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異世界帰りな最強魔女の気まぐれ観光 ~帰ってきた日本はニチアサヒロインが戦う世界でした~  作者: 龍翠
第一話 ニチアサに迷い込んだ魔女さん

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2/10

悪の組織のお城に殴り込みだ!


 ニチアサアニメの変身ヒロイン。いいよね。すごく憧れる。そんな子たちに出会うことができて、私はちょっぴりテンションが上がっていた。

 ちょっと高いビルの屋上、その端っこに座って、私は明菜ちゃんたちのことを考えていた。

 いやあ、本当にいい子たちだったよ。これぞニチアサ変身ヒロイン主人公、みたいな感じで!

 汚れきった私とは違うよね! 感動した!


 あの子たちにも言った通り、私は敵にも味方にもなるつもりはない。けれど、せっかくなので見学はさせてもらうつもりだ。

 理由? 楽しそうだから。テレビアニメを実際に見ることができるこの感動! 最高だね!

 でも。でもだ。その最高の娯楽を楽しむためには、やっぱり双方の事情を知っておきたいと思う。ファンとして当然の心理ではないでしょうか!

 というわけで。


「はい、お邪魔します、と」


 あの黒マントの男が使った転移魔法を解析して、こうして敵の本拠地に乗り込んでみました。


「おー……」


 なんか、いかにもな悪の組織の根城だね。

 真っ黒い空間に稲光が走る亜空間。その亜空間の中央に大きめの島が浮かんでる。その浮島に、城みたいな大きな建物が建っていた。

 いいねえ。こてこてで最高だよ。来て良かった!

 お城の前に着地して、さて、と考える。訪問者なんて想定してないだろうし、インターホンなんてないはずだ。どうやって中に入れてもらおうかな。

 押し通ることも当然できるけど……。わざわざ心象を悪くする必要もない。私は話が聞きたいだけなのだから。

 というわけで、とりあえずおっきなドアを叩いてみた。


「ごーめーんーくーだーさーいー!」


 ドアをどんどんと叩きながら言う。反応はない。困った。非常に困った。やっぱり叩き破るか……?

 わりと本気でそう考え始めたところで、ドアがゆっくりと開かれて。


「お前……どうしてここにいる……」


 現れたのは、黒マントの男だった。どう見ても私を警戒してる。当たり前だね!


「やあやあ。ごめんね、お邪魔して。ちょっと話を聞きたくて来たんだよ」

「どうやってここに来た!」

「おっと、無視? ひどいなあ。どうやってって、君が使った転移魔法を解析しただけだよ?」


 うわあ、驚きに目をまん丸にしてる。おもしろい。あり得ない、とかぶつぶつ言ってるけど、あり得るからこうして私はここにいるわけだよね。


「で、もう一度言うけど、話を聞きたくてね。せっかくだから、両方の話を聞いておこうかなと!」

「両方? あのガキどもの仲間というわけか……!」

「どうしてそうなる」


 いや、アホなのかなこいつ。もしもあの子たちの味方をするなら、さくっとこんな城ぶち壊してるから。

 黒マントの男は手の平に魔力を集めて、黒い玉を作った。魔力の塊。それをぶつけてきた。ただそれだけ。


「お前から始末してやろう!」


 へえ。へえ、へえ、へえ! つまり、私とやりあうと!


「いいね、最高だよ!」


 こんな門のところで戦うとか狭いよね! 君の狙い通りにはじき飛ばされてあげよう!

 衝撃に合わせて後ろに下がる。お城の前は結構広い空き地だから、ここでならある程度戦っても問題ないでしょ。

 さっと後ろに下がって、華麗に着地。黒マントの男もしっかり出てきた。彼の両手には、剣。いわゆる西洋の剣だ。二刀流。いいね、かっこいいね!


「この場所は闇の魔力で満ちている! 人間界のようにはいかない!」

「そっか! 楽しみだ!」

「ほざけ!」


 おお、動きが速い! 単純に真っ直ぐ私に突っ込んできただけだけど、私の目では捉えられない動きだ。結構ひょろっとしていたわりにこの動き。魔力で身体能力でも上げてるのかな?


「おっと……」


 適当に魔力で剣を形作って、相手の剣を受け止める。相手の動きは見えないけど、私は周囲に纏った魔力で相手の動きを感知できる。あとは魔法でオートで体が動くから、それに任せるだけ。すると簡単に相手の攻撃を受け止められるってわけだね。

 まあ知っている相手には通用しない戦法なので、格下相手にしか使えないやつです。つまり何が言いたいかと言うと。


「この程度かあ」

「な……っ!?」


 というわけです。

 いや、分かってる。期待するのがだめだよね。だって。

 私の一割程度の魔力をぶつけただけでびびる相手なんだから。

 人間界だからとか闇の魔力がどうとか言ってたけど、それを含めてもその程度だ。戦いにもならない。

 せめてもうちょっと工夫を見せてくれたらよかったけど……。真っ正面から来たからね……。

 なんかもうまともに打ち合うのも面倒になったから、そのまま無防備で立つ。すると黒マントの男は私が諦めたと思ったのか、にやりと笑った。バカかな?


「諦めたか! ならば我らに楯突いたことを後悔するがいい!」


 そうして剣を振ってきて。

 私が纏う魔力に弾かれた。


「は……?」


 は? じゃないが。見ての通りだが。


「君程度だと、私の魔力に弾かれて攻撃を届かせることすらできないよ」

「ふざけるな……!」


 おお、連撃だ。剣を振り回して私を攻撃してる。がんばるなあ。

 でも。


「うざい」


 男の顔面をわしづかみにして、地面に叩きつけた。魔力で強化したから、結構痛いと思う。

 男は意識こそ手放さなかったものの、その場で痛みに喘いでる。まあ、しばらくは動けないでしょ。


「さて……」


 そんな男の頭を踏みつけた。


「ぐがあ!?」

「私は話をしたいだけなんだよね。ねえ、ディザスターさん、だっけ? どうせ見てるでしょ? お話ししようよ。でないと……踏み潰しちゃうよ?」


 ゆっくりと、足に力を入れていく。男が悲鳴を上げるが、無視だ。私は敵対する者に容赦はしない。ディザスターとやらが本当に話をするつもりがないのなら……。やるよ。当然。

 幸い、こんなところでこの男を失いたくなかったのか、門が大きく開かれた。どうやら入っていいらしい。助かるね。


「悪いね。案内は誰がしてくれるの?」

「うぐぐ……。ディザスター様が認めたのなら……僕が案内してやる……」

「おん。そうなんだね。じゃあ頼むよ」


 足をどけて、軽く回復魔法をかけてあげる。黒マントの男はゆっくりと立ち上がって、私を睨み付けてきた。そんなに睨まなくてもいいじゃないか。


「ところで、君が案内していいの? 弱いものに用はないって殺されたりしない?」

「ふん……。その時は、受け入れる。負けたことは事実だ……」

「おん。案外しっかりとした忠誠心があるんだね」


 もっと恐怖政治みたいなものかと思ってたけど……。慕われてるのかな? ちょっと会うのが楽しみだ。

 わくわくしながら、私は黒マントの男の後に続いて城に入った。


壁|w・)おじゃましまーす。


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― 新着の感想 ―
あのまま門を開けなかったら万力で黒マントの頭を胡桃割り人形のようにカチ割ってたよな?
……ん~、なんだろうこの黒マントくんから発せられる忠犬(駄犬)臭w
ディザスター様が金髪碧眼のワガママ幼女で、世界征服がただの思い付きでありますように…
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