んで歩いている。
『店』に向かっているのだ。
「今日もいい天気ですね」
「う、うん。そだね」
ミーが何気ない会話をしてくる度にどぎまぎしてしまう。
あの後、燈加が本当の事を教えてくれたのは良いんだけど、私何してんのよっ!!
そんなの全然覚えてないよっ!!
おまけにあんな格好のままで…恥ずかしい。
「柑奈?どうかしましたか?」
近っ!?
ミーが顔を近付けて聞いてくる。
顔が赤くなるのが分かる。
「なっ、何でもないわよ!!」
私は慌てて顔を背け、ミーから離れる。
あ、でも勿体なかったかも…。
せっかく久し振りに2人きりになれたのに。
私のバカっ!!
そんなこんなで『店』に着いた。
その辺にあるような喫茶店と同じように、なんの違和感も無く通りに建つ店。
……看板さえ無ければね。
入り口の上に掛けられた【『店』】と書かれた大きな看板。
これが見事なまでに、調和とか景観とか何とかを崩してる。
何度見ても変だ。
だいたい店の名前にわざわざ『』なんかつけないでいいんじゃないかな。
「さっ、入ろ?多分みんなもういるよ」
「じゃあ入りましょうか」
『店』に入ると、大きな鈴の音が鳴り響く……のが分かってるから静かに開ける。
「おっはよーっ」
私は思いっきり挨拶する。
ここに来るときはやっぱ元気でいたいんだ。
「うっせーよ、ガキ」
「まぁまぁ、そう言わないで。お早う柑奈。ミリーは久し振りだね」
「何よ芹蒔っ!!あんたにだけは言われたくないわっ!!」
相変わらず頭にくるんだからっ!!
何よ、椅子に寝転んで。
仕事しなさいよ!!給料ドロボー!!
寝ぼけた顔して!!
あ、今起きたのか。
「まぁまぁ、柑奈も落ち着いて」
蒼佑がなだめるように手を出してくる。
「お久しぶりです。芹蒔、蒼佑。店長はまだ来てないんですか?」
ミーが辺りを見て聞く。
何だか「店長」のところだけ笑いながら言ったような気がする。
「店長なら……」
「呼んだか?」
未だに椅子の上に仰向けになっている芹蒔が、そのままの状態で奥のドアを指さすと出て来る。
金髪にピアスの制服を着込んだ店長。
うん、相変わらず接客には出てきて欲しくない人だ。
「ミリーか。良く来たな」
「柑奈に誘われたんですよ、店長」
「……店長は止めろ」
「分かりましたよ、凌」
2人が笑いながら会話を始める。
そういえば、同じクラスなんだったっけ?
「もうすぐ開店ですか?」
ミーが時計を見ながら店長に聞く。
「まあ一応な」
そう言って店長は入り口の掛札をひっくり返しに行った。
どうせお客なんて来ないのに。
私はしょっちゅう来るけど、数えるくらいしか来たことがない。
結局は、雑談して終わるんだ。
まあ、それはそれで楽しいんだけど。
今日はミーもいるしね。
芹蒔はいなくていいけど。
一度店長に何で喫茶店なんかやってるのか聞いたら、「趣味だ」の一言で終わっちゃった。
ちなみに、日を改めて看板の事も聞いたら「趣味だ」でまた返された。
どんな趣味なのよ。
「柑奈ー、コーヒー」
芹蒔が相変わらずの体勢でコーヒーカップをひらひらさせながる。
「自分で入れろっ、バカ!!」
「まぁまぁ僕が入れてくるから」
私が怒鳴ると蒼佑が間に入ってくる。
何でこんなに人が良いのかしら。
「砂糖たっぷりなぁー」
「入れてあるよ、はい」
芹蒔の要望(我が儘)をちゃんとこなす蒼佑。
「相変わらずの甘党ですね」
「当たり前だろー、糖分は良いんだぜ?それに砂糖無しでこんな苦いの飲めねーよ」
ミーの言葉に返す芹蒔。
私と同じだからなんかムカつく。
椅子を蹴っ飛ばしてみる。
「おわっ……アッッッチィ!!」
バランスを崩してコーヒーを頭から被る芹蒔。可笑しくて笑いが止まんない。
「このガキー」
「あははははっ、ごめっ…ぷっふふふ、ごめんね…ははは」
笑っちゃってちゃんと喋れない。
「芹蒔、ちゃんと掃除しとけ」
店長が低い声で言う。
起こってはいない。多分店長も笑いをこらえている。
芹蒔は「何で俺が」とブツブツ言いながらタオルで体と床を拭いている
蒼佑を見ると、やれやれと言った様子で見ていて、ミーは軽く微笑んで芹蒔を眺めている。
いっつもこんな感じで過ごしてるんだ。
ここの雰囲気が落ち着く。
今日もお客さん来ないといいなあ。
私がそんな事を思いながら、伸びをしていると入り口から大きな音がする。
あ、お客。
若干テンションが下がりながら「いらっしゃいませ」と言う。
入り口に立っているのは一人の女の人だった。
ショートヘアにリボンを付けた元気そうな人。
私より3つか4つ上かな?
「うげっ」
私が案内しようとしたら後ろから、店長の短い呻き声が聞こえた。
てな訳で次からミー視点に戻ります。
あんまりコロコロ視点が変わると読者様も大変だろうと思うのでしばらくミー固定です。
『店』に訪れた謎の客、ショートヘアにリボンの女の子。
新キャラか!?
凌の反応の訳は!?
次回、どうなる!?
とまぁクオリティーの低い次回予告を書いてみたりします。
特に意味はないですね。
強いて言うなら文字数の無駄です。
一応、芹蒔と蒼佑プロフィール書いときますね。
本文では柑奈視点で書いて、ずいぶんとアバウトな紹介なので。
◆羽次芹蒔
・10月23日生 15歳
・身長 168cm
・体重 55kg
・好きなもの コーヒー(砂糖たっぷり)
・勉強 C
・運動 B
・性格 怠け者、面倒くさがり
・特徴 たれ目、長髪
◆須勝蒼佑
・8月12日生 15歳
・身長 174cm
・体重 54kg
・趣味 読書、芹蒔の世話
・勉強 A
・運動 B
・性格 温和、世話焼き
・特徴 細目、細身
まあ適当にこんな感じです。
名前は読み方変えたり、並べ替えたり替えなかったりしたら、また作者の遊び心が現れます。
答えは後書きの最後に。
まあ、暇なら考えといてください。
特に面白くないですが。
はぁ、今日もゲーセンに行っちゃいましたよ…
給料日だからって…自重してっ!!
それなりの収穫はありましたが。
寒いのでブランケット二枚と、暖かくなるクッション、小物数点ですね。
引っかかっているやつをズラして落とすのって分かりますか。
グラグラしてるやつですよ。
わからなくても話は進めますが(笑)
初めて挑戦しましたけど……案外簡単でしたね。
うまくやれば3回くらいで取れましたよ\(^ー^)/
……そうやってお金が無くなるんでしょうね。
巧妙な手口です。
まだ軍資金には余裕ありますけどねっ。
数日後には泣いていることでしょう。
あーあ。
そんな感じで日々過ごす私。
はぁ、お腹空いた。
何か食べよ。
最近寒いので動くのが面倒ですね。
布団にくるまりたい。
肉付けたい。
寒いんですよ。
身長-体重=15ですよ
なかなかの痩せ型ですよ。
燃焼する脂肪がないですよ
そんなこんなで字数制限。
それではさよなら
《こたえ》
羽次芹蒔→宇治金時
須勝蒼佑→勝佑蒼須→醤油・ソース
そんだけです。
何度も言いますが、特に意味はないです。




