その指のあるじ
こんにちは
ソーダ茶です
本日2つ目の投稿、失礼します
こちら現在2026年 1月30日おやつ時の15時29分ごろよりお送りしています
今回は少し前から事前にテーマを決めていた短いお話をお届けします
(仕上がったのは、つい先ほどです)
以下、注意事項です。ご一読ください
*設定がかなりゆるいです
*『なんでも来いよ』、『寛容だよ』という方にしか向かない作品になっているかもしれません
*ゆるく読めそうであれば、よければ読んであげてください
*無理そうだなと思った方(←閲覧中を含む)は即刻ページから離れて健やかにお過ごしください
「指がね、好きなの」
「は、…ん?」
何かの聞き間違いか
そうじゃないとわかっているからこそ、
問いただしたい
『何が』一番?
「指が、すごく好きだよ」
はい、おわりです
「あー、そー」
「うん、そうなの」
正しく返せる反応なんてないな、虚しすぎて
「じゃあ、俺じゃなくていいね」
「っだめだよ!」
息がずれてタイミングを誤った叫びが響いた
部屋の空気が、動きを止めてしまったような
静かに止まる今、この場所のすべて
恐くなって声を出した
「そんなに焦んなくても、」
「焦るでしょ。一番好きな人に、私の相手は誰でもよくて『自分は代わりがきく』みたいなこと言われたら」
焦ってるのは『俺のほう』に決まってんじゃん
「…指、なんじゃん。一番は」
「そう、白くて長くて。すべすべの、その指」
なんにも間違ってない、そうなんでしょ?
「私の大事なその指に、『代わり』なんてない。そう言ってる!」
指、指。ゆび、…ねぇ?
「この指が俺のじゃなくなったら、」
「は?」
問いただして、いいはずだ
俺が彼女の『彼氏』、なんだから
「なくならない!」
?!
滅多に聞かない
主張を貫く、よく通る、
透明度と純度を隠せもしない声
「なに」
「なくならない。私のこと、誰より一番大事にしてきてくれた指なんだよ」
なにいってる…?
「そんな、私を一番大切に。優しく、励ましてくれる指。持ってずっと使いこなせるの、君だけだって言ってんの!…ちがう?」
「なにそれ…」
今まで欠片も知らなかった
その愛おしくてしかたない、
たった今
『俺の』にもなった真相
「それでも、代わってほしい?誰かに」
「彼氏でいること?」
「そう」
無理
今知ったばかりの真相を理解して
そんなのは、
絶対に、できない
「無理、絶対。嫌」
「そう、ならいいよ。そのままでいてね」
「承知、十分理解」
「よし」
ほんと、そういうの
やめてほしいって思いながら
たまらなく好きだ
「まだ、ずっと。この指の、俺が大事にしていい?」
「してよ。そうじゃないと、ゆるさない」
「わー独占欲、つよ」
「知らなかった?」
悔しい
「…知らなかった、教えてもらうまで」
「そうだったんだ。無自覚人たらし、だね」
そんなはずは、ない
少なくとも、あんな発言を突発で放つ君に言われることじゃないと思う
「明日、暇?」
「何?」
「どっか出かけたくなった、一緒に」
「一緒に!しかも外?そっちが誘うの珍しいね」
「そう、珍しい。だから断られたら、しばらく立ち直れないかもしれない」
「まだ返事してないけど?落ち込むには早いんじゃないですか」
「じゃあ、早く返事してください」
「行きます!一緒に、外」
「よかった」
一言で
ぐるぐるしたり、ほっとしたり
君の言葉って、いつでも特別にずるい
少しくらい手加減してほしい
ほんと、まじで
勝てない敵ってこういうこと
奇襲ってこういうこと
残念だけど一生付き合っていくのが、
この彼女
俺の彼女
〈END〉
閲覧ありがとうございます
楽しんでいただけたなら幸いです
それでは




